■谷川岳幽の沢V字岩壁右ルート(上越) 2012年10月8日 No.696 はらっぱさんご夫婦、たっくん、とっちゃん、うさぎ、隊長 幽の沢が細く浅くなると、自然にカールに入っていく。雪渓に削られた岩盤は白く滑らかで歩きやすく、決まったルートはない。進むにつれ、徐々に傾斜が増していくようだ。衝立のような岩壁に囲まれると、アルパインクライミングの世界に突入する。岩壁に登高意欲をそそられると徐々に不安な気持ちが薄らいでいくようだ。
1、2、3ピッチ目(U 120m) カールボーデンを詰め、傾斜の強くなったところでビレイ開始。クライミングシューズに履き替え、装備を整え、さー、登攀開始だ。 まずはタックンがリードのパーティ(おっちゃん、はらっぱさん)からバンドのビレイポイントを目指して登り始めた。傾斜は緩いがV級程度のところがあるので、スタカットで登る。50mロープをほぼいっぱい延ばしたところで、おっちゃん、はらっぱさんが登りはじめると同時に、私がリードでとっちゃんとうさぎパーティーがスタートした。 傾斜が緩いのでピンはほとんどななかったので、タックンがハーケンでプロテクションを作ってくれた。決まったラインはなくどこでも登れる。2ピッチ目も同じような感じだが、はらっぱさんがロープを引っかけてしまったようで、ここで我々パーティーが追い越させてもらった。3ピッチ目は25mのショートピッチで同じような感じだった。とりあえずバンドのビレーポイント(T1)に到着。
この時点で幽の沢へ入ったのは我々6人と、出合から先行している男2人パーティ。男女二人パーティが我々の後に続いている。 この2パーティは中央壁ルートのようなので、V字岩壁右ルートは我々6人が独占している。 4ピッチ目(V 20m) 4ピッチ以降も引き続き我々パーティが先行することになった。もちろんルートがわからないのでタックンが、各ピッチの開始点ごとに指示を出してくれるので、安心してリードすることができた。さて4ピッチ目は、右俣リンネを横断して対岸のテラスまでのトラバースルート。スタンス、ホールドとも豊富なので、ピンは最初の1本しかない。タックンにはカムを2個、授かったが、使うところがない。大きくランアウトとして対岸のテラスでピッチを切った。
5ピッチ目(V 35m) 5ピッチ目はクライムダウンで始まる 。タックンの指示通り、右上気味にトラバースしルンゼ状のフェースを終了点へ。グレードV、35mピッチ。支点は一つあったかな、といま思い返す。カムが使えるところもなく、大きくランアウト。簡単でもミスは許されない。
6ピッチ目(V+〜W 40m) 出だしからすぐに左ルートと分かれるようだが、どこだかわからなかった。タックンの指示通りにリードする。急なフェースV+〜W40mを上りピッチを切る。落石を1個してしまった。支点が多く、ロープが出ているので、引き上げが重い。このあがりでお腹の調子が悪くなるがトイレするところがない。女性陣もトイレに行きたいというが、ハーネス外す場所もなく、そんなこと無理。しかしこのピッチ、高度感もあり実に快適だった。中央壁を登っているパーティーがハーケンを打つ音が谷に響いていた。 7ピッチ目(V 40m) 急なフェースをのぼり、長いので途中でピッチを切った。グレードV。特に問題なし。一気にハングの下まで行くにはロープが足りないので、ピッチを切る。ボルトがあった。 8ピッチ目(V 20m)スラブ状のルンゼの残りを直上する。次はハング帯の下でピッチを切るようだが、ルートミスでハング帯の下を右に登ってしまった。窟でトイレが出来るか確かめようとしたのがいけなかった。後続のタックの到着を待つべきだった。反省。大きくコースアウトせずクライムダウンとトラバースで復帰できたが、場合によっては支点を作り懸垂で戻ることになると大幅な時間ロスにつながるし、リスクを背負うことにもなる。やはり反省。
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2012年10月8日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |