2023年2月25日 No.1488

木和田尾根散策(鈴鹿山系)

【行程・登山者】

【2月25日】山口登山口〜坂本谷源頭 ピストン
【撮影機材】OLYMPUS EM-5mark3 M.ZUIKO ED20mmf1.4 OM-1 LEICA 50-200mm 2.8 4.0 GoPro9 M.ZUIKOED90mmマクロ


YouTube


【概要】

そろそろ春の花の季節が始まる。山と渓谷3月号はスプリングエフェメラル特集。藤原岳を紹介した。2月は野鳥観察の季節なのでそちらの方に力を入れた。雪山も楽しいが、探鳥も奥が深い。体はひとつなので、両方は無理だ。花の季節が始まると体が反応する。今季は花撮影に新発売のマクロレンズを購入した。いいのを買ったので、これで写真のできばえに言い訳が出来ない。人気の孫太尾根を避け、地味な木和田尾根からスタートすることにした。孫太尾根は3月号で紹介したので、登山者が多いと予測した。

寒気が入って冬山だ

結論から先に言うと、花はつぼみも無し、鳥は飛ばずだった。しかし、落ち葉を踏みながら明るい森を歩くと、それだけで嬉しくなってきた。若葉の出る4月下旬まで鈴鹿の山を楽しみたい。

今日のテーマは、落ち葉、春の花、野鳥だったが、寒気が入って冬山だ。苦戦が予想されたので、まずはレンジャクを見てから登山口に向かった。レンジャクも越冬のために南下しているが、寒いので風を避けて杉の木に居た。
レンジャクの群れ

山口登山口

獣侵入防止ゲートを開け閉めして登山口まで入れるが駐車スペースは限られる。軽トラックが一台止まっていた。準備をして歩き始める。冷たい風が吹いている。春の花には若干季節が早い。例年、3月上旬からこの山域に入っている。孫太尾根なら花は咲いているだろうが、野鳥の撮影もしたかったので不人気のルートの方が都合が良い。

500mまでは植林域の谷筋の登りでつまらない。ミソサザイが一度さえずったが、後が続かなかった。寒いので野鳥たちも動かない。それにしても、他の小鳥の鳴き声も聞こえず、聞こえるのは風のうなる音だけだ。
山口登山口

落葉樹林

木和田尾根ルートは、以前は鉄塔巡視路だったが、坂本谷ルートが豪雨災害で崩壊後、歩かれるようになった。尾根に乗ると落葉樹林が続く雰囲気のいい尾根だ。花もまだ芽を出さず、小鳥もさえずらずだが、落ち葉を踏みながら歩く明るい落葉樹林は気持ちがいい。

まずは、ヤマガラが出てきてくれた。カラ類は冬でも元気だ。アセビや杉など常緑樹と落葉樹の境目くらいがすきなようで山に入ると普通に見かける野鳥だ。
ヤマガラ
マルミノウルシ
コガラ

風を避け谷側に降りてみる

残念ながらセツブンソウのポイントは、芽も出ていなかった。少し日の当たる風裏の斜面に降りてみることにした。マルミノウルシやバイケイソウの芽が出始めていた。フクジュソウを期待したがまだ、芽も出ていない。

遠くでオオアカゲラのドラミングが聞こえた。出てきてほしいが、一回切りだった。代わりにコゲラが出てきてくれた。シジュウカラやヤマガラは里でも見かけるが、コガラは山地でないと見られない。シジュウカラと同じ仲間だが、一回り小さい。
シジュウカラ

残雪

雪解けは着実に進んでいるがまだまだ残雪があった。坂本に降りてそのまま進む。昔の登山道の踏み跡もほとんどなくなっている。フクジュソウを探すが芽もでていない。アカゲラが多いところだが、気配もない。鉄塔の送電線が風でうなっている。このまま縦走路に上がっても期待できそうにないので。ここらで引き返すことにした。午後からは海にいってミサゴでも見ようか。

風裏の日当たりの良いところで少し早いがランチタイム。すると目の前にシジュウカラがやってきた。しきりにさえずっている。鳴き方が3種類くらいあった。仲間を呼んでいるようだ。私が動き出すと警戒の鳴き方に変わった。単語を二つ組み合わせて情報を やりとりするようだ。賢い鳥だ。子供に言葉も教えるらしい。
芽も出ていない
坂本谷
コガラ
ヤマガラ

レンジャク

13時に降りたので、帰りにレンジャクを見てから、海岸に向かうことにした。いましたいました。レンジャクは群れで動くので、一斉になってくる。好物はヤドリギの実だ。尾の先が赤いのが緋レンジャクで黄色いのが黄レンジャクという。

羽がおしゃれで、眼の線(過眼線)が冠毛まで続いているのが特徴的で、怖そうな顔に見える。でも小太りの体型がかわいい。冬鳥なので期間限定で、しかも渡りは不定期なので、来年は来るとも限らない。来ていると時にしっかり見ておこう。
ヒレンジャク