2007年8月14-17日 黒部源流の山旅(北アルプス) |
■黒部源流の山旅(北アルプス)2007年8月14日-17日 No.419 隊長、うさぎ | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 | 三俣蓮華岳2841mの山頂も展望がいい。特に北側が高度感があり、黒部源流の谷が鷲羽岳と祖父岳を分ける様子がよくわかる。その向こうにはかねてから登ってみたいと思っていた水晶岳がどんと構えている。これら源流部の山巡りの楽しみは明日に残すことにして、山頂を後にした。
蓮華から五郎小屋のある鞍部までは、都合500m降ることになる。ハイマツ帯の歩きやすい稜線でチングルマの多さに目を見張った。樹林帯まで高度を落とすと200m急降下が始まる。露岩やごろつく石があり、大変歩きにくい。歩きやすい巻道がいくつか造られているようだが、まっすぐに降る。どんどん降ってやっと黒部五郎小舎に到着した。 花見をしながらのんびりと降ってきたので、少し余計に時間を使ってしまった。小屋で受け付けを済ませ小屋から100mほど南側にあるテントサイトに向かう。テント場は2段になっていて落ち着いた雰囲気がある。よく整地されているし、流水が利用できるし、展望もよい。ただ湿地帯にあるので、蚊やブヨが多いのには閉口した。時間がおしてきたので急いでテントを設営し、黒部五郎の山頂を目指す。 五郎への登山道は、稜線のコースとカールのコースと2本がある。いずれも登りに2時間30分、下りに1時間40分の行程だ。往路、復路と分けて通ればいいわけで、今回は登りに稜線、帰りにカールを選択した。稜線コースは樹林を標高差100mほど登ると、稜線に出る。ここからはハイマツ帯となり展望が良くなってくる。ハイマツが切れたところはチングルマの花畑が広がる。ここでも雷鳥とであった。まだ子どもが小さく、「ひよこサイズ」で、ちょこちょこと歩く姿が愛らしい。5羽も育てるのは大変だろう。親鳥はまるで保育園の先生のように、子どもたちを気遣ってきた。
稜線を進むにつれてどんどんと尾根が痩せ花崗岩の峰が続くようになってくる。しかし足場はしっかりとしているのでそれほど不安にならない。展望は抜群によく、これから向かう山頂はもちろん、カール全体を俯瞰することができる。山頂直下で同じ行程のご夫婦と出会う。 山頂直下は岩峰になっていて、足元に注意しながら慎重に登り山頂に立つ。山頂からはカールが俯瞰でき、胸のすく展望を楽しむ。カールは日本語でいうと、圏谷(けんこく)のことだそうだ。氷河の侵蝕作用によってできた広い椀状の谷のことで、山の斜面をスプーンでえぐったような地形である。氷河が成長と共に山肌を削り、氷河の後退とによりに地上に現れ谷となる。中央アルプスの宝剣からみる地形と雰囲気が似ている。山頂では生憎、ガスで展望がすぐれなかったが、山頂を極めた充実感に浸ることができた。立山、折立からの縦走組が肩にザックを置いて何人か登ってきた。 下山は肩まで降りて縦走コースと合流し、カールの急斜面を降りる。ザレているのでスリップ注意だ。草地の斜面はコバイケイソウに占拠られている。今年は花付きの良い年に当たったみたいで、見事なコバイケイソウの花畑が広がっていた。 カールの斜面を下り、底の部分に降り立つと、雪渓から流れ出た水が谷を流れていた。靴を脱ぎ川に足を入れてみるが、冷たさのあまりに足がしびれてきた。冷たい水で喉を潤し、ひと息入れる。このカールではムシトリスミレがよく見られ、紫色の小さな花を咲かせていた。 稜線コースに比べ、カールのコースは大変歩きやすい。通り過ぎても何度で振り返りたくなるほど花も多い。時間にもゆとりがあるので、花を愛でながらのんびりと降った。ただ縦走組の登山者達は、目的地を目前にして疲労がピークのようで疲れを隠せない様子だった。 小屋まで帰り生ビールを注文する。これが実にうまい。念願だった黒部五郎に登った充実感もあり、しばらく至福の時を過ごし野営場に帰った。 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 |
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2007年8月18日 Copyright (C) 2007 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |