2021年11月7日 No.1394
仙ケ岳 南尾根ルート 鈴鹿 Page1
【行程・登山者】
林道ゲート(石谷川第2堰堤)7:05〜南尾根分岐7:40〜8:45滝谷不動9:00〜10:10仙の石10:35〜仙ヶ岳本峰1:50〜白谷御所谷分岐12:50〜白雲の滝13:45〜登山口 9.2km +1000m 6h50m 撮影、休憩時間含む
撮影機材 GoPro9 OLYMPUS E-M1mark3 M.ZUIKO ED12-100mm
YouTube バージョン
https://youtu.be/kCETXmcbzu4
【概要】
登山ガイドブック用の写真撮影で出かけた。寒冷前線の通過で風雨激しく、終盤の紅葉は壊滅状態だったが、谷筋は残っていた。仙ヶ岳の登山ルートがいくつかあるが、登山の醍醐味である尾根と谷のルートをチョイスしている。登山ガイドで紹介すると登山者が多くなるようで、踏み跡もしっかりとしていた。ただし、このルートは谷や痩せ尾根が連続するので、初級者には向かない。ある程度経験を積んでからトライしてほしい。
石谷川堰堤
石谷川堰堤第堰堤のところに林道ゲートがある。通行規制のゲートではなく、通行不能のゲートだ。実際歩いてみると、大きな落石、崩壊などがあり車での通行は不可能だ。ゲート前に駐車スペースがあるが、あまり多く停められない。



板橋谷
山関係の地誌に関しては、「鈴鹿の山と谷」が詳しいので、いつも参照させてもらっている。資料や聞き取りにより、深く掘り下げていて、いつも興味深く拝読させてもらっている。さてこの板橋川は、南尾根から仙ケ岳東峰への登路として現在は使われている。沢を何度か渡渉しながら道はつけられているが意外としっかりとしている。もちろん荒廃は進んでいるので、腐ちた丸太橋が落ちて迂回したり、急なところはフィクスロープがはられたり、そして、南尾根の取り付き手前は、急傾斜のガレた岩場だ。
この上に不動明王があるが、今も細々と講の人たちにより管理されているようで、八のつく日に登拝されているようだ。と書かれているが、亀山市史では、「八月二十三と二十四日の地蔵盆では、地元の人達が提灯を吊るしてまつる」と書かれている。のぼりが立ったり、花が添えられたりしているので、今も続いているようだ。さてこの板橋谷だが、いくつか小滝があって、楽しませてくれる。


不動明王
地元では滝谷不動さんと言われていいるようだ。この石仏は、昭空和尚が桑名の石工に頼んで作らしたらしい。山岳信仰と仏教が習合し修験道が生まれたが、その流れでこんな峻険な尾根の岩場に作られた、石仏もさることながら、自然石をくりぬいた洞があり、修験者の修行の場(大峰ではなびき)だったようだ。かなりの時間と費用がかかっていると思う。不動明王の裏側には石仏が3体置かれている。今回は立ち寄らな方が、この下の不動滝周辺にも法印のコバなどの石仏がある。岩稜や滝などは厳しい場所だが、美しい場所でもあり、修験の場としてふさわしかったのだろう。ここには日本の精神世界があり、1300年の歴史がある。日本人のDNAなのか、岩と滝は登山の究極的な世界で、登山を極めていくとここに至る。
昭空和尚
昭空和尚は野登寺の里寺の住職で安政2年4月没だそうだ。安政は1855〜1860なので、今から160年前くらいか。この頃は、野登寺が最も栄えた時代だったようだ。亀山は5万石、野登寺は10万石と豪語したらしい。この和尚やり手だったようだ。







南尾根
峻険な尾根でいくつもの岩場を乗り越えていく。岩尾根の醍醐味でもある。固定ロープもあるので登りやすい。岩の上からはどこも展望がよい。昼前くらいから寒気が入りだしたようで、少し風が強まり雨粒も落ちてきて、曇ったり晴れたりを繰り返す天気になった。冬の山はこんなもんだ。
紅葉は、尾根筋は風雨で飛ばされていたが、山腹には紅葉が残っていた。この山域は黄色いのはシロモジが多かった。鮮やかに発色しているのはコミネカエデ、コハウチワカエデだ。赤い実をつけているのは、カナクギノキだろう。モチノキのみはおそらく、クロガネモチだろう。



