2023年7月24日25日26日 No.1519

南アルプス北岳バットレスの登攀

【行程・登山者】

【7月24日】
鈴鹿3:30〜JR甲府駅8:40〜芦安〜ジャンボタクシー〜広河原10:40〜13:50白根御池小屋
【7月25日】
白根御池小屋2:30〜第5尾根取付6:00〜dガリー〜横断バンド(Aチームはピラミッドフェイスから第4尾根取付テラス)〜第4尾下部〜8:50第4尾根取付テラス(Bチームとの時間調整2時間30分)11:30〜マッチ箱13:00〜城塞ハング〜終了点13:50〜14:45北岳山頂15:15〜北岳肩の小屋16:00〜
【7月26日】北岳肩の小屋7:00〜広河原10:10〜芦安〜芦安温泉岩園館〜12:15韮崎「とんかつ一力」13:00〜JR竜王〜JA南アルプス道の駅(桃を購入) 〜新清水〜湾岸川越17:50
【撮影機材】SONY ZV-1 DJI Action3 GoPro9

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【概要】

この夏のアルパインクライミング第1弾は南アルプスバットレスに登ってきた。5年ぶりになりなる。毎回、これが最後と自分に言い聞かせるが、自分との約束は直ぐに破られてしまう。老化によりパフォーマンスが低下している事を忘れ、時が経つと行きたくなっている。今回のメンバーは4人。2泊3日の行程で天候にも恵まれ、良い岩稜登攀が出来た。北岳は今、夏の花が盛りを迎え、花見と展望を楽しんで下山した。

2日目 白根御池小屋

岩壁の取付の時間が明るくなってからになるように、2時30分に小屋を出た。露が降りていると思ってカッパを着てスターとしたが、あまり濡れたかかったし、暑かったのでカッパを脱いだ。

第5尾根取付

ヘッデンで歩く。30分で大樺沢二股分岐に到着。標高が2209mなので少し高度を下げている。ここからは本流左岸に沿って登っていく。下流から順に、a,b,c,d沢と続く。間違えてb沢に入ってしまって30分のロスタイム。何度も来ているがこのミスは初めて。第5尾根へはc沢とd沢の間の草付き斜面を登る。少し登りすぎて2650m付近からトラバースで第5尾根取付に到着。
白根御池小屋
鳳凰三山から日の出

第5尾根取付

トラバースで第5尾根に向かう。正面は下部岩壁とピラミッドフェイス。ダケも取り付いていなかった。どうも今日は、貸し切りのようだ。2パーティーに分かれほぼ同時登攀でスターとした。ピラミッドフェースの頭周辺で猛禽類が飛び回っている。何だろう。

第5尾根は2ピッチで登った。Ⅲ程度でやさしい。終了点、中間支点が利お湯出来る。カムは入るところがなさそうだ。すがすがしい朝、青空に向かっての登攀が心が弾む。
トラバースで第5尾根に取り付く
第5尾根1ピッチ目

岩壁の草花

タカネビランジを見つけた。南アルプス固有種だ。イブキジャコウソウも咲いている。本家の伊吹山では少し盛りを過ぎているが、標高が2600m付近で見頃になっていた。

シロバナタカネビランジ
イブキジャコウソウ
チシマギキョウ
5尾根の登攀

Dガリー

5尾根からそのままガリーに入る。ガリーを2ピッチ登って横断ハンドへ。所gあここをうっかり通り越してしまった。何度も来ているが、上部のバントと間違えてこれからⅡピッチ登ってしまった。

Tさんリードで横断バンドに入るとどうも様子がおかしい。踏み跡もない。途中までリードするが戻れなくなった。このままでは登ることも出来ないので、私が行くしかない。構造区Nさんパーティーは懸垂で2ピッチ戻り横断バンドから第5尾根下部岩壁に入ってもらった。
ここが横断バンド
ピラミッドフェイス

2ピッチ登りすぎてしまう

ミヤママンネングサ
イブキジャコウソウ

ピラミッドフェイス

ピラミッドフェイス中間部を横断したかっこうになった。ピンがあったのでピラミッドフェイスのどれかのルートだということがわかった。懸垂で下り、第4尾根下部岩壁に取り付くか、そのまま登って第4尾根テラスに出るか2者択一だ。ビレイして少しテンションを変えるとハーケン一個が吹っ飛んだ。信用できない。これで懸垂の選択肢はなくなった。壁は立っているがそれほどみずかしくなかった。10mくらいのピッチで第4尾根テラスに出た。やれやれ。

第4尾根下部岩壁

Nさんチーム、2ピッチ懸垂で横断バンドに戻り、第4尾根下部岩壁に取り付く。核心はクラックルートで、細かいピッチを含めると結構時間がかかる。
ピラミッドフェイス上部
ピラミッドフェイス上部

第4尾根テラス

ここで2時間半の待ち時間が発生。後続のNさんパーティーを待った。朝が早いので横になったらうとうとしてしまった。C沢から上がってきた2人パーティーに先を譲った。写真は撮ってないの、映像で記録した。後日YouTubeでご覧ください。

じっとしていると、イワヒバリやホシガラスがやってきた。上部の方では、猛禽類はやぶさ科のチョウゲンボウがイワヒバリを追いかけ回し捕食仕様としている。チョウゲンボウは冬場、田畑でネズミなどを捕って生活しているが、夏は繁殖のため山岳地帯の岩壁にやってくるようだ。面白かったのはカラスとのバトル。縄張りに入ってきたカラスを何度も威嚇していた。待ち時間、しっかりと自然観察できたので、収穫があった。
テラスからのスタート
この岩場のどこかに巣があるようだ
イワヒバリ
池山吊り尾根
ホシガラスが来た
下から順に右股、ヒドンガレー(a)、バットレス沢(b)、C沢、D沢と続く。
テラスで待つこと2時間半
ピラミッドフェイスの頭