プロローグ 今年のGWの前半は大台ヶ原を計画した。大台ヶ原は名のごとく、台地上の山で、周辺は断崖になっているのが特徴で、深い渓谷になっていたり、断崖になっていたりする。断崖は「煤vと呼ばれ、千石煤A大蛇煤A蒸篭狽ネどがあり、いくつかのクライミングルートが開かれている。大台ヶ原は吉野熊野国立公園に指定されていて、その中でも千石狽ヘ、西大台にあるため、 「西大台利用調整区域」に指定されているため、立ち入るためには事前に申請し許可を得、立ち入り前にレクチャーを受講す必要がある。登山やクライミングは、天候により予定の変更はたびたびあるが、まずは申請をしておかないのいくら天気がよくても入山はできないので、今回は、二日分の申請を出しておいた。運良く今回は二日とも晴天に恵まれた。

霧氷
たくさんとほんまさんは関東からの移動なので、連休初日は移動日にあてた。われわれは朝から出発し、途中に奈良の「長谷寺」に立ち寄り、大台ヶ原に入った。長谷寺はボタン祭りの最中だった。大台ヶ原に入るとぐんぐん気温が下がり、駐車場付近は2度になっていた。降雪こそなかったが、車を揺らすほどの風が吹き、大荒れの天気になっていた。こんな天気なので散策もできず、午後からの時間を観光物産館の食堂で閉店の5時まで過ごした。
さて登攀の計画だが、二日目は寒波の影響で気温が低く風も残っていたので、30日を蒸篭ぐらの登攀と東大台ハイキングにし、条件のよい翌日をボリュームのある千石ぐらのサマーコレクションの登攀にした。
アプローチ 蒸篭ぐらへは駐車場から、東大台の散策コースで約1時間の距離。山頂を経由しないルートの方が早いが、間違えて山頂を経由するコースに入ってしまった。登攀後に散策を予定していたが、順序が逆になった。この日は朝から、雲ひとつない晴天に恵まれたが、気温が低く風もあったので、登攀条件を考慮すると、結果的にこの方がよかったと思う。

入山 日出が岳へ
蒸篭ぐらは登攀じたいは3時間程度なので時間的にゆとりがある。最初に東大台の散策を楽しみながら、大蛇ぐらへ向かった。緑の季節にはまだ少し早いが、空気が澄んでいて、山頂の櫓からは大峰山脈の山々や熊野などが一望できた。

山頂三角点 大峰山脈

尾鷲方面 正木ケ原

正木ケ原
正木が原の白骨林は独特の景観で、東大台見所の一つになっている。山頂経由の2時間の散策で大蛇ぐらに到着した。朝が早いのでまだ人が少なかった。

白骨林 牛石ケ原
まずは分岐に荷物をデポし、大蛇ぐらへ。大蛇ぐらは名所にあっていて、観光客が多く訪れるところ。我々の目的は大蛇ぐらの全貌をつかむこと。登攀ラインが掌握できる。

牛石ケ原 蒸篭ぐら

大蛇ぐら 中の滝と千石ぐら
さて、蒸篭ぐらへは大蛇ぐらとの間のルンゼを20分ほど下っていく。岩屑のつまった傾斜のある谷で、落石に注意を払いながら下った。右手の岩壁に軌道の素掘りのトンネルが見つかる。このトンネルは大蛇倉と蒸篭ぐらを貫くように計画されたもので、貫通しているのかどうかはわからない。(参考書籍:三重県の森林鉄道)

蒸篭ぐらの岩壁