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2010年7月31日8月1日 白出沢からジャンダルムへ(北アルプス)

 

ジャンダルム(北アルプス)2010年7月31日8月1日 No.555 うさぎ、隊長
〜今回は白出沢からジャンダルムへ〜
【7月31日】新穂高温泉有料駐車場1100m(5:45)〜穂高平小屋1345m(6:31)〜白出沢出合1535m(7:22)〜白出岩切道1912m(8:48)〜鉱石沢2015m(9:19)〜荷継沢2190m(10:00)〜雪渓取付(10:46)〜雪渓上端(12:00)〜穂高岳山荘2983m(13:05) 歩行距離8.6km 累積標高+1950m
【8月1日】穂高岳山荘(4:05)〜(4:35)奥穂高岳3190m(5:00)〜馬の背(5:05)〜ジャンダルム3163m(6:04)〜天狗のコル(7:17)〜天狗岳2909m(8:00)〜間天のコル(8:30)〜間ノ岳2907m(8:57)〜P1(10:18)〜西穂高岳2908.6m(10:20)〜西穂独標(11:50)〜(12:50)西穂山荘(13:10)〜西穂高口駅(13:50)〜ロープウェイ〜有料駐車所1100m(15:00) 歩行距離7.1km 累積標高+300m -1300m

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白出沢雪渓の取付 いよいよここから雪渓の登坂が始まる。ベンガラなどの目印はなく、当然決まったルートもない。傾斜や落石の状況から判断してルートを決めていく。兎は体重も荷も軽くので6本アイゼンで十分だったが、私はテント装備なので、6本だと時々グリップを失うときがある。やはりこの雪渓をテント装備で登るには10本爪が必要だった。取付あたりは傾斜がそれほどでもなかったが、進むにつれて傾斜が増してきた。スリップし転倒すれば、滑落は免れないだろう。
 アイゼンを持ってこなかった男性3人組は、10m位のロープを使い、一人が1ピッチ登り確保、後続が登る。まるでクライミングのように、確保しながら登っていた。先行していた男性5人組は、装備はしっかりとしてて、ピッケルやアイゼンの使い方をいろいろと講釈している。しかし、基礎体力がないのか、遅々として進んでいかない。結局この2グループ(山小屋泊装備の軽い荷物)をあっさりとクリアし、1年半で3度も手術をしたうさぎ隊は、テント装備でグイグイと引き離していった。きっと、こういう人たちが遭難するのだろうかと思った。


白出沢雪渓取付

  

白出沢雪渓上端 途中で休憩を入れ、1時間20分で雪渓の上端に達した。このあたりが最も傾斜がある。標高は2700mくらいか。それから以外と落石が少ないことに気づく。白馬の杓子手前は落石の巣になっており、おびただしい数の落石が雪面に転がっているのだが。
 標高2500mを過ぎるとうさぎのターボエンジンが動き出す。こちらは酸欠気味になり速度が落ちるのでそう感じるのだろう。心肺機能は手術をしていても衰えていない。出合から小屋まで山と高原地図ではコースタイム7時間となっているが、休憩時間を差し引くと5時間で登ったことになる。普通よりちょっと早く登れたことに、少し自信が戻ったようだった。さて、雪渓の上端に達するとガレ場の登りになる。残り300mだが、これがきつい。小屋がガスで見えないので、どこまでも続くように思える。高度計を数字の増分を見ながら、最後の登りに耐える。雪渓が消え約1時間登ると、やっとガスの中に小屋の石垣が見えてきた。


白出沢雪渓上端


穂高岳山荘に到着

野営場 13時にやっと穂高岳山荘に到着した。早速テントサイトに場所確保に行く。先週はまだ15時を過ぎていても空きがあったが、今週あたりから混み出したようで、先週と同じ場所がひとつぽつんと空いていたので、とりあえずそこを確保した。診療所の出入り口の前なので騒々しいが仕方がない。ヘリポートも考えたが小屋に近い方を選択した。隣の住人は昨夜は学生がやかましかったと言っていた。一段上の女性は先週もここに張ったよとのこと。先週は二人組だったねと言っていた。よく覚えていたようだ。2週続けて同じ所に来る好き者は、私だけではなかったようだ。


穂高岳山荘のテラス

テント設営、受付、水の買い出し後、テントで味噌汁を作り暖まる。そして少し横になって昼寝。目が覚めると4時を過ぎていた。夕方になり少しガスが腫れてきたようで、小屋周辺が騒がしくなってきた。少し時間があるので、小屋周辺で景色を楽しみながら散策。するとあと10分でヘリが来るからテントを押さえてくださいと支持が飛んだ。こんなにガスなのに大丈夫かと思っていると、ヘリの爆音が響いてきた。ガスの中からすっとあらわれ、テラスの台の上にひょいと着陸。人を乗せて飛んでいった。うまいものだ。


野営場


テラスから前穂北尾根


穂高岳山荘と穂高岳

  
ガスに霞むジャンダルム    穂高岳山荘のテラス


大天井岳


先ほど登ってきた白出沢を覗き込む


前穂北尾根

夕食は、野菜サラダ、ポテトサラダ、味噌汁、ツナ缶、チーズ、パン、α米の五目ご飯をおいしくいただいた。お腹が満たされるとまぶたが重くなり、横になるなり2時間ほど眠った。やはり診療所の前は騒々しいので8時に目が覚める。目がぱっちりとしてしまったので、暖かいコーヒーを作って暖まる。トイレに行ったり片付けものをしたら、1時間ほどごたごたとしてシュラフに潜り込んだ。

【2日目(8月1日)】

3時に目が覚めた。予定通りだ。暖かい味噌汁を作り昨日の残りの五目ご飯を食べた。荷物を片付けパッキングを終えると4時になっていた。さて出発だ。なんとか奥穂山頂で日の出が見たい。山頂に到着すると何人もの人がカメラを構え日の出を待っていた。心配していた天気だが、先週ほどの好天ではないが、予報では何とか午前中はもつだろうとのことだった。


穂高岳山頂からの槍


穂高岳山頂からの涸沢と北穂高岳

西穂目指して出発 日の出のショータイムが終わり、ヘルメットを被っていざ出発となった。少し先にガイドさんがアンザイレンでお客さんをつれて出発した。真ん中の女性はへっぴり腰になっている。後をつけていると待ち時間が多くなりそうなので、先に行かせてもらった。


正面にはロバの耳とジャンダルム

馬の背 まず最初の難所は、馬の背の降下。岩のエッジの部分がルートになっている。岩もしっかりとしており、足がかりが多いので、しっかりと足がかかっていれば特に問題はない。ただ、高度感を感じるところなので、高いところが嫌いな人は、恐怖感を感じることになるだろう。後続のアンザイレン3人パーティーもガイドさんのサポートでゆっくりと降ってきた。下り終わると正面には、ロバの耳とジャンダルムがそびえ立っている。ちょうど朝日が山頂部を照らし出した。さて次は、ロバの耳の飛騨側のトラバースにかかる。

  
馬の背の降下


ロバの耳とジャンダルム

ロバの耳は飛騨側から巻く。岩壁のトラバース道の登りになっている。遠くから見ると険しそうに見えるが、いざ岩壁に取り付いてみると、足場もしっかりとしており、特に難しさは感じない。ただ、浮き石には注意が必要で、つまずいてバランスを崩したり、転倒などは即滑落につながる。

  
ロバの耳の飛騨側岩壁


ロバの耳の飛騨側岩壁を登る

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