2006年2月18日19日 御池岳、鈴北岳(鈴鹿)
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■2006年2月18日19日 御池岳、鈴北岳(鈴鹿)No.355 こうたろうさん、隊長 天気よし 青いキャンバス 雪の花 ザクザク歩く テーブルランド ●2月18日(土) 恒例の冬期御池岳テント山行に出かけて。隊長の気ままか突然の計画に参加者は2名と、ちょっと寂しい山行となったが、後天に恵まれて存分に御池岳を味わうことができた。 二日分の食材を買い出し帰宅後、22時過ぎに準備に取りかかった。じっくりと装備を準備する時間がないので、前回の台高テント泊のザックをベースに必要なもの気がついたものをザックに詰め込む。冬場は、ヤッケ、アイゼン、スノーシュー、衣類、燃料などが、夏場のテント山行よりもかさむことになるので、極力余分なものは持ちたくないが、あわただしく準備したので余分なものが多いように思う。冬場のテント山行で欠かすことのできないアイテムさえ忘れなければ、何とか凌げるものだと楽観的に考え床についた。
休憩を入れて約3時間で白船峠に到着した。荷が軽く調子がいいと、約2時間で峠まできたこともあるが、テント装備で時間にゆとりがあるので、こんなものだろう。登山口で何台か車が止まっていたが、皆さんどこへいったのだろうか。それよりも我々がこれからどうするか、策を練る必要がある。丸山から奥の平を目指すのなら、稜線を天ケ平に向った方がいいが、奥ノ平が先なら真の谷からの直登がいいだろう。直登なら最短コースでテーブルランドに乗れるが、この場合は150M降下して300Mを直登することになる。地形図を広げ少しでも楽な方法を考えたが、姑息ともいえるコースは破棄し、メリハリのある一直線のコースを行くことにする。軽く昼をすませていると、浄水場の所で出発が同じだった単独女性が稜線を歩いてきた。どうやら丸尾のルートの取り付きがわからずに、冷川谷を登ってきたようだ。わかっていて登るのと、知らずに闇雲に登るのとでは、気分的にリスクの感じ方は違うだろうが、少しは冒険心を刺激されて気分がハイになったのかもしれない。
白船峠から真の谷まで一気に下る。雪がクッションになるので、荷が重くても調子よく降下できる。あっという間に真の谷に降りた。さてここからだ、歩幅を意識的に短くし、身体にかかるであろう負荷に備える。胸を突く急登が始まる。フリクションを効かせ次の一歩を踏み出す。体の循環器系統がフル稼働状態になる。標高差300Mはアルプス山行ならその日の一つのパートのすぎないが、されど300Mだ。100Mを20分で稼げるとすれば、所要時間にするとたかが1時間だが、ここががんばりどころだ。乳酸が着実に筋肉に蓄積されていくにつれ、筋肉の反応が鈍くなっていく。こうたろうさんがめがねを落としたようだ。振り返ると枯れ枝が斜面を滑り落ちていったのが見えたが、あれはこうたろうさんのめがねだったようだ。凍結した雪面はストップが効かない。金属製の眼鏡は凍結して雪面に弾んで、斜面を落ちていった。
急坂の凍てついた雪面にはアイゼンが効果的だ。無積雪期の斜面を滑りながら登るよりもロスが少ない。20分で100mの標高差を稼ぐ。日帰りの装備ならそれほどきつくはないが、冬のテント装備を担いでいるので、足腰にかなりの負担がかかり、10m登っては肩で息を整える。何度も高度計を覗き込むが、なかなか数字が上がらない。白い壁にとりついてから1時間ほどすると全面が開けてきた。高度計を見ると1100mを越えている。もうすぐテーブルランドに上がれそうだ。
スノーシューをザックにくくりつけてきたが、どうやら必要なさそうだ。むしろがちがち凍結した雪面にはアイゼンの方が効果的だ。とりあえずはザックをデポし、東のボタンブチ辺りの散策に出かける。待望の青空が広がり樹氷が映える。広大なテーブルランドを青空のあるうちに散策したいが、どこから手をつけたらいいのか迷ってしまう。東のボタンブチに立つ。いつもの光景が広がる。山頂部の積雪はまだまだ残っているが、尾根の部分は茶色く地肌が見え始めている。積雪期から残雪期への季節の移り変わりが感じられる。高気圧に覆われ、しかも気温が低いので、空気の透明度が高く、山々の輪郭がくっきりとしている。ボタンブチに腰をおろし、テント山行が生み出すゆとりの時間を有効に使いたいところだが、気持ちがはやりどんどんと先へ進んでしまう。蒼のドリーネや奥ノ平など、青空があるうちに巡りたかったが、ドリーネに向かう途中から山頂部をガスが流れ始め、見る間に青空が消えていった。
2人用のテントなので大人二人が何とか入れる。メニューはちゃんこ鍋。打ち合わせをしたわけでもないが、いつも鍋物になっている。持ってきた食材を何でも入れられる点で、調理方法も単純だ。二人とも野菜をたくさん持ってきているので、贅沢な食事となった。食事が終わり外を見ると、すでに夜のとばりがおりていた。時計を見るとまだ19時だが、ラジオも本も持ってこなかったので、シュラフの中に潜り込む。気が付くと12時を過ぎたところだった。トイレにテントを出ると、おぼろ月がテーブルランドを照らしていた。風もなく穏やかな夜なので、P1241東方のピークまで登ってみることにした。日帰りの山行ならこの時間にこんな所を歩かないだろうなと考えると、なんだか不思議な気持ちになる。このあたりがテント山行の醍醐味かもしれない。
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2006年2月18日 Copyright (C) 2006 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |