■烏帽子沢奥壁@谷川岳 |
レポート No.742 |
6月22日 榛名山黒岩でクライミング |
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プロローグ 梅雨の間隙をねらって出撃。遠距離の遠征なので、二日目は比較的短いルートにしたかったが、初日の予定を二日目に変更してロングルートの中央カンテにアタック。登りが中央カンテ11ピッチ、下りは南陵を懸垂で下った。岩は濡れていて脆く、一の倉沢出合を出発して戻るまでの15時間は緊張が緩むことはなかった。これが谷川岳なのだろう。やはり充実感が違う。 アプローチ 今日の中央カンテルートは11ピッチと長いために、出発を1時間早め3時行動開始になった。昨日は黒岩でクライミングを夕方まで楽しみ、湯につかり食事をしてベースプラザ駐車場に戻ると21時を過ぎていた。seitaroさんととっちゃんはテント、我々は車で休んだ。睡眠時間は5時間と短かったが、ぐっすりと休むことができた。 行動開始 3時に起きて行動開始。ヘッデンを点けて出発した。昨日から雨はあがっているが、雲と霧ですっきりとしない天気だ。有料サイト(ヤマテン)の谷川岳の天候は概ね晴れの予報が出ている。梅雨前線が南下している隙をついてのアタックで、晴天までは望まないが雷雨だけは避けたいところだ。 閉鎖中の国道を1時間歩いて一の倉沢出合いに到着した。昨年まではこの時期、車で出合いまで入れたそうだが、今年は通行止めが続いている。本日はロングルートなのでアプローチで短縮したかったがそうもいかなくなった。 予定通り一の倉沢出合いに到着した。テント泊のパーティーが数組あり準備をしているところだった。今日は、人気ルートの南稜や中央稜は混みそうだ。小休止を入れ、一の倉沢に入った。雪解けは2週間前よりも進んでいるが、ルートはしっかりとしていて右岸を少し歩いてから雪渓に入れた。雪渓もしっかりとしていて予定通り約40分でテールリッジ末端に到着した。ここで軽量化のため、この先不要となるアイゼンやストックをデポした。
テールリッジ さてここからテールリッジに取り付く。乾いているとフリクションがきく岩だが、少しでも濡れると良く滑る。アプローチではあるがテールリッジはすでにクライミングの領域に入っていて、スリップしての滑落は許されない。途中で朝食タイムをとり、慎重に登って中央稜取付まで進んだ。
中央カンテ取付 予想通り今日のパーティの大半は南稜と中央稜に集中している。中央稜取付ではすでに数パーティーが順番待ちをしていて、我々が準備をしている間にも2パーティーほどが上がってきた。どうやら濡れたルートの中央カンテにアタックするのはわれわれの2パーティーだけになりそうだ。今日は先行パーティーがseitaroさんリードで、たくさんとビデオ撮影の末次さん、セカンドパーティは私がリードで、とっちゃんとうさぎでいくことになった。*以下、ルート解説については、チャレンジアルパインから引用している。 烏帽子沢奥壁中央カンテ 1ピッチ目 V+ 40m バンドを右に出て凹状の細かいフェースを拾っていく。さて中央カンテだが、2週間前にやった凹状岩壁と2ピッチまでは供用になっている。バンドの右へのトラバースから始まるが、トラバース部分は濡れていても問題ないが、凹状のフェースは水が流れていて、ホールドした手を水が伝ってきた。中途半端なスタンスやホールドはスリップの原因になるので、甘いところは避けて確実なスタンスやホールドに心掛けた。40mロープを伸ばしてピッチを切った。解除のコールが聞こえないので笛で合図。
2ピッチ目 V 50m 傾斜の緩いフェースからスラブを左上。さて2ピッチ目も濡れた岩が続く。しかも凹状なので落石が集まってくるところだ。先行パーティーがいるようなので気が抜けない。ロープが濡れてしまい引き上げが余計に重く感じられた。 3ピッチ目 W 40m バンドを左上し急なカンテを直上する。カンテのクライミングになり、岩が乾いてきて快適だ。前方に岩壁が迫り、直下には雪渓が見えていて、高度感が出てきた。これぞアルパインクライミングの醍醐味だ。ロープを40m伸ばしカンテの途中でピッチを切った。 4ピッチ目 W 40m カンテを直上。小垂壁を越えフェースへ。ここの終了点で、変形チムニールートからのトラバースが合流する。この辺りまで来るとガスが徐々に上がってきて、青空がのぞきはじめてきた。実に快適なラインだった。
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2013-6-23 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |