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■北岳バットレス
〜天候の不安が終始つきまとったが、dガリー奧壁から日本第二の高峰へ〜

レポート No.745
日時:2013年7月13日14日15日
参加者:tjさん、seitaroさん、sskさん、隊長、うさぎ

【13日】 鈴鹿(4:30)〜芦安(9:00)〜広河原(10:20)〜白根御池野営場(13:50)〜二股(15:04)〜大樺沢〜dガリー出合(15:50)〜下部岩壁取り付き(17:00)〜二股(18:00)〜白根御池野営場(18:20)
【14日】 白根御池野営場(3:30)〜二股〜dガリー出合()〜下部岩壁取付(6:20)〜5尾根2ピッチ目(7:00)〜緩傾地帯(7:40)〜Dガリー〜Dガリー3ピッチ目(9:00)〜ルンゼ(9:30)〜Dガリー奧壁1ピッチ目(11:15)〜2ピッチ目(12:30)〜3ピッチ目()〜(14:50)4ピッチ目城塞ハング(15:30)〜終了点(16:04)〜北岳山頂(16:50)〜肩の小屋(17:30)〜小太郎分岐(18:07)〜白根御池野営場(19:30)
【15日】 白根御池(6:40)〜(8:50)広河原(9:20)〜芦安(10:10)〜新清水IC(12:00)〜(14:50)ライフページ桑名(15:50)〜鈴鹿(16:30)

| 13日の1 | 13日の2 | 14日の1 | 14日の2 | 14日の3 | 15日 |


Dガリールンゼ (14日の2) ここで下部フランケの終了点からのトラバースと合流するらしい。 このピッチで先行パーティが奥壁1ピッチ目にアタックしている様子が見えていた。このピッチはV程度で、奥壁@ピッチ目のテラスまでロープを40m伸ばした。

 

  
Dガリールンゼ、上部に奥壁1ピッチ目が見える

Dガリー奧壁1ピッチ目(X+20m) チャレンジアルパインによると1ピッチ目は、「Tピッチ目が核心部となる。ハング帯はホールドも多く、支点も十分あり、見た目ほど難しくない」と紹介されていた。テラスに到着すると3人パーティーが順番を待っていた。ハングの乗り越しと出口で時間がかかっているようだった。そいこうしているうちにMちゃんパーティーが追いついてきた。ここで40分くらいに待ち時間になってしまい、その間に雨がポツリとあたりだした。本日の核心はこれから4ピッチで、X級のスラブが待っている。ここで降られたらまずいことになる、という不安が頭をよぎった。Mちゃんたちはテラスから4尾根にスイッチするようで、バンドにそって登っていった。ピンもなく難儀したそうだ。


中央が奥壁1ピッチ目のテラス(八本歯のコルからヒロミさん撮影)

    
テラスの拡大写真(八本歯のコルからヒロミさん撮影)

30分以上待ってやっと順番が回ってきた。雨がなんとか持ちこたえて入れているようだ。なんとかスラブが濡れるまでに通過してしまいたいが。それ以前に目先の3段ハングを乗り越す必要がある。30分以上待たされたおかげで、先行者の試行錯誤のムーブから正解が見えてきていた。セカンドなら果敢にアタックするとおもしろそうだが、トップなので落ちる訳にいかない。最後のハングの出口でA0を使わせてもらった。3段のハングとも簡単ではなく、ムーブがわかるまでに何度が試行錯誤が必要で、ハングしているので腕が耐えられる時間は限られている。グレードはX+だが、ザックが思いのでそれ以上に感じた。奧壁のハングからスラブに掛けての様子は、八本歯から撮影してくれたヒロミさんの写真をみるとよくわかる。


左:1ピッチ目   右:第4尾根

    
3段のハングを越えるとフィンガークラックのスラブが待っている

最後のハングを乗り越すとスラブが待っていた。岩質がチャートのようなので表面がツルツルでよく滑りそうだ。クラックにそってカムをセットしながら右上。クラックは上部ほど細くなりフィンガーサイズになっていった。

  
最後のハングを乗り越すとスラブ

  
ハングの出口はA0で突破

  
左:八本歯のコル         右:Dガリーを見下ろす

大樺沢雪渓を見下ろしていると、登山者が蟻のように見えている。しばらく見ていると、一人の登山者が滑落していくところが目撃された。ぐんぐん落ちていく。止まらない。後続の登山者にぶつかっても止まらない。どうなったんだろう。大樺沢雪渓だが、D沢の出合から傾斜が増してきた、簡易アイゼンではリスクが高い。

    
Mちゃんパーティー4尾根にエスケープするが、大丈夫か?


一段目のハング、右足から入るか左足か、悩ましいところだ

  
seitaroさんのムーブを学習するsskさんとtjさん

  
さてsskさんがセカンドで登る

Dガリー2ピッチ目(X40m) さて2ピッチ目はスラブだが、ハンドサイズのクラックが走っているので、それにそって登った。手足のジャムがよく決まり安心感があったが、ピンが少なく、でかいカムも持って来なかったので、数mのランナウトになり慎重に体を上げていった。


2ピッチ目開始点にて

  
2ピッチ目は、チャートのスラブ、ハンドサイズでジャムが決まる

  
2ピッチ目の登攀

  
ハンドサイズのクラックにジャムが良く決まった

  
2ピッチ目のsskさんとtjさん      2ピッチ目のスラブのリード


ハンドサイズのジャムが決まるが、ピンがない。ランナウトで墜落は許されない

  
2ピッチ目の終了点手前のスラブ

3ピッチ目(X40m) チャレンジアルパインによると3ピッチ目はWの20m草付きスラブだが、その先のチムニーもつなげたので、X40mが適当だろう。 チムニーは狭くて体が入ると動けなくなる。入り口の細かいスタンスを使い体を上げていき、最後は右足でスラブのスタンスをとって通過。その後、傾斜の落ちたスラブを登ると崩壊してなくなったチムニーのところでピッチを切った。ここで4尾根と合流し渋滞が発生し、1時間待ちになってしまった。この辺りの高度感は抜群で、マッチ箱のピークの背景には大樺沢雪渓が直下に見えている。


マッチ箱

    
左:3ピッチ目、チムニーが不安なtjさん       右:2ピッチ目のうさぎ

    
3ピッチ目はスラブからチムニー

  
クラックからはい出しフェースを登った


城塞ハング直下、マッチ箱と、眼下には大樺沢雪渓見えてる

      
チムニーというか、でかいクラックを得意とするうさぎ


枯れ木のテラス下のチムニーの崩壊地点

  
左:4尾根から城塞ハングへ向かうパーティー  右:クラックをリードする隊長

4ピッチ目城塞ハング左のルート(YあるいはVA1) 城塞ハングのチムニーが崩壊してなくなったのでこのルートになっている。順番待ちをしている間に雨があたりだした。seitaroさんがリードで通過すると雨が本降りになってきて、見る見るうちに岩が濡れだした。フリーではとても無理で、tjさんのアブミを使って通過した。トップでは危ないので、sskさんにロープを引いてもらいセカンドで登った。次のmちゃんチームもうさぎにロープを引いてもらい固定してあげた。

  
左:第4尾根のパーティーと奥壁3ピッチ目のチムニー   右:崩壊地点

     
左:城塞ハングのリードを見守るtjさんとsskさん   右:登攀するtjさん

   
城塞ハング登攀中のtjさん

最終ピッチ(U40m) 歩きで最終ピッチ。時計を見るおt16時になっていた。待ち時間が多かったが、これは想定内で、明るいうちに完登できてよしとしよう。

  
終了点でいつものポーズ


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