2007年8月4日5日 白馬三山(北アルプス) |
■白馬三山(北アルプス)2007年8月4日5日 No.418 隊長 | ページ1 | ページ2 | ページ3 | 花1 | 花2 | 花3 | 3時過ぎに目が覚める。雨は相変わらず降り続いているが、多少なりとも風が収まってきたようで、天候が回復に向かっているのだろう。まだ時間があるのでもう一度シュラフに潜り込む。4時半過ぎにシュラフを出て朝食にする。簡単にインスタントラーメンで済ませる。この時点でまだ、本日の行程を決めかねている。テントの外はガス中で視界は数メートルほどだ。雨のほうは収まってきているようだ。白馬岳の山頂を踏んでからこのまま帰ろうか、それとも、予定通り稜線を歩き槍温泉経由で下山するか、迷いに迷ったが、天候の回復に掛けることにする。 本日の行程は杓子岳、鑓ガ岳をつなぐ稜線歩きがメインとなると、下山には6時間ほどかかるので、あまりのんびりと稜線歩きもしていられない。雨に濡れたままのテントを撤収しパッキングし、6時頃にテント場を後にする。少し登ると丸山2768mだが、風こそ少しおさまったものの、依然としてまったく視界が無い状態だ。ミヤマシオガマ、ヨツバシオガマ、ミヤマアケボノソウ、イワオウギ、タカネツメクサなどの足元の花を楽しむ。 稜線歩にはアップダウンがつきもので、丸山を過ぎると最低鞍部まで150mほど高度を下げる。ガスで目標がはっきりとせず、どこまでも下っていくような感覚になる。どこを歩いているのかまったくつかめないが、ジグザグの上り返しが始まったので、鞍部を通過したことがわかった。白っぽい岩礫の斜面のトラバース道に入ると、左手に稜線を登るらしき踏み跡があった。おそらく杓子岳へのコースであろうが、標識がないのではっきりとしない。後続の二人組みと話をするが釈然としない。稜線をたどればピークに至るわけだから、この時点でトラバース道を離れる。15分ほどの急登を凌ぐと、杓子岳のピーク2812mにたどりついた。西側がすっぱりと切れおちている。しかし何も見えない。先ほどの二人組みはそのままトラバース道を進んだらしく、後に続かなかった。山頂で一息入れていると、男女のペアが上ってきた。帰りのバスの関係で、今日は鑓温泉までなのでゆとりがあるらしい。時折明るくなりガスの晴れる兆しがあるが、下山にかかる時間を差し引くとあまりゆとりがないので、早々に山頂を後にすることにする。そのまま降りてトラバース道に合流しようとするとき、一気にガスが晴れ始めた。もう一度戻ろうかと思ったが、ここからでも見通しが利くので、斜面に立ち止まりガスの晴れるのを待つが、再びガスの中に入ってしまった。しかし回復の傾向にあるようなので、これから先の鑓ガ岳に期待をつなげる。 杓子沢のコルまで下る。稜線の東側を覗き込むと杓子沢の雪渓が上部まで達しているのがわかる。ガスの切れ間から朝日岳方面の展望が広がっている。徐々に天候が回復傾向にあることがわかる。さてこの鞍部からは標高差200mの登りになる。今行程最後の登りになるので、気持ちを入れ直して上りにかかる。ガスが切れて鑓ガ岳の全容が明らかになってきた。アルプスの雰囲気が一気に高まってきた。ハイマツのなく岩礫がれんぞこうするところだが、ミヤマオダマキ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマアズマギク、タカネツメクサなどが花を競っていた。 8時40分、鑓ガ岳2903mの山頂に立つ。相変わらずガスですっきりとしないが、先ほど通過してきた杓子岳や白馬岳が、ガスともまとって稜線上に浮かび上がっている。やはり稜線を歩いてよかったとつくづく思った。南に目を転じると、天狗の頭から唐松に続く稜線がガスに見え隠れしている。もう少しこの山頂で過ごしたいが、稜線からの6時間の下山を考えると長くし座るわけにもいかない。何度も山頂を振り返りながら、鑓温泉分岐まで下りた。 さてこの分岐から鑓温泉までは2時間ほどの行程だ。カール状の地形は大出原(おおでっぱら)といわれ、花の宝庫である。雪解けのあとに咲くチングルマが花盛りで、あちらこちらの見事が群生を作っている。ハクサンコザクラも花を開いたところで、水気の多い土壌を好むようだ。何度も立ち止まりファインダーを覗く。青空を背景に、鑓ガ岳の白い山肌が際立っている。花を前景に何度でも撮りたくなった。鑓温泉の硫黄臭が下の方から風にのって上がってくる。 | ページ1 | ページ2 | ページ3 | 花1 | 花2 | 花3 |
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