■コブ尾根@奧穂高岳(北アルプス) |
レポート No.750 |
【8月16日】 鈴鹿(5:20)〜四日市(6:00)〜平湯アカンダナP(9:30)〜上高地(10:10)〜岳沢登山口(10:35)〜(13:40)岳沢小屋野営場(14:50)〜コブ沢取付(15:40)〜テント場(16:40) |
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コブ沢のアプローチ 5:10 3時半に目を覚ましテントの外を見るとガスもなく天気はいいようだ。見通しがきいているだけでもありがたい。簡単に朝食を取って必要な装備をサブザックに詰め込んだ。J店長から「水を充分に持って行け」との指示が入っていた。朝は冷えていて水の必要性が薄れがちだが、一日の行動には一人2リットルは必要だ。ザックは重くなるが水は必需品だ。 取付 6:00 下見を昨日してあるので迷うことなく末端まで進み、予定通り岩壁に乗り移ることができた。予定通りことが進むとストレスを感が少ない。さてここからが未踏のエリアに入っていく。とりあえずはこの岩壁を登る必要がある。弱点は一カ所、やはりそこにはハーケンが打ってあったが、スリンクがかかった支点は錆びていて半分、折れ曲がっていてぬけそうだ。その上の支点にヌンチャクをクリップしテンションを掛けると、いとも簡単に抜けてしまった。抜けたハーケンはしっかりとしていたので、少し場所を変えて打ち直した。しっかりと効いたのでこれで安心。
ルンゼに入る 岩壁を乗り越えると浮き石の多い緩斜面になった。ロープの流れによっては簡単に落石を誘発してしまいそうだ。持った岩は簡単に剥離するので不用意にテンションがかけれない。ロープを20mほど出したところで、残置ハーケンと打ち増したハーケンとで支点を作ってピッチを切った。雪渓末端から岩壁の登攀が第一の核心だと思っていたが、やはりそうなった。小ルンゼに入り第一関門突破。さてこの先は本ルンゼと合流するようだが、ちょっとした岩壁のトラバースがあり、ここは個々の技量を信じて確保なしでいいと判断した。ルンゼから見下ろすコブ沢先端の雪渓は、高さ数mのシュルンドになっていて、とても乗り移れそうになかった。やはりルートはこれしかなかったようだ。この先、中途半端に融雪が進むとかなり難しくなりそうだった。
ルンゼの登攀 ルンゼに入るとあとはルート通り、このルンゼにそって高度を稼げばいいことになる。ルンゼは融雪したようで、すでに雪渓はなかった。ガレているのはルンゼだから当然で、岩雪崩を起こさないように、大きな岩でも簡単に動くので予測してリスク回避しながらルンゼを進んだ。しばらく岩屑の詰まったルンゼの登攀が続いた。 水辺を好むミヤマダイモンジソウが所々に、荒々しい岩屑とは対蹠的な小さくかわいらしい花を咲かせていた。登るにつれ徐々に谷が浅くなりやがて、草付きの斜面へと消えていった。この草付きの斜面にはコバイケイソウが群生していて、花の時期は少し過ぎてしまったが、見事花畑が広がっていた。 かすかな踏み後をたどりながら草付きの斜面で高度を稼いでいった。前方に稜線が見えてくるとコブ尾根のコルは近い。右手に見えるのがマイナーピーク2626mらしい。岩尾根を登りに来たわけだが、この草付きではハイキング気分で花を楽しむことができた。自然の造形は多彩だ。
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2013-8-18Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |