■北鎌尾根@槍ヶ岳(北アルプス)2012年8月31日〜9月2日 No.690 とっちゃん、隊長、うさぎ | ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4 | ページ5 | 北鎌沢出合出発 雨が小降りになったとはいえ、断続的に降っている。睡眠不足でシュラフに潜り込むとすぐに目が閉じたようだが、22時過ぎ、大粒の雨がテントをたたき目が覚めた。明日はどうなるか天候が心配だ。最悪の場合、縦走を諦め脱出することになる。増水した沢は戻れないので、貧乏沢で大天井に逃げるか、などを考えているうちに目が閉じていった。 北鎌沢右俣 雨にぬれたテントの撤収はいやなものだ。水はうさぎが1リットル、私が3リットル背負った。装備も濡れているので気分的に重く感じる。さて今から北鎌沢のコルまで標高差600mを登る。出合いには大小のケルンがいくつかあった。ここは出合いに間違いないようだ。心配された増水も登高には影響がないようだが、濡れた岩でのスリップには注意を払った。まずは十数分で右俣分岐に到着。事前調査通りだ。給水はここでするようだが、増水のためにどこでも水が汲める状態だ。途中ビバークもありうるので、担いだ水は極力使わず、沢の水を飲みながら高度を上げていった。この日、我々が先頭のようで、隣のテントのご夫婦が我々の後方10分くらいにところにつけているようだ。 北鎌沢だが、左又と比べ右俣は、予想以上に狭かった。これはどこかの枝沢かと思ったほどだった。小滝をいくつか巻いた以外はそれほど難しい個所はなく、ぐいぐいいと高度を上げていった。ルートも明確で、本流をまっすぐ登ればいい。というものの、荷物満載のザックを担いでの登高は辛いものだ。最初の3時間で全行程の標高差の半分を稼ぐことになる。稜線へ出てからの8時間以上の岩稜歩きに備え、ペース配分が肝要だ。適度の小休止を入れ無理をせずにコルを目指した。後でネットやガイド本で調べたところ、この沢は熊をよく見かけるようだ。登ることに全勢力を費やし、熊野ことは想定外だったので不安はなかった。概略図 北鎌のコル 谷が浅く狭くなると、草付きの斜面になる。ザレた斜面の急登は体力を消耗した。コルはそこに見えているがなかなか手が届かない。結局、小休止を入れて3時間かかってしまった。このコルだが、少し上部に出たようで、本当のコルはもう少し下のような気がした。コルにはテント1,2張りくらいのスペースがあった。軽く食事を摂り、登攀具を装着してこれからの岩稜歩き備えた。概略図 P8 コルから少し上がると、ダケカンバ帯からハイマツ帯に入って行く。少ピークを2,3回巻き、コルからハイマツ帯の岩場を登っていった。ハイマツ帯の急登ではフィックスロープがあるところがあった。プロテクションとして使わせてもらった。U級程度の岩場の登攀は快適だ。P8のピークに上がると一気に展望が開けた。正面のギャップが天狗の腰掛だろう、行く手に間、独標が行く手をさえぎるようにどっかりと座っていた。概略図 天狗の腰掛(P9)までにも、いくつかの少ピークやギャップがあるようだが、どれもうまく仙丈沢側から巻いていた。P8のコル付近にもいいテントサイトがあったが、天狗の腰掛(P9)付近にも何張かのスペースがあった。展望のよい岩峰だ。一旦、「北鎌沢左俣のコル」まで下り登り返すとやがて独標の基部に到着した。概略図
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