■烏帽子沢奥壁@谷川岳 |
レポート No.742 |
6月22日 榛名山黒岩でクライミング |
|
5ピッチ目 X— 40m 傾斜の緩いルンゼから入り、チムニーを越えると脆いフェースが待っていた。チムニーがこのルートの最初の核心だろう。チムニーだから中で勝負しよとしたseitaroさんがもがいていたので急遽、作戦を変更し外面で勝負した。ピンがあるのでリードでもそれほど怖さを感じなかった。フリーでやるゆとりがなかったので、ちょこっとA0。すえつぐさんここで撮影に専念。人が真剣勝負をしている姿は偽りのない真実で、核心部ほどいい影像が撮れるとか。核心はやはりそのピッチのスパイスになり、記憶にもしっかりと残った。ピンがあったとはいえリードは、いつも真剣勝負だ。このピッチ、ルンゼルートもあるようだが、浮き石が多くあまり使われないようだ。 6ピッチ目 V 30m バンドを左へトラバースし、正面ルンゼと合流した後、右上したテラスへ。ここも開放的で快適なピッチ。易しいピッチなので気持ちにゆとりが出て、周囲の状況がみえてくる。南稜テラスにはまだ何人かの人が順番を待っていた。この中央カンテに比べると人気ルートの南稜は短いピッチだが、待ち時間が3時間以上にもなるとちょっと考えさせられる。ちなみに南稜のトポを見てみると、全6ピッチで、各ピッチが20~30mと短く、この中央カンテの約半分にも満たないルートのようだ。 7ピッチ目 X(A0) 30m 実質的に二つ目の核心部があるピッチ。テラスの上の垂壁を人工またはフリーで越え、右上のハング気味の凹角を越えると四畳半テラス(現在は二畳もなかった)最初の垂壁は見た目ほど難しくないが、ハング気味の凹角がこのピッチの核心で、残置スリングのほかにseitaroさんが、カムを2個セットしていってくれた。同じサイズのカムを持っているが、たくさんの「残置しますか」という甘い誘惑に、無意識に「はい」と答える自分がいた。出口も微妙だったのでたくさんがスリングを残置。ロープが出ていたので使わせてもらった。ここまで来ると、先日登攀したろうそく岩のある中央稜の終了点を見下ろす高さになっていた。高度感のある素晴らしい眺めだ。と同時に、帰路の長く連続する懸垂が気なりだした。
8ピッチ目 V 30m 4畳半テラスから濡れたルンゼ状を登る。烏帽子岩が眼前に迫ってきているというロケーションだ。傾斜が緩んだ分、浮き石が多くなり、落石や剥離に注意を払いながら進んだ。このピッチの終了点も高度感があり素晴らしかった。小休止しているとヘリが飛来し、烏帽子岩の上でホバリングし、一旦遠ざかったが再び飛来、烏帽子岩のコルでホバリング、その間にこちら10番目のショートピッチをこなした。
9ピッチ目 V 50m 烏帽子岩の基部が終了点になっている長いピッチ。終了点からは見えなかったが、再び飛来したヘリはちょうど烏帽子岩のコルでホバリングしているようだ。目と鼻の先だった。先行していたseitaroさんによると、ワイアをさげて人を救助したようだ。何らかのトラブルで誰かが救助を要請したようだった。 10ピッチ目 10m 烏帽子岩の基部まで。普通はここでピッチを切らないが、武田さんに次のピッチのルートを指示できるよう、基部で一旦ピッチを切った。 11ピッチ目 W 40m バンドを左へトラバースし笹原の終了点へ。グレードと距離を見ると易しそうだが,岩が濡れてないことが条件。今日の状態はまるで沢だ。ここが第3の核心といえる。seitaroさんが残置とカムでプロテクションをとりながら慎重に進み,笹原に入ったろころでピッチを切った。たくさんがスリングを残していてくれたので安心してリードできた。終盤になり濡れた岩に悩まされるところが谷川だそうだ。 12ピッチ目 登攀終了点 おおいに笹を漕いで懸垂岩のコルへ。ここが登攀終了点だ。時計を見ると13時20分になっていた。2パーティー6人で6時間半のコースタイムはどうなのかわからない。チャレンジアルパインによると3~5時間となっていた。地元のクライマーが二人いて,南稜を上がり稜線へ抜けるそうだ。我々もここでいつものポーズ。登攀終了ご苦労様でした。気温が上がったのかブヨの動きが活発になり,しきりにまとわりついてくる。追い払っても駄目だ。露出部分をことごとくやられて,かゆいかゆい。
|
|
2013-6-9 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |