2021年8月10日〜12日 No.1379
北アルプス 明神岳東稜を登る Page2
ハイマツこぎ
森林限界を越えハイマツ帯に入ると今度はハイマツが厄介だ。踏み跡があるものの、両側からハイマツが覆いかぶさり、ハイマツをかき分けながら登った。松の樹液の匂いは嫌いではないが、手に松脂がついてネバネバした。しかし、ハイマツはしっかりしているので急斜面でのホールドとして使える利点はある。踏み跡は動物も歩きやすいようでん、比較的新しい熊のうんこがあった。登りがしんどいので、熊を怖がるゆとりはなかった。ハイマツをかき分けやっと東稜の頭に到着した。山頂はすぐそこだが、その前に楽しみにしてた岩壁の登攀がある。













遭難者の残置ザック
ヤマレコでみたが、遭難者の残置ザックがあった。3年前の事故らしい。詳しく報告されている。事故を振り返り公開することは誰もがためらうが、この人はしっかりと公開している。勇気のいることだと思う。残置されたザックを回収できなかったことを後ろめたく思い、登山口にそしてヤマレコにその旨が掲示されていた。事故は誰も望まない。しかし自然相手なので想定外はいつでも起こりうることだ。常にその事を考えて行動する必要があることを学んだ。こうやって公開することにより、教訓がきっと生かされると思う。
バットレス
ハイマツこぎに辟易しやっとたどり着いたところが東稜の頭。眼前に登高意欲をそそられるバットレスが立ちはだかる。ここのために来たようなものだ。一段目は左から巻けば簡単なようだが直登した。クライニングシューズは持ってきたが出番はなかった。写真のIくんが抱えている岩、実は私が登っているときに崩壊した。マントルで抜けた瞬間、岩が崩壊しそのはずみで体が空中に飛び出しロープで宙吊り。ムーブの前に岩は確かめていたが、おそらく金属疲労のようなものだろう。後で見ると岩が途中で折れていた。そのときに崩落した岩が右の飛ぶつから打撲した。そのあと、右ひざに痛みが残った。


バットレス スラブ
このルート中、最も安定した岩場で登っていても気持ちが良かった。残置ハーケン多数、クラックに沿ってどこでもカムでプロテクションがとれる。シューズなくても登山靴で登れるグレード。日本登山大系ではⅣ+となっているが、登山靴で登ったが、それほどないように思った。あとは適当にフリーで登って明神岳山頂へ。どこを登っても岩が脆いので、常に確かめないと力がかけれない。多分昨年の群発地震で相当緩んでいるものと思われる。



