■北岳(南アルプス) |
レポート No.979 |
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7月16日 芦安第8駐車場(8:20)〜広河原(9:40)〜登山口(9:50)〜二俣分岐(10:15)〜白根御池小屋テント泊(13:10) |
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アプローチ 予報通り1時過ぎにテントを打つ雨の音で目が覚めた。2時にアラームをセットしたが眠れなくなった。さてどうするか。テントを出てとりあえず朝食の準備をすることにした。雨は断続的に降っている。予報通り、日本海を通過する低気圧の影響が出ているようだ。大きな崩れではない。風もそれほど出ない。3時半を過ぎた頃には雨が小康状態になった。いつでも撤退できる心構えで、アタックを決めた。今回のメンバーは今年、城ヶ崎、三つ峠、城山、小川山、御在所、瑞籬山で経験を積んできた。ぬれた壁でも4尾根なら大丈夫と判断しアタックを決めた。 C,D沢中間尾根 今年は雪渓が極端に少なく、大樺沢も夏道が使える。前回はこの時期、アイゼンで雪渓を歩いたのだが。c、d沢の中間尾根も全く様子が違っている。ガスでよく見えず、偵察の成果が生かせず少し迷ったが、無事に中間尾根に乗れた。 灌木帯を抜けると草付きに入った。前回ここは雪渓で、下部岩壁の基部までつながっていたが、今回は全く雪がない。たやすく基部に取り付くことができた。 下部岩壁 第5尾根 当初はDガリー大滝から入る予定だったが、ぬれているので第5尾根から入ることにした。まず、しんくん、おおやさん、たばたさんチームからスタート。グレード的にはV+程度だが、ぬれているので油断はできない。プロテクションは確実に。3ピッチで下部岩壁を処理した。 第5尾根2ピッチ目 このピッチもV程度。時間的には雨で出発が遅れた分、窮屈になっている。効率よくピッチをつなぐ。とにかくガスがひどく、10mも登ると、リードがガスの中に消えていく。3ピッチで草付きに出て、すぐのバンドを右に入ってしまった。 ルートミス ピラミッドフェイスのピッチを見つけたが、どうもルートミスのようだ。ピラミッドフェイスを登ってもいいが、これだけぬれていると危険。少し登ってみると、後続のカトリーヌさんから、横断バンドはもう少し上のようです、と声がかかる。我々は引き返し。少し登ったしんくんは懸垂下降でリカバーした。 ルンゼ ルートに復帰し、コンテで1ピッチ、ルンゼを1ピッチ登り横断バンドへ分岐した。ルンゼの登攀は岩が濡れていて、陰鬱な感じがした。 横断バンド 写真で見るほど危険ではないが、ロープを1ピッチ出してリスク管理をした。 下部リッジ 横断バンドで回り込んだところが下部リッジとなる。4尾根主稜取り付きテラスへは、Cガリーに出る場合と、今回のようなリッジを行く場合があるようだ。 下部リッジの1ピッチ目 グレード的にはWくらいだと思うが、壁が濡れていてNPなので気を遣った。レイバックで離陸、カムを2個セットしプロテクション。足を高く上げないとスリップする。レイバックの基本だが。後半があるとも知らず。ところが核心はその上のクラックにあった。手足のジャムがキクの配意が、カムのたまぎれでランナウト。 下部リッジ2ピッチ目 下部リッジ3ピッチ目 晴れていれば気持ちのいいリッジだと思うが。 雨が降ってきたので、カッパの下にTシャツとウインドブレイカーを着込み、寒さ対策をした。 4尾根主稜1P やっと取り付きテラスに到着した。「つるりとしたクラックW+から易しいスラブV」いろいろと紹介されているので、見覚えのある凹角のクラックだ。見た目より傾斜がゆるく、ジャムがきくので、濡れていても登りやすかった。 4尾根主稜2P 草付き混じりのフェイス 4尾根主稜3P 緩斜帯から回り込んでリッジに出る。 4尾根主稜4P 垂壁からリッジ。ここは濡れていると厳しかったのでA0でクリア。濡れているというより、雨がザーザー降っていた。もたもたして時間を無駄に使いたくはない。ハーケンが連打されている。マッチ箱までロープを伸ばせたが、T山岳会の二人組が懸垂ポイントを間違え、その間にカトリーヌさんが追い越し、我々の前にT山岳会の二人組が入った。 マッチ箱 ここまではスムーズに来たが、ここで懸垂待ち。目の前に城塞ハングが見えているはずだが何も見えない。懸垂は10mだが、着地点の見えない懸垂は不安だ。このあたり非常にロケーションのいいところだが、ガスで何も見えなかった。 マッチ箱懸垂 ルートをミスした先行パーティーの懸垂待ち20分。標高はすでに3000mを越えていて、風はそれほど強くないが、じっとしていると体が冷えてくる。懸垂すると上部フランケの最後から2ピッチ目になるようだ。
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