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■屏風岩@三ツ峠(山梨)


レポート No.841
日時:2014年11月22日23日
参加者:たくさん、ほんまさん、sskさん、隊長、うさぎ

〜屏風岩でレスキュー&人工登攀〜

 

11月21日 四日市(21:00) 〜三ツ峠(13:00) 11月22日 三ツ峠(6:45)〜(8:00)四季楽園(9:00)〜(9:10)屏風岩(16:00)〜四季楽園 11月23日 四季楽園(7:50)〜(8:05)屏風岩(16:15)〜四季楽園(16:25)〜三ツ峠(17:15)〜 和食レストランでほうとう〜四日市(23:50)〜鈴鹿


| レスキュー1 | レスキュー2 | 人工1 | 人工2 |

人工左ルート さて二日目は人工登攀。フリーの全盛にあって人工は、忘れられがちな技術だが、アルパインクライミングでは必要な技術で実際に、丸山東壁や唐幕などのクラッシックには人工ルートがある。もちろん、丸山東壁や唐幕に対応するためのトレーニングだが、この屏風岩だけでも人工登攀の醍醐味が凝縮されている。人工も機会あるごとにスキルを上げてきたが、定期的にやっておかないと忘れてしまいそうだ。この屏風岩では、A1、A2、A3をまとめて練習できるのがいい。

   

屏風岩の東面右端に恰好のルートが2本ある。左のルートはA2でスタート、右のルートはA3でスタートする。ボルトは少し老朽化しているがしっかりとしている。ホンちゃんルートではボルト抜けも想定に入れなくてはいけない。

      

A1は日頃から御在所で練習しているので問題はないが、A2、A3はあまり練習する機会がないので、1本登ってやっと感覚が戻ってきた。A3は完全に空中に出るので、2本のアブミに立ち込む要領がわかると、ルーフでも楽に移動できる。問題はA2で、巻き込んでバランス良く立ち込めるかは練習次第。どうしても上半身に力が入ってしまうが、1ピッチで消耗していては、丸山東壁はとても登れない。ピン間隔はアブミの上から2段目に立ち込むとちょうど次のピンに届くようになっているが、うさぎはヌンチャクをぶら下げていてもリーチがないので届かないことが多い。かといって最上段に立ち込むのは勇気がいる。最後は空中で、終了点を回収し、懸垂支点をセットし、懸垂下降。これも慣れないともたつく。

人工右ルート ここは完全なルーフになっている。出だしからいきなりA3なのでアブミを2本使い身体を上げていく。壁が使えるようになるとA2に切り替わり、ルーフで再びA3になる。もしリードでボルトが抜けると壁に向かって振られるので、常に意識している。

   

   

   

      


終了点を回収し懸垂下降の準備をする。

4段ハング さて午後は実践ルートの移動。ほんま、ssk組は逆V字ハング、われわれ3人は4段ハングをやることにした。まず4段ハングだが、「最後の4段ハングは出口のボルトが抜けることがあるので注意」と百岩に書かれていた。ここも本ちゃんを思わせるすばらしいルートで、2ピッチ登り4段ハング下でピッチを切った。

  

   
4段ハング

まずは凹角に沿って登りハング下からA2、A3へと移行していく。順調に登っていくと残置カラビナあり。? ここで撤退したということか。古いボルトにクリップしてから立ち込んでルーフのハーケンにクリップ。さびて痩せていてかなり心配な状態。そして1段目の出口にまたもや残置カラビナ。ボルトとハーケンで支点が作ってあったのである程度安心できる。さてその次も錆びてやせ細ったハーケンだ。そこにクリップして次のピンを探すが見つからない。よく見ると抜けた後が残っていた。その次は2段目の出口だが、フールの下からではピンが確認できなかった。もはやここまで。残置カラビナは撤退カラビナと言うことだった。


抜けたボルト

撤退の方法は、懸垂下降かロワーダウン、クライムダウンの3通りある。迷うところ。1段目の出口の支点はハーケン3,ボルト1の合計4本から取ってある。スリングはかなり古いので取り替えないと駄目だが、信頼性の高い撤退支点が構築できそうだ。しかしルーフからの懸垂下降かロワーダウンになるのでヌンチャクの回収が困難になりそうだ。下からはクライムダウンの指示が出ているが、老朽化した支点を再び使うのはいやな感じだ。ヌンチャクは何とか振り子で回収できそうなのロワーダウンで撤退することにした。まずは7mm補助ロープで支点を補強し、残置カラビナをセットしロープを通してロワーダウンの準備をした。

   
2ピッチ目

    
左:ハング出口の補強した撤退支点   右:2段目ルーフの錆びてやせ細ったハーケン

振り子でヌンチャクを回収しながらロワーダウン開始。一つ目のヌンチャクはうまく外れた。二つ目はロープにテンションがかかっているので引き寄せてロープを外そうとしたところ、突然岩がはがれてボルトが抜けてきた。写真の通り。登るときは岩壁に平行して力が加わっていたが、身体を引き寄せる時に岩壁に垂直方向の力が加わったことにより表面が剥離したと思われるが、いずれにしろ登攀時に抜けなくて良かったと思った。結果的にはクライムダウンをしなくて良かったことになった。

     
左:2段目ルーフの様子、ピンが抜けている   右:ピンごと剥離した岩壁

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