2022年12月28日29日30日No.1483
南アルプス冬の聖岳に登る
苔平2030m ビバーク
3時半に目を覚ましたが、暖かいシュラフを出にくく、時間が経過してしまった。2泊3日にするなら、それほど急ぐこともなく。明るくなってから出発することにした。ラーメンと山菜おこわ。山菜おこわは食べられず持参することにしたが凍り付いてしまうだろう。お湯は、0.75lと0.5lのテルモスに満たした。
トレースはあるのでつぼあしで薊畑まで上がれた。どうやら昨日の下山者の情報では、薊畑から小聖の間の積雪が多く、ラッセル敗退したとのこと。薊畑で2泊した単独男性は山頂まで行けたとここと。とうやら一人分のトレースはあるようだ。こちらは男二人なのでラッセルはなんとかなりそうだ。今回は私がスノーシュー、長谷川さんがワカンを持参している。







薊畑
薊畑に上がると一気に展望が開けた。樹氷が素晴らしいが、ガスと強風で状況が一変した。身が引き締まる。これに負けないように気持ちのギアを一段上げる。スノーシューを装着し戦闘態勢に入った。小聖までのコースタイムで成否が決まる。


ガスが晴れだした
少し進むとガスが晴れ始め、正面に聖岳が見えてきた。モチベーションが上がる。ただし、風は収まる気配がない。
針葉樹林帯が終わり、ダケカンバ帯に入った。風で雪が飛ばされているので徐々にラッセルが楽になっていった。小聖手前で岩稜帯に入り、スノーシューからアイゼンに履き替えた。風が強い。風に煽られて転倒してしまった。岩稜帯に入ると雪が風に飛ばされ岩肌がむき出しになっていた。夏山のようだ。ここからは強風との戦いだ。ラセルもきついが、風が強いと踏ん張るのに力を使う。



小聖 2662m
地形的に風裏になるようで、強風は避けることができた。ここまで上がると展望が良い。間近に上河内岳2803m、茶臼岳、光岳と続く稜線。秘右手には富士山、左手には来年の干支の兎岳2818m、実に素晴らしロケーションだ。
これから標高差350mの登り。夏なら、花を見ながら歩いているうちに山頂に到着するが、強風にさらされる山腹道は厳しい。予報では山頂付近が風速25mになっていた。風は波状的にくるので、ピーク時は耐風姿勢をとりながら風やり過ごし山頂を目指した。夏のタイムより時間と体力が必要だ。夏タイムなら1時間のところを2時間かかった。






