2006年8月17日18日19日 穂高 |
■2006年8月17日18日19日 奥穂高岳、前穂高岳 No374 隊長 ページ1 ページ2 ページ3 ページ4 ぺーじ5 はな1 はな2 はな3 昼前になるとガスもなくなり、吊り尾根から涸沢全体を見晴らすことができる。尾根の南側は岳沢が上高地のバスターミナル付近まで延びている。前穂高岳が近づくにつれ、振り返れば、奥穂高ー西穂高の峻険な稜線の全容がはっきりとしてくる。いつかは歩いてみたいという稜線だが、深く考えると冒険心と不安感の葛藤に悩むことだろう。 予定通り紀美子平に到着した。ここで始めた岳沢から登ってきた男女のペアと出会う。前後して後続の4人グループが追いついてきた。小休止後、ザックをデポし、サブザックに水と昼食、レインウェアを詰めこんで、標高差約200mの登りにかかる。途中でコースを外してしまったが、そのまま強行突破。浮き石に注意して岩場の斜面をよじ登り西側から回り込むことにする。途中のハイマツ帯で雷鳥のご夫婦と出くわす。突然現れたおじさんにびっくりとしたのか、怪訝そうな顔で見つめられた。ごめんごめん。約30分で山頂にたどり着いた。前穂高岳の三角点を確認し、昼食のパンをかじりながら360度のパノラマを楽しむ。ガイドマップにはないが、この山頂からお隣の明神岳まで踏み跡が続いている。20分ほど展望を楽しみ紀美子平まで降りる。
さて、ここ紀美子平からの急降下が大変そうだ。登ってきた登山者の話では、ハシゴや鎖場が多く、ただひたすら登ってきたとのことだった。振り向くと先ほどの前穂高岳が天に突き上げていて、高山の醍醐味が実感できる。時計を見る。頑張って歩けば、日没までになんとか上高地までたどり着けそうだが、せっかくのアルプス山行をじっくりと味わいたいので、予定通り岳沢でもう一泊することにする。時間はたっぷりとある。下部には草付きの斜面では花を楽しめそうだし、左手に明神岳、右手に西穂高岳を見ながらゆっくりと時間をかけて降りることにする。稜線で見かけた花があちらこちらで見られる。 岳沢パノラマまで来た。手の届きそうなところにヒュッテを見下ろすことができるが、まだまだ1時間以上はかかるだろう。早く冷たいビールが飲みたい。雪渓がヒュッテ近くまで残っているのが印象的だった。 岳沢パノラマを過ぎるとダケカンバ帯に突入した。日陰になるので歩きやすくなってきたが、傾斜はゆるむことがない。気を遣った慎重な下降に精神的に疲れてきた頃に草付きの斜面にさしかかった。シシウド、ハクサンフウロ、ツリガネニンジン、シモツイケソウ、クルマユリ、サラシナショウマなどの草原の花が咲いていた。傾斜が緩くなると扇沢の雪渓の下部にある岳沢ヒュッテに到着した。先着したグループが一組休憩をしていた。ヒュッテは見事に倒壊しており、復旧のめども立たないまま売店のみの営業となっていた。この作業小屋は廃材を利用して使ったものだそうだ。ビール(500円)と水(100円)を購入しテントの受付をする。受付用紙は倒壊した小屋から取り出したものなので、水に濡れてしわになっていた。周囲を見るとダケカンバがなぎ倒されており、すさまじい雪崩に一気に小屋ごと持って行かれたようだ。テント場は、扇沢雪渓の下部の小屋から5分ほどの所にある。今夜は他の登山者は居なく、私ひとりのようだ。従って設営場所の選択肢もたくさんあるが、どこも一長一短で、なかなか場所が決まらない。とりあえず石に腰をかけながら上高地を見下ろしてビールを飲む。水は1リットルしか購入しなかったので、足りない分は雪渓から流れ出るちょろちょろ水を鍋で受けることにする。
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