2022年1月15日16日 No.1409

鈴鹿山系御池岳に登る Page1

【行程・登山者】

【1月15日】国道306号線山口ゲート9:20〜コグルミ谷右岸尾根取付12:05〜カタクリ峠14:30〜御池岳丸山分岐15:20〜御池岳16:35〜ビバーク16:50 +1100m 8km
【1月16日】ビバーク地6:20〜テーブルランド散策撮影〜ビバーク7:40〜御池岳8:00〜カタクリ峠8:50〜右岸尾根取付10:15〜国道ゲート12:00
【撮影機材】OLYMPUS EM1mark3 M.ZUIKO ED12-200mm  GoPro9
YouTube
前編https://youtu.be/rRMnxIhgZz8
後編 https://youtu.be/igYoFhufY3w

【概要】


今年の鈴鹿山系北部は積雪が多い。ここ数年、暖冬傾向が続き冬の山岳風景の撮影に困っていた。年末から、藤原岳、竜ヶ岳に登り、重鎮の御池岳は天候条件のチャンスをうかがっていた。土日が移動性高気圧の圏内に入る予報だったので、この日に狙いを定めた。平野部は晴れでもこの山域に限っては、北陸方面の天候を見た方がいい。今回、前日の金曜日に降雪があり、苦戦が予想されたが、あまりにも気象条件が揃っているとのでいくことにした。風景写真の撮影は朝夕がいいので、山中ビバークの2日間の行程とした。夕日は曇りで撮れなかったが、20時過ぎから晴れてきて星空と霧氷が、朝は晴れていて日の出と朝に山岳風景が撮影できた。

国道306号線冬季ゲート

今回は登りに、木和田尾根を予定していたが、簡易パーキングからの歩道が雪で埋まっており、車道を歩くのも危ないので、貯水場まで車で入ろうとしたがトレースなしで断念。コグルミ谷右岸尾根に作戦変更した。ゲートの手前までは除雪されていた。車を前後させて、路肩に駐車スペースを確保した。車が二台あたので、トレースがあった。これに助けられた。といっても、ゲートからはワカンが必要になった。この日は山頂までワカンを外すことはなかった。
国道306号線冬季ゲート
ヒガラ
コゲラ

国道306号線

国道を1時間ほど歩くと先行した人が引き返してきた。右岸尾根800m付近までトレースし引き返してきたそうだ。この人スノボーで帰ってきた。登山道の情報が入ると行程の予見ができる。さらに進むともう一人、コグルミ谷登山口から引き返してきたそうだ。ということは、コグルミ谷ルートにトレースなしということ。それ以前に、積雪期の谷ルートは選択肢にない。穏やかな天気だった。進むにつれ、鞍掛峠方面の視界が開けてくる。野鳥は朝から餌探しに精を出していた。こんな時、中途半端なレンズ選択が功を奏した。12-200mmf3.5(35mm換算で24-400mm)、朝夕の撮影がメインなので、もっと明るいレンズと悩んだが、今回は万能レンズを選択した。もちろん、2本持ってくればいいのだが。高齢者にはカメラの画質より、軽量化が優先される。
国道306、センターラインのポールが隠れる積雪
鞍掛峠方面の風景

コグルミ谷右岸尾根

右岸尾根の取付まで2時間半かかった。無積雪期なら1時間30分くらいだ。ワカンをつけて冬装備のザックを担いで、高齢者なので納得できるタイムだ。それに、どこでもビバークできる装備を持っているので時間を気にしなくていい。コグルミ谷右岸尾根の取付は電柱から入った。ワカンのトレースが続いていた。
情報通り800mから先はトレースがない。しかし尾根ルートなので雪が飛ばされていて歩きやすかった。といっても装備が重いのでワカンをつけた足は沈んだ。スノーシューの方が有利だと思うが、冬のアルプスの岩稜には通用しない。

カタクリ峠

カタクリ峠まで来ると下山者と行き交った。おそらく数人が入っている。これはありがたい。おそらく木和田尾根から上がったのだろう。コグルミ谷のトレースはなかった。時間は14:30で、もしトレースがないときは、もう少し進んだところでビバークし、翌日の早朝から空身でアタックするつもりだった。日没まで2時間半、なんとかたどり着けそうだ。
真の谷の御池丸山分岐
分岐から樹氷がつきだした

御池岳

山頂はガスだった。積雪は十分ある、樹氷もたくさんついている。ところがガスで背景がよくない。寒気がまだ少し入っているようで、ガスがとれない。日没が迫っているので、動かずに撮影できるいいポジションにテントを張りたい。さて、どこにするか。
御池岳山頂
ガスですっきりとしない
夕暮れ 少し赤みがかった空

テント設営

風があるんで風裏が条件で、奥ノ平が見える位置に落ち着いた。設営用のスコップを持ってきたが、足で踏みならすだけでOKだった。今回は自立シェルタのテストをする。ヘリテイジの「クロスオーバードーム2」というやつ。以前から使っているゴアのシングルウォールのテントと比べてどうか。重さはほぼ半分の690g。第二世代で「耐水圧1.5倍 そして 透湿性1.9倍 さらに 軽量に!」だそうで、果たしてどうなるか。風速が数m、気温はマイナス7度くらいだった。ベンチレーションを閉じるなと注意書きがある。ダブルウォールの場合、本体はよく空気が通る。火器類仕様は本来、テントの中はだめだが、こんな条件では外では使えない。入り口を半分開けて使用した。風があったので途中で入り口を閉じると結露しだした。これはゴアでもダブルであること。当然、凍結してさらさらと降ってくる。ポールは普通のテントより細くて頼りないが、張り綱を張ると安定した。横方向からの風を受けるとテントがたわむ、綱で張れないので当然だ。ダブルウォールのように空気の層ができないで、外の気温や湿度などの影響が出やすい。前回の農鳥岳(ダブルウォールテント3人)とは使用条件が違うので比較はできないが、厳冬期でも特に問題なく使えた。アルプスのバリエーションルートなど、軽量化が優先される登山では、よい道具だと思う。このジャンル、どんどん進化させて欲しいものだ。
さて撮影の話だが、GoProが不調だったので、ミラーレスで撮影した。手持ちではISO感度を上げざるを得ず、どうしてもノイズが入ってしまう。ISO感度をなるべく押さえて、後でソフト補正するつもりだったが補正の限界をこえていた。しかり三脚で撮らないといけない。サボった分だけ画質は落ちる。
名古屋の夜景