■奥穂飛騨尾根(北アルプス) |
レポート No.910 |
|
9月25日 鈴鹿〜春日井(21:00)〜沢渡(0:30) |
||
ジャンダルム飛騨尾根の登攀 飛騨尾根について、「ジャンダルムから飛騨川に伸びる長大な岩稜、普通はT3付近から登攀を開始する」(日本登山体系 槍ヶ岳・穂高岳 1997)と紹介されいる。奥穂ー西穂縦走のときジャンダルムから、コブ尾根登攀終了時にコブの頭から、必ず目に飛び込んでくる尾根だ。V 200mの登攀のために、長くきついアプローチを強いられる。従って、コブ尾根の登攀の延長に位置づけ、飛騨尾根との連続登攀を計画したが、天候に不安な要素があったので、岳沢の紅葉とセットで今回の飛騨尾根登攀を計画した。まずアプローチだが、最も効率がいいのは、初日に上高地から「天狗のコル」経由で「コブの頭」まで上がりビバーク。二日目の早朝から「飛騨尾根」を登攀し上高地まで下山するプランだ。ただしこの場合、すべての荷物+水二日分を3100mまで担ぎ上げなければならない。また、コブ沢の雪渓の状況により苦戦が予想されることなど、課題も多い。今回、岳沢の紅葉を満喫したいという目的もあったので、二日目の一日ですべてを完結できるように計画した。我々の足ではどう見積もっても、14時間以上の行程になるが、アルパインとしては一般的だ。ということで次のプランになった。さてどうなったか。
天狗沢〜コブの頭 2:00に起きて温かいスープとパンで朝食を済ませた。この時間に行動を開始したパーティーはいない。準備をして2時45分に岳沢小屋を出発した。ガレた天狗沢だが登りは比較的歩きやすい。途中に小休止を入れて2時間20分で天狗のコルに到着。もう少しペースは上がったと思うが、長丁場のために体力を温存しながら登った。 天狗のコルに上がる頃に明け始めた。天狗のコルは標高は約2800m。曇りがちだが穏やかな天気になりそうだが、飛騨側からの風が寒い。手がかじかんでしまい手袋をしたがなかなか温まらなかった。 2年ぶりに歩く区間だ。天狗のコル(約2800m)からコブの頭(約3140m)まではひたすらの登り。コースタイム通り1時間30分でコブの頭の到着した。なかなかからだが温まらなかった。本来はここでビバークの予定だったが、登攀行動を開始するまでに34時間近くを要した。 αルンゼ下降 さてここから登攀行動が始まる。時間は7時10分。予定時間より、出発が早かったので、予備の時間を確保できた。(沢の名称「β沢」と呼ぶ場合もあるそうだ)途中いくつか小滝があると、日本登山体系には書かれているが、時間にゆとりができたし、リスクを極力減らすために小滝3つをすべて懸垂で下った。 αルンゼは傾斜がきつく、岩屑が谷を埋めていた。不用意に岩に体重をかけると、ゴロゴロと崩れる。八峰の「池の谷」もガレがレダが、ここはそれ以上だ。 小滝の懸垂は探せば必ずハーケンがあるが、1本だったり、緩かったり、テンションかける前に、ハンマーでたたいて手応えを調べる必要があった。一本で不安なところは撃ち足した。
小滝を3回懸垂下降し4つ目の小滝の滝口からC尾根へのトラバースに入った。実質上のクライムオン。 T3C尾根 1ピッチ目 4つ目の小滝の落ち口でカムでビレイしクライミングを開始した。地衣類が付着し黒くなった岩を避け、トラバースでC尾根に向かった。途中のハイマツでピッチを切った。 トラバース 2ピッチ目 さてここからはハイマツ帯を避けて、C稜に取り付いた。支点をハイマツとカムで取った。カムはキャメ#1以下が有効だった。ロープの流れを気にしながら伸ばしたが、傾斜が内のでやはり、ロープが重かった。少しガスが晴れてきて、αルンゼを挟んで対岸の「コブ尾根の頭西尾根」がよく見えた。 主稜に乗る 3ピッチ目 C尾根の取り付く。傾斜が緩くおもしろみがないが、ロケーションがよすぎるので許そう。残地ピンはほとんどないのでカムで支点をとりながら登る。やはりキャメ#1以下が有効だ。 主稜に乗ると手の届くところに奥穂高岳がいえていた。眼下の沢が白出沢だ。もう少し天気がいいといいのだが、手袋をしていてもなかなか手が温まらなかった。昨日の青空はどこへ行った。 26日の1・・26日の2・・27日の1・・27日の2・・ 27日の3 |
||
2015-9-28 Copyright (C) 2015 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |