最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

■チンネ左稜線&八ッ峰6峰(北アルプス剱岳)
〜今夏のメインに据えていたチンネ左稜線登攀に満足〜

レポート No.749
日時:2013年8月7日8日9日10日
参加者:とっちゃん、隊長、うさぎ

【8月 7日】 立山ケーブル駅(7:00)〜室堂バスターミナル(8:20)〜雷鳥沢(9:30)〜別山乗越(12:20)〜剱沢小屋(13:30)
【8月 8日 剱沢小屋(5:30)〜長次郎谷出合(6:30)〜熊ノ岩テント設営(9:00)〜6峰Cフェース取付(10:20)〜Cフェースの頭(13:20)〜5・6のコル(16:30)〜熊ノ岩ビバークサイト(17:10)
【8月 9日】 熊ノ岩ビバークサイト(5:35)〜長次郎谷右俣〜池ノ谷乗越(6:45)〜三ノ窓(7:40)〜雪渓トラバース〜チンネ左稜線取付(8:17)〜P3(10:00)〜P6(11:00)〜P9(13:00)〜P13チンネの頭(15:15)〜池ノ谷乗越(16:45)〜熊ノ岩ビバークサイト(17:50)
【8月10日 熊ノ岩ビバークサイト(6:00)〜長次郎谷出合(7:00)〜剱沢小屋(9:45)〜別山乗越(11:40)〜雷鳥沢(13:40)〜室堂バスターミナル(15:10)〜立山(16:30)〜桜ケ池クアガーデン〜自宅(22:30)

| 7 | 8-1 | 8-2 | 8-3 | 9-1 | 9-2 | 9-3 | 10 |


11ピッチ目(V+、25m) リッジとフェースが続くが傾斜は緩い。プロテクションは岩角に掛けてスリングをよく使った。120cmが使いが手が良かった。3、4本くらいあると安心だ。 リッジにそって100mほどを2,3ピッチで進んだ。

   
リッジやフェースの快適な登攀が続く


クレオパトラニードルと八ッ峰の頭

    


手前がクレオパトラニードル背景は八ッ峰7峰

12ピッチ目(V、25m) ナイフエッジに沿ってロープを伸ばしていくとやがてチンネの頭が見えてきた。楽しみももうすぐ終わりだ。

   

      

13ピッチ目(U、40m)チンネの頭 展望を楽しみながら易しいナイフリッジを進むとやがてチンネの頭が見えてきた。ゆっくり休めるスペースがあったので、ザックを降ろしてパンをかじった。先行のW大パーティーすでにコルまで降りていて、その先の懸垂の準備をしていた。我々はチンネの頭に登って記念撮影。待ち時間やら休憩で登攀時間は7時間を超えてしまったが、これ以上ないという好天に恵まれ、思い出に残るすばらしい登攀になった。


最後のピッチを確保する


隊長

     
うさぎ               とっちゃん

懸垂下降 さて念願のピークを踏んだという感傷にいつまでも浸って居るわけにはいかない。登山は下山の方が重要で事故も起こりやすい。コルまではクライムダウンでいけそうだが、安全を優先して懸垂25m。ロープ回収のとき落石を誘発するのなるべくロープ一本でいくことにした。


コルへの懸垂


コルから頭を見上げたところ

コルからの懸垂 さてコルからの懸垂が岩屑の中をいくことになる。向こう側の様子がわからないので50m懸垂が無難だが、ロープ回収時に落石の誘発は必達とみた。下にはおそらく池の谷ガリーがあり登山者がいるかもしれない。ロープを連結するとスタックして回収できないこともあり得る。必ず25mで支点はあるはずだ。なければハーケンで作ればいい。

     
コルの懸垂支点

細心の注意を払って岩屑の詰まった岩溝を懸垂し、池の谷側に出て見下ろすとテラスがあるが、落石の巣になっている。右の岩壁に古い支点があるがどうも違う。さらに右にトラバースすると、リングボルトでできた懸垂支点があった。ロープスリングが切れかかっていたので、新しいロープスリングで補強した。

     
池の谷側に懸垂で出てきたうさぎ       岩壁に咲くシコタンソウ

     
あたらしいロープスリングで補強     切れかかったロープスリング


懸垂支点、補強はしたがリングボルトが古くなっている

池ノ谷への懸垂25m 支点を補強し25mで池ノ谷へ降りた。比較的しっかりとした凹角を降りたが、降り立ったところは岩屑の中。慎重に数mをクライムダウン。無事にロープを回収して。やれやれ。


25m懸垂で池ノ谷へ


池ノ谷ガリーを10分ほど登り返すと乗越だ


乗越から先ほど懸垂したところが見えていた。

長次郎谷右俣の下降 池ノ谷乗越に戻ると16時45分になっていた。熊野岩までは1時間くらいの行程だが、ここが本日最後の核心だ。スリップ=滑落が成立するので、アンザイレンで下ることにした。時間がかかるが安全優先。アンザイレンが安全とは限らないが。私がこけたら女性陣は止められない。朝はほどよく凍り付いていて、アイゼンが効果的だったが、帰りは雪面が融けて緩くなっているので、アイゼンをつけていても滑りやすくなっていた。

    
慎重に右俣を下った


お隣の学生達が夕食を楽しんでいた

熊ノ岩 17:50 ビバークサイトに戻ると、お隣のテントの大学生のメンバーが入れ替わっていた。劔沢にペースがあり、メンバーが入れ替わるようだ。本日のすべての行程が無事に完了した。緊張感がほぐれると同時におなかがすいてきた。夕食はヌードル、フリーズドのトマトソースパスタ、アルファ米の梅ご飯など、炭水化物ばかりになったが、食欲は落ちていなかった。明日は天候判断で、本峰を経由するか長次郎を降りるかの選択をするつもりだ。

 


| 7 | 8-1 | 8-2 | 8-3 | 9-1 | 9-2 | 9-3 | 10 |

 

2013-8-11Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home