鈴鹿山系御池岳で花見と探鳥

春の御池岳

御池岳の登山ルートは色々あるが、出来れば谷と尾根と台地を歩きたい。それぞれ自然環境が違い、見られる自然風景、草花や樹木、野鳥などの動物も違い、歩いていても変化があって飽きない。

いつも同じコースを歩くが、これは季節による変化が楽しめるからだ。草花はこの1週間で、キクザキイチゲ、シロバナネコノメソウ、ナガバノバンスミレサイシンなどの花が終わり、ニリンソウやヒトリシズカの花が咲き出した。野鳥では今週になり、夏鳥のキビタキが渡来した。オオルリは一足早く4月第1週に入るが、キビタキは少し遅れて入ってくる。稜線付近ではこれまた夏鳥のツツドリが鳴き出した。この時期の自然観察は中身が濃いので、出来れば週一で歩きたい山域だ。

国道歩き

イカルとアカゲラが鳴いたので探しながら坂を下った。アカゲラとアオゲラが一気に来たが、ファインダーを覗いたときにバイクが通りかかり飛ばれてしまった。いきなりの撮影チャンスを逃し肩を落とす。

樹木の花は、イヌシデ、ニワトコ、キブシなど。ニワトコは今週になり花が咲き出したようだ。ガマズミ科の落葉低木で、当然だが花はガマズミの花に似ている。日当たり斜面では、キンキエンゴサク、タチツボスミレ、ムラサキケマンが咲いていた。きびたきが　鳴くので少し樹林に入ってて探すが、渡来直後で樹林の中層に来てくれない。声がするが姿は見えない状態だ。

コグルミ谷の草花

キクザキイチゲの花が終わり、ニリンソウが一斉に咲き出した。この谷で最も普通に見られるキンポウゲ科の草花だ。これに続いてもう直ぐ、イチリンソウが出てくる。

シロバナネコノメソウの花が終わりヒトリシズカの花が咲き出した。オドリコソウの葉が出てきている。これは春の花第3段だ。

長命水

長命水からは急坂だ。登るにつれ谷が開けてくる。この山域には少ないタムシバが咲いていた。足元にはカタクリ、ナガバノスミレサイシンの花を開いていた。

コグルミ谷の野鳥

野鳥の多い谷でこの日も、オオルリ、キビタキ、アカゲラ、アオゲラ、ミソサザイ、イカル、アオバト、ツツドリ、カラ類の鳴き声は聞こえるが、谷ルートなので見上げることになり中々、姿が見れず撮影も出来ない。まだ木々の新芽が出ていないので多少の見通しはなるが、枝が重なり発見は至難の業だ。

なんとかキビタキとオオルリが撮れた。

カタクリ峠

カタクリの花が咲き始めた。峠から真の谷にかけカタクリが多い。キクザキイチゲはまだだ。シハイスミレが咲いていた。

真の谷

ここは野鳥撮影中心で歩く。狙いはアカゲラだが、この日はどうも中層に降りてきてくれない。オオルリ、キビタキもそうだったが、樹上を行き来している。この日の気象条件と関係があるのかもしれない。ゴジュウカラ、ヒガラなども樹上を移動している。

アカゲラは近くで鳴いてくれるが、姿が見えない。今季初のツツドリが頭上に来たが撮れない。辛うじてミソサザイとゴジュウカラが撮れた。この日もシマリスは多かった。

ゴジュウカラ

御池岳のシマリス

これはチョウセンシマリスだそうで、つまり外来種だ。人間によって持ち込まなければ、この山にいない動物だ。いつの時代に持ち込まれたか分からないが、私が登るようになった30年位前からいるのでそれ以前からだと思う。

隣の藤原岳ではまだ見ていないが先日、木和田に登ったとき坂本谷上部にいたのを初めて見た。もちろん在来のリスはいるがそれほど多くない。シマリスは頻繁に見かける。いないものが増えてきたということは当然、生態系に何らかの影響が出てきているのかもしれない。もっと気になるのがリスが食べている木の実で、どうやらカシューナッツみたいだ。これは人が与えたモノか？これも問題だ。

鈴北岳

野鳥撮影、今日は完敗かと思われたが、開けた草地に出たら意外にもオオアカゲラ、アカゲラが出てきてくれた。今日は尾根で鳴いているなと思っていたら、やはり、開けて所で活動していたようだ。普段は樹林にいることが多いが、今日は、野鳥が全般的に尾根や開けた草地など見通しの良い所に出てきているようだ。

オオアカゲラ

アカゲラ

鞍掛峠

笹が繁茂している頃からキクザキイチゲはよく見かけた。笹がかれてから、しばらくは少なくなっていたが、最近、またキクザキイチゲの広がりだ咲いた。まだ少ないが。峠付近はかたくりが多い。といってもちらほら見られる程度がだが、やはり咲いていると嬉しい。