2011年10月8日9日 横尾本谷&天狗池(穂高@北アルプス) ホーム |
■横尾本谷&天狗池(穂高@北アルプス)2011年10月8日9日 No.628 utty、とっちゃん、隊長、うさぎ 〜黄金色に輝く横尾本谷右俣カールと錦秋の天狗池〜 二日目 この日にビバークしたのは4パーティほどだった。月明かりの静かな夜だったが、朝方はかなり冷え込んだようで、フライシートの露がバリバリに凍り付いていた。テント設営から撤収まで11時間あり、そのすべては食事と睡眠に充てられる。初日の早朝自宅発の場合、どうしても睡眠不足になってしまいがちだが、テント泊で睡眠不足が解消される。 4時過ぎに起きて行動開始。味噌汁と食べて暖まり、テントを撤収する。東の空が明らみ始め、屏風の頭のシルエットがトトロのように見えてきた。朝日をうけて稜線が黄金色に輝き始めるのを見計らってビバーク地を後にした。 天空の城 さて、すり鉢の底から這い上がらなければならない。前回は一気に南岳を目指したので、初日の負担が大きく、コルに上がるまでが苦労だった。前回の記録を見るとカール末端からコルまで2時間20分を要している。まずハイマツ帯を左から巻く。少し遠回りだが、沢に沿って登ると容易にハイマツの上部に出ることができる。先発した数名のグループはダケカンバ帯を横切ったようだった。元々が一般登山道ではないので、ルート選択も自由だ。ハイマツ帯モレーンの上には前回、雪渓があり水も確保できたが、今回は雪渓が完全に消えていた。やはり水場はハイマツ帯の下からで、必然的にビバーク地もその周辺になる。お椀のそこから這い上がるようなもので、底は平らだが、上がるにつれて傾斜が増してくる。振り返ると北穂高岳の頭が見え始めていた。山頂に建つ北穂高岳小屋がまるで、天空の城のようだ。 横尾尾根のコル さてどのルートを上るか。先発隊はコルへの最短の比較的傾斜が緩く見えるルンゼを登っていった。前回は草付とザレ場に難儀したので、岩場をうまく利用し高度を上げていった。この方が落石のリスクを低減できると思う。ハイマツとの境目が狙い目だ。このあたりのルートファインディングがバリエーションの醍醐味だ。ちょっとしたクライミング気分が味わえたのがうれしかった。もちろん行動のすべては自己責任だ。ほぼ前回と同じコースタイムで横尾尾根のコルの到着した。このコルに立つのは3回目だが、3回とも展望に恵まれ(初回)、特に今回はコントラストの強い朝の光のおかげで風景にメリハリがあった。ここで大休止し、存分に展望を楽しんだ。 天狗平と槍 写真のキャプションをみれば、稚拙な解説はいらないと思うが、やはりここから見る風景の主役は槍ヶ岳だろう。 kの一からhあちょうど順光となり、手前の天狗平を入れて、どこを切り取るか迷うところだ。先行してパーティには到着と同時に追いつき、休憩後は槍を目指すようで、槍周辺でもう一泊の予定らしい。何人かの登山者と行き交うが、涸沢のような喧噪はなく、静かな山域だ。 |
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