■北岳バットレス |
レポート No.745 |
【13日】 鈴鹿(4:30)〜芦安(9:00)〜広河原(10:20)〜白根御池野営場(13:50)〜二股(15:04)〜大樺沢〜dガリー出合(15:50)〜下部岩壁取り付き(17:00)〜二股(18:00)〜白根御池野営場(18:20) |
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Dガリールンゼ (14日の2) ここで下部フランケの終了点からのトラバースと合流するらしい。 このピッチで先行パーティが奥壁1ピッチ目にアタックしている様子が見えていた。このピッチはV程度で、奥壁@ピッチ目のテラスまでロープを40m伸ばした。
Dガリー奧壁1ピッチ目(X+20m) チャレンジアルパインによると1ピッチ目は、「Tピッチ目が核心部となる。ハング帯はホールドも多く、支点も十分あり、見た目ほど難しくない」と紹介されていた。テラスに到着すると3人パーティーが順番を待っていた。ハングの乗り越しと出口で時間がかかっているようだった。そいこうしているうちにMちゃんパーティーが追いついてきた。ここで40分くらいに待ち時間になってしまい、その間に雨がポツリとあたりだした。本日の核心はこれから4ピッチで、X級のスラブが待っている。ここで降られたらまずいことになる、という不安が頭をよぎった。Mちゃんたちはテラスから4尾根にスイッチするようで、バンドにそって登っていった。ピンもなく難儀したそうだ。
30分以上待ってやっと順番が回ってきた。雨がなんとか持ちこたえて入れているようだ。なんとかスラブが濡れるまでに通過してしまいたいが。それ以前に目先の3段ハングを乗り越す必要がある。30分以上待たされたおかげで、先行者の試行錯誤のムーブから正解が見えてきていた。セカンドなら果敢にアタックするとおもしろそうだが、トップなので落ちる訳にいかない。最後のハングの出口でA0を使わせてもらった。3段のハングとも簡単ではなく、ムーブがわかるまでに何度が試行錯誤が必要で、ハングしているので腕が耐えられる時間は限られている。グレードはX+だが、ザックが思いのでそれ以上に感じた。奧壁のハングからスラブに掛けての様子は、八本歯から撮影してくれたヒロミさんの写真をみるとよくわかる。
最後のハングを乗り越すとスラブが待っていた。岩質がチャートのようなので表面がツルツルでよく滑りそうだ。クラックにそってカムをセットしながら右上。クラックは上部ほど細くなりフィンガーサイズになっていった。 大樺沢雪渓を見下ろしていると、登山者が蟻のように見えている。しばらく見ていると、一人の登山者が滑落していくところが目撃された。ぐんぐん落ちていく。止まらない。後続の登山者にぶつかっても止まらない。どうなったんだろう。大樺沢雪渓だが、D沢の出合から傾斜が増してきた、簡易アイゼンではリスクが高い。 Dガリー2ピッチ目(X40m) さて2ピッチ目はスラブだが、ハンドサイズのクラックが走っているので、それにそって登った。手足のジャムがよく決まり安心感があったが、ピンが少なく、でかいカムも持って来なかったので、数mのランナウトになり慎重に体を上げていった。
3ピッチ目(X40m) チャレンジアルパインによると3ピッチ目はWの20m草付きスラブだが、その先のチムニーもつなげたので、X40mが適当だろう。 チムニーは狭くて体が入ると動けなくなる。入り口の細かいスタンスを使い体を上げていき、最後は右足でスラブのスタンスをとって通過。その後、傾斜の落ちたスラブを登ると崩壊してなくなったチムニーのところでピッチを切った。ここで4尾根と合流し渋滞が発生し、1時間待ちになってしまった。この辺りの高度感は抜群で、マッチ箱のピークの背景には大樺沢雪渓が直下に見えている。
4ピッチ目城塞ハング左のルート(YあるいはVA1) 城塞ハングのチムニーが崩壊してなくなったのでこのルートになっている。順番待ちをしている間に雨があたりだした。seitaroさんがリードで通過すると雨が本降りになってきて、見る見るうちに岩が濡れだした。フリーではとても無理で、tjさんのアブミを使って通過した。トップでは危ないので、sskさんにロープを引いてもらいセカンドで登った。次のmちゃんチームもうさぎにロープを引いてもらい固定してあげた。
最終ピッチ(U40m) 歩きで最終ピッチ。時計を見るおt16時になっていた。待ち時間が多かったが、これは想定内で、明るいうちに完登できてよしとしよう。
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2013-7-15 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |