2011年9月10日25日26日 北穂高岳東稜(北アルプス) ホーム |
■北穂東稜(北アルプス)2011年9月25日26日 No.626 隊長、うさぎ ゴジラの背 槍ヶ岳を見るとガスがたなびき始め,どんよりとした雲が垂れこみ山頂にはガスがかかり始めていた。さてここからが核心部のゴジラの背だ。確保なしでもいけそうだが,安全のためにロープを出すことにした。核心部は涸沢側にあり,残置ハーケンで支点をとり通過し,その少し先で岩角にスリンクをかけ終了点とした。2ピッチ目は狭いリッジの通過だが,しっかりとしたスタンスがあるので不安に感じることはないだろう。スリンクと残置ハーケンで支点をとり通過した。リッジの末端は懸垂の支点になっていて,いくつものスリンクが岩角にかけられていた。本谷側をクライムダウンできるとのことだが,安全のために懸垂で下降することにした。距離は20mほどだ。 懸垂 さて懸垂でコルに降り立ってからは再び岩峰の登りになる。決まったルートはないがしっかりとした岩場なので快適に登ることができた。真上に北穂高小屋の屋根が見えているが直登は無理なようだ。本谷側をトラバース気味に登って行くと,一般登山道の目印ペンキを見えてきた。見上げると小屋の真下まで来ていた。 北穂高小屋 ウサギが先行し小屋に駆け込み,事故の目撃を小屋のスタッフに報告した。さっそく連絡をとってもらうと,すでに下の小屋から通報が入っているとのことだった。ヘリが来たのはそれから20分ほど経ってからだった。 北穂高岳 2年ぶりの北穂山頂はガスに包まれ展望はなかった。さて,これからの下山が大変だ。上高地の最終バスは17時なので,それまでに帰らなければならない。野営上までの下降が2時間,テント撤収と荷物のパッキングに30分,本谷橋までが1時間30分,横尾までが1時間,上高地までが3時間と指を折って計算すると所要時間は8時間になった。時計を見ると8時40分だったので,あまりゆとりがない。 南稜 テント場を過ぎた所で南稜ルートを登ってきた登山者と行き交うようになり,どの人も事故にかかわってもらったようで,その時の様子を詳しく聞くことができた。男性の二人パーティーは我々と同じ東稜をめざしていたようだが,バリエーションに入る手前で事故に遭遇し,救助にあたっていたようだ。時間が無くなったので東稜を断念し一般登山道の南稜ルートに転身したとのこと。我々も出発が遅れれば救助にあたっていたことになる。
帰路 ゆっくりと慎重に下り,軽く食事をしてからテントを撤収した。11時10分に涸沢を後にし帰路について。快調に下り横尾には13時25分に到着,なんとか最終バスには間にあいそうだ。途中で休憩を入れながら重い荷をかついでの怠惰な遊歩道歩きは,疲れた体にはこたえた。予定通り3時間弱で上高地に到着し,4時30分の平湯行きのバスに乗ることができた。 完
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