■烏帽子沢奥壁@谷川岳 |
レポート No.739 |
鈴鹿(6月8日18:00)〜(6月9日0:40)土合(4:30)〜一の倉沢出合(5:20)〜テールリッジ末端(6:00)〜奥壁取付(7:30)〜登攀終了(11:30)〜中央稜懸垂下降〜中央稜取り付き(15:00)〜テールリッジ〜一の倉沢出合(16:50)〜土合(17:50)〜鈴鹿(6月10日1:30)
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中央稜取り付きに到着。ここで不要になったザックやアプローチシューズをデポし少しでも荷を軽くした。サブザックの中身は食料と水分とカッパくらいだが、ロープと登攀具が重い。3人パーティーなので共通装備としてダブルロープがそれぞれ2本、ヌンチャク15,カム3、ナッツ1セット、ハーケン3、ハンマー、スリンク類に個人装備が加わるので結構な重さになる。取り付くと過ぎにすることはヘルメットの着用の指示がでた。すると「ラク」のコールが岩壁にこだまし、空中から黒い固まりが猛スピードで降ってきた。すでに危険地帯に入ったということだ。中央稜は何パーティーかが取り付いているようだ。我々は烏帽子沢奧壁の取り付きへ移動した。 奥壁取付へ 奧壁には、南陵フランケ、変形チムニー、中央カンテ、凹状岩壁の各ルートがあるようだが、大多数のパーティーは人気ルートの南陵に終結していた。同じ時間に到着した地元2人パーティーは中央カンテか変形チムニーをやるようで、先週は我々が今から登る凹状岩壁だったようだ。岩が脆くて落石が多いとのこと。先週は落石にあたり眉毛の上を怪我したそうだ。 凹状岩壁ルートは先行パーティがいるかどうかわからないが、待ちはなかった。パーティーは私とタクさん、うさぎの3人で1パーティで私がリード。もうひとつはjames、本間さん、とっちゃんでの3人パーティーでjamesリードということになり、私たちが先行することになった。 作成中です。。。。。 1ピッチ目 V+ 40m チャレンジアルパインでは、「一段上がってハング下のバンドを右トラバースして回り込み、凹状の岩場に入って左上する。」凹状岩壁取り付きは中央稜取り付きから少し入ったところにある。凹状岩壁ルートは取り付きから2ピッチまでは共用している。したがって取り付きは同じだ。先着の2人パーティーは少し先の変形チムニーから入るようだ。7時30分登攀開始。バンドを右に移動してから草付きの岩溝を上がって行くとペツルのハンガーが見えてきた。ここでピッチを切った。 2ピッチ目 V 50m チャレンジアルパインでは、「小さな岩のふくらみを越え、少し急なフェースを左上していく。このあたりは上部からの落石が集まる。選考パーティがいる場合、落石を受けかねないので易しくてもランナウトしない方がよい。」 後でガイド本を確認すると,「リッぺを越し傾斜の緩いフェースからスラブを左上」となっていた。確か50mの長いピッチだっと思いつつ,短いと思ったが最初に見つけた岩壁の支点で切ってしまった。後続のjamesは中央カンテとの分岐までロープを伸ばしピッチを切っていた。我々はもう少し上でピッチを切った。 ![]()
4ピッチ目 Xー チャレンジアルパインでは、「20m 凹角が核心部。ホールドは豊富だが、登るにつれ細かくなり、最後は左のフェースに抜け、狭いレッジでビレイ。」 3ピッチ目は凹状岩壁に下までだが,2ピッチ目が変則になったので4ピッチ目を,中央カンテの少し上から凹状岩壁を抜けたところまでとした。このピッチの核心は,凹状岩壁部分でガイド本によると「垂直の凹状岩壁上部の方が傾斜が強く細かい」としょうかいされている。実際に登攀してみると,その通りだった。お助けロープが下がっていたが古そうだった。核心を抜けたところで先行パーティーから落石があった。こぶし大の石が落ち,後続に「ラク」のコールをした。落石は凹状に集まるので危険なピッチであることは確かで,「この辺り上部に先行パーティーがいる場合落石の危険大」と書かれている。このピッチで先行パーティーに追いついた。 5ピッチ目 W チャレンジアルパインでは、「35m やや脆い岩場を右上し、垂壁のクラックをトラバース気味に越え、草付きテラスへ。このピッチはビレイポイントから間違えて直上し行き詰まるパーティあり。要注意。」先行パーティーのセカンドを追いかけるようにスタートした。ガイド本の通り「右のカンテを越えて,さらに右上のハングを切れ目から越える」。 6ピッチ目 W+ チャレンジアルパインでは、40m フェースを左上しカンテを越え草付きガリーを登る。ここは数年前に崩壊地点だそうだ岩肌が白くなっている。フレークになっているので先行パーティーはカムで支点をとりながら直上していったが,本来のルートは右のカンテ。ガイド本では「カンテを左上。垂直のフレークからテラス,さらに左の凹角を登り草付きへ」。 7ピッチ目 V チャレンジアルパインでは、「30m 草付き、灌木の中の易しいピッチを登りクラック下のテラスまで。」このピッチは灌木と草付きの凹状で?級程度。灌木帯に入ってピッチを切った。 8ピッチ目 W+ チャレンジアルパインでは、「50m 垂壁のクラックは外側にホールドを取り、スタンスはクラックと壁側を使い分ける。ランナーは十分ある。クラックを抜けると傾斜は落ちる。」さて最後のピッチの核心は被り気味のフレーク状のクラック。支点がしっかりとしていたので安心してリードできた。ロープをいっぱいに伸ばして登攀終了点に到着した。時計を見ると11時30分で登攀時間は4時間だった。 登攀終了点 6人全員が揃い、いつもの手を組んでのガッツボーズ。無事に登攀できてよかった。
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