2020年9月27日〜28日 No.1302

奥穂高岳南陵(北アルプス)  Page2

南陵の登攀

4時に起床し朝食、装備の準備を整え5時にテントサイトを出発した。下見はしていなかったが、地形はしっかりと把握できていた。前回とは違い雪渓が大きく後退し、岩壁がむき出しになっていた。落石に注意しながら岩壁に取り付いた。
岳沢

取り付き

ルートは岩壁に向かって左手の扇沢、右手の滝沢の中間のルンゼを登る。取り付きは二段の滝になっている。一段目は岩が乾いていたので確保無しで登った。二段目は岩が濡れていて滑りやすそうだったので、ロープを出した。取り付きが核心になるのはコブ尾根も同様で、スタート直後のはやる気持ちを抑えて冷静に判断する必要がある。

登攀は簡単でも、リスク管理は別の話。我々はクライミングチームなので、躊躇なく自然に道具を使う。ハーケン一枚を撃ち込み、カムとでビレイポイントを構築。途中の支点はカムとハーケンで支点をとった。今回、ハーケン2枚サービス。滝を2段越えるとルンゼ登りになる。濡れた岩はよく滑るので注意。
岳沢を振り返る
雪渓は右岸を通過
ザレた斜面を落石に注意しながら登る
雪渓のブリッジが崩壊している
一段目は岩が乾いていたので確保なしで登る
ルンゼの先にトリコニー1峰が見えている

下部岩壁

ルンゼをそのまま詰めていくと岩壁に当たる。岩壁の直登もできるが、クライミングシューズがなく、取り付きのスラブ状岩壁が滑っていたのでハイマツ帯から巻いた。

ハイマツ帯を巻くと尾根の岩峰となる。傾斜があるのでロープを出した。木登りを交えた岩登りで、いかにもアルパインらしい。ハイマツ帯をかき分け進むと傾斜が少し緩み草付きの斜面になった。ここで小休止をとった。
滑ったスラブと上部岩壁
ハイマツ帯を登って岩尾根に取り付く
ロープを出す
草付斜面になると前方にモノリス岩が見えてくる
西穂方面、斜面の紅葉が進んでいる
吊り尾根
よく見ると戦闘機が二機、速い