■チンネ左稜線&八ッ峰6峰(北アルプス剱岳) |
レポート No.749 |
【8月 7日】 立山ケーブル駅(7:00)〜室堂バスターミナル(8:20)〜雷鳥沢(9:30)〜別山乗越(12:20)〜剱沢小屋(13:30) |
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下山 13:40 大学生4パーティーがいたので待ち時間が多くなってしまったが、Cフェースの頭には 13:20に到着しのんびりと下山出来るはずだった。しかし、安易に踏み後をたどって下ってみると、そこには、本日最大の核心が待ち構えていた。 1回目の懸垂(50m)緩い傾斜の長い懸垂。三の窓側へ降りるようで、一昨年登路に使ったルートとは違うようだ。しっかりとして懸垂支点に導かれていった。 2回目の懸垂(25m) 次の懸垂でルンゼに入っていく。三の窓側に降りるのはいいが、雪渓が残りシュルンドが口を開いている。先行している大学生が最後尾が見えている。落石の音は、ハーケンを打つ音が聞こえてくる。どうやら苦戦を強いられているようだ。 3回目の懸垂(20m) 水に濡れたルンゼを降りるほぼ垂直の懸垂。懸垂支点横に咲いていたチシマギキョウが緊張した心をほぐしてくれた。さてこれからの行程が読めない、しっかりと雪渓が残っているので簡単には進めないことはわかっている。雪壁と岩壁の間の隙間を、岩壁にそってトラバースするしか方法がない。ロープを出し、所々でW程度のクライミングが強いられ、やっとコルまでたどり着くことができ、ほと一息つくことができた。時を同じくして八ツ峰下半部をやって男性二人パーテリーが5峰から懸垂で降りてきた。昨夜は岩屋でビバークしたそうで、快適ではなかったようだ。
下山は、剣稜会ルートの快適な登攀とは対照的な行程になってしまった。厳しく危険な懸垂とトラバースに3時間を費やしてしまったが、無事に岩と雪の世界から戻ることができた。これもアルパインか。熊ノ岩に戻ると17時を過ぎていた。フリーズド食品中心の簡素な夕食だが、緊張感がほぐれリラックスした時間を過ごすことができ、19時にはシュラフに潜り込み明日に備えた。
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2013-8-11Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |