2021年10月27日28日 No.1390
北アルプス 黒部峡谷下ノ廊下 Page4
S字峡
S字峡も景勝地だ。字のとおり、谷がS字になっている。こんな美しいところに電源開発のために岩壁を削って歩道を作った。便利な生活のための自然破壊、複雑な問題だが、この歩道がなければ、この景観を楽しむのは難しい。国立公園は国民の財産であり、その一端を垣間見ることができるようにすることも必要だ。開発の条件として、毎年ルートを整備することであったようだ。





送電トンネル
S字峡が終わると対岸に送電トンネルが現れる。突然の人工物に戸惑う。送電鉄塔もある。ここからが激下りで谷まで降りていく。ここで失った高度は、仙人ダムを通り越してから登り返してもとに戻る。難儀なことだ。
東谷吊橋
谷に降りたところに長い東谷吊橋がある。これで右岸に移る。そして少し進むと車道が現れ、重機やダンプがおいてあった。こうやって運んできたのか。たぶん分解してトロッコ電車で運んだのか。対岸には素晴らしい多段の滝があった。多分雲切谷らしいが。



仙人ダム
東谷吊橋を渡り右岸を少し進むと仙人ダムに到着した。前回は北方稜線を歩き、仙人温泉から雲切新道を下りこのダムに降りた記憶が蘇った。ここまで来ると今夜の宿の阿曽原温泉までは2キロだ。ルートはダムで左岸に移る。隧道内に入ると、サウナのような状態で、温泉の匂いがする。トロッコ電車の工事用の仙人ダム駅がある。ちなみに、欅平駅から黒四ダム間は物資輸送ルートだが、どうやら2024年に一般開放されるようだ。どこに駅が作られるかわからないが、そうなると下の廊下の行きやすくなるのではないか。



阿曽原温泉
仙人ダムからの登り返しがきつかった。すでに20キロ近く歩いていて、足にも疲労がたまってる。しかし温泉は近いので気持ち的には安堵感があった。水平歩道を進むと再びの降下。やがて温泉が見えてきた。コロナで宿泊者を絞っているようで、テント場は盛況だった。当然、我々もテント泊だ。休日は立錐の余地もないほどテントが立つようなので、それなりの覚悟がいる。温泉は5分ほど下ったところにあり、1時間で男女が交代する。当然夜は照明がないんどえ、ヘッデンでお風呂に入ることになる。ちなみに20時30分以降は混浴になるそうだ。我々は明るいうちにお風呂に入った。男女が入れ替わる直前の時間だったので、空いていたが、ゆっくりは入れなかった。いいお湯だった。


