2023年5月12日 No.1510

鈴鹿霊仙山「花と夏鳥」

【行程・登山者】

【5月12日】落合〜今畑〜笹峠〜近江展望〜南霊仙〜最高点〜霊仙山〜御池〜汗拭き峠〜落合
OM-1 PANALEICA50-200mm TC20 sony ZV1 EM-5 M3 M.ZUIKO ED12-100mm


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【概要】

春から初夏へ季節は進み、新緑の始まった鈴鹿の山は今が旬。花は、エビネ、クリンソウ、ヤマシャクヤク、ニリンソウ、夏鳥はオオルリ、キビタキ、カッコウなど、花と鳥と風景を撮影しながら歩いていると、いくら時間が合っても足りない。ルートはいつもの周回ルートで、天候に恵まれこの日も盛況だった。

落合

今回も落合から入った。集落にも駐車場が設けられ、利便性が良くなった。この日平日だが、続々と車が入ってきた。以前は、登山口付近の路肩駐車でしのいでいた。それほど登山者が多くなかったからだ。登山路としては、榑ヶ畑から林道で入り、汗拭き峠経由で登るルートが最短だった。林道は以前、登山口まで入れた。

今畑

山道を10分ほど登ると廃村今畑に到着する。ルートは村の中を通っている。春はフクジュソウが咲き今は、クリンソウが群落を作り満開になっていた。クリンソウは、日本に自生するサクラソウ科でもっとも大きい。鈴鹿山系では、限られた場所に自生している。
クリンソウ
今畑のクリンソウ

笹峠

朝の気温が下がったので野鳥は不活発だった。キビタキが鳴いていたが遠かった。これと言った収穫はなく笹峠に到着した。以前はイブキ笹が繁茂していたが、もう20年も前のことだ。その頃は「山の花旅 鈴鹿・伊吹山」(山と溪谷社)を執筆していた頃、よく通った山だった。今は、ケヤキなど落葉樹林の広がる明るい雰囲気になっている。草花は、ウラシマソウ、エビネが見頃だった

エビネ

以前からエビネの多い所だった。今も自生はしているが以前より少なくなっている。さて、落葉樹林を抜けると
ウラシマソウ
エビネ
エビネ

西南尾根

さて、落葉樹林を抜けると、石灰岩が露出する、灌木も生えない急斜面の登りになる。ぬかるんでいるとよく滑って登りにくい。日射しを遮る物がなく、この時期はいいが、暑くなると大変だ。

エビネ

グイグイ高度を上げるにつれ展望が開けていく。登山の醍醐味だ。辛い登りだが、それ以上に高度感とすばらしい展望の方が勝っている。
笹峠からの急登

近江展望

笹峠から約1時間で近江展望に到着。空気の透明度があり、遠くまで見渡せた。琵琶湖全体を見渡せることができた。撮りたいと思ってきたときには中々撮れないが、やはり数をこなさないといいのが撮れない。山と渓谷2023年6月号で、「静水の風景」として霊仙山を紹介した。

メノマンネングサ

詳しく観察はしなかったが、石灰岩地帯に自生するので、多分メノマンネングサだと思う。一般的にベンケイソウ科で、山地の谷の湿った所に自生するのがヒメレンゲ。
西南尾根
メノマンネングサ

ヤマシャクヤク

そしてこの辺りは、ヤマシャクヤクの自生地で、石灰岩地帯を好む草本類だ。花は盛りを過ぎていたが、見頃の花も残っていた。春と言うより初夏の花で、大柄の花なので見応えがある。もう少し季節が進むと紅花ヤマシャクヤクが咲く。こちらは希少なので自生地が限られる。

オオルリ

気温が上がるにつれ、野鳥たちが活発になってきた。オオルリがよく鳴いている。ここまでの行程で野鳥が撮れていなかったので、少し粘ることにした。稜線は樹林が疎なので意外と撮りやすかった。時間を忘れてオオルリのストーカーになった。
ヤマシャクヤク
オオルリ
オオルリ
オオルリ
南霊山から琵琶湖展望

ホオジロ

開けた草原に行くと必ず鳴いているのがホオジロだ。3月は平野部で見ることが多かったが、気温が上がってくると過ごし山地に上がってくる。

カッコウに托卵されることが多いようだ。
ホオジロ