2022年7月28日〜8月1日 No.1456
剱岳チンネ左稜線の登攀 北方稜線帰路2
北方稜線
池ノ谷から剱岳にかけての北方稜線は、ほぼ岩稜のすっきりとしたルートだ。長次郎 の頭は剱沢側を巻く。もちろんピークを踏んでも良い。3年前ここで行き交った単独男性の方が三の窓の岩場で遭難しなくなられた。バリエーションの経験がなく、単独だと危険な区間だと思う。ルートさえ間違えなければいいのだが。遭難のほとんどがルートミスから始まる。岩場を登ってしまい降りられなくなる。
クライミングの経験があると、常にそのことを考えながら登攀する。もしルートを間違えても支点を作って懸垂下降できる。歩きの延長で北方稜線を歩く登山者と、クライミング経験のある人登山者と出会うリスクの大きさが違う。
今回も長次郎のコルで単独女性と行き交った。この先のルート状況について意味不明なことを話していた。池ノ平まで行くそうだが、剱岳本邦の下る様子を見ている危うい。池ノ平までたどり着けるだろうかと心配になった。



剱岳
9:40に剱岳に到着した。平日だが何人かの登山者が登頂していた。残念ながらガスで展望はなかった。この日の気象予報も午後から雨になっていた。雨に降られる前に剱沢小屋に入りたいなと思った。






前剱
一服剱から前剱を振り返る。これだけでも日本百名山に匹敵するボリュームがあると思う。標高が2800mもあるので双耳峰的な存在だと思う。登山ルートの険しさがのぞいている。






剱沢小屋
剣山荘から剱沢までの雪渓周辺のチングルマの咲きっぷりは見事だった。空がどんよりとしてきた。いつでも雨が降り出しそうだ。13時過ぎに剱沢小屋に入った。関東組は野営場でテント泊。皆で小屋前のベンチに座りビールを飲んで、二日間の厳しい行程を慰労した。
夕方になり本降りとなった。小屋の乾燥室で、ロープやギア類などを乾かした。天候が悪くなると小屋のありがたみを実感する。シャワーを浴びて夕食までの時間をのんびりと過ごした。予備日をつかったので、心も体もゆとりがある。現役時代は時間に追われたが、今は急がなくてもよい年齢になった。21時過に外に出てみると満天の星空が見えた。GoProで星景撮影を楽しんだ。天の川がちょうどいい位置にいてくれた。新月のため、山はシルエットになった。



