2020年9月27日〜28日 No.1302

奥穂高岳南陵(北アルプス)  Page1

【行程・登山者】

【9月27日】
沢渡11:30〜上高地12:00〜岳沢登山口12:20〜岳沢テント場15:00
【9月28日】
岳沢テント場5:00〜5:40南陵取り付き5:50〜ルンゼ分岐7:40〜モノリス8:50〜トリコニー1峰9:10〜9:45トリコニー2峰10:00〜11:30南陵の頭11:50〜13:05紀美子平13:15〜岳沢テント場14:55〜岳沢小屋15:30〜岳沢登山口17:00〜上高地バスターミナル17:30〜沢渡駐車場17:50〜入浴〜岡谷で焼き肉〜自宅23:30
【登山者】本間、永島、隊長
【撮影機材】OLYMPUS E-M5Ⅲ G VARIO12-60mm、GoPro7

【概要】

奥穂高岳南陵は再訪したくなるクラッシックバリエーションルートだ。前回の登攀から8年が経過していたが、鮮明に記憶が残るルートだった。今回、パートナーと天候に恵まれ、秋の穂高の岩稜を満喫できた。このルートはウェストンの初登ルートとして広く知られている。案内人嘉門次とともに1912年8月24日に登っている。岳沢から仰ぎ見るトリコニー三峰が登高意欲をそそる。
YouTube動画 → https://youtu.be/HPZmaXp7m8M

上高地〜岳沢

今回のメンバーはみどり湖PAで合流し、沢渡から上高地に入った。今回はベースキャンプ型の山行なので、重い荷物は岳沢までの我慢だ。予定通り3時間でテント場についた。最初に気になったのが取り付きの雪渓の状態だ。コブ尾根の取り付きもそうだが、ここが核心になることが多いが、今回は状況から判断してすんなりといきそうだ。テント設営後、受付、水くみなどしていると時間の立つのがやはい。ビールを飲みながらくつろぐ。日が落ちると急に肌寒くなってきた。日没後は星景写真の撮影を期待したが、曇り空で叶わず。明日に備え、早々にシュラフに潜り込んだ。
瑞牆山
ゴゼンタチバナ
天狗沢と天狗岳
前穂が見えない
テント場

南陵

奥穂高岳南陵はウェストンが1912年8月24日に登っている。次の年も婦人同伴で登っていて、いずれも上高地から日帰りだそうだ。案内人に嘉門次さんがついていたけど、それにして、上高地から日帰りとは驚く。書籍「W.ウェストンの日本アルプス再訪」には、南陵取り付きの様子が詳しく書かれている。少し引用すると「8時に雪渓に達する。雪渓の最上部付近にはクレパスがあり、、そこに盛んに雪解け水が流れ込んでいた。我々は左手にある岩場に飛びついて、・・・・・

・・・・そこを通過した。・・・・・右手斜面の下部では、花崗岩層がむき出しになっている。昨年、これは隠れて見えなかった。それは、巨大なローマの城壁の矢筈模様のレンガのように、全く規則正しい形で、ほとんど垂直の層になって切り立っていた。6時間休まず登って、正午に頂上につく。嘉門次は奥様の成功を素直に喜び、心から楽しそうだった」我々は取り付きが5:50スタートで南陵の頭が11:30だったので、ほぼ同じタイムなのが興味深い。
南陵と吊尾根 
南陵の取り付き
トリコニー1,2,3峰

日本登山系

奥穂高岳南陵は日本登山体系では、「吊尾根の奥穂高寄りから岳沢に伸びる尾根で、中間部にある3つの岩峰トリコニーで有名な古典的ルートである。岩も堅く、楽しいルートで人気がある」と紹介されている。初登は、1912年8月 ウォルター・ウェストン、上条嘉門次。上條嘉門次は明神の嘉門次小屋の初代主人。

「取り付きは大滝手前の左手の小ルンゼ。雪渓の状態によっては取り付きに苦労する。」確かに、前回の山行は8月で取り付きの雪渓が開き岩壁にかぶさるようだったので、崩壊のリスクを感じた。このルートの難所はルンゼの突き当りの草付きの上のスラブ帯、と記されているが、その通りだと思う。今回も、前日が雨で濡れて滑った感がありありと分かったので、最初から巻を考えた。
重太郎新道
雪渓が少し見えている
オリオン座 東の空