2010年月11日6日7日 台高東尾根ミニ縦走(台高) |
■池木屋山、江股ノ頭(台高山地)2010年11月6日7日 No.572 じんじんさん、つくだにさん、隊長 〜台高山地、秋のミニ縦走〜 | ページ1 | ページ2 | プロローグ 今年の秋のテント泊は台高のミニ縦走ということになった。池木屋山から東に派生する東尾根はなかなか魅力的で、尾根にそって江股の頭、白倉岳、それから古ケ丸山と迷岳に分かれる。台高山脈からの派生尾根とはいえ、日帰り山行ではとても歩けないほどのスケールだ。今回は、宮ノ谷から上がり、江馬木屋谷に降りた。 アプローチ スメールで8時の待ち合わせ。2台でまず、下山口になる江馬小屋谷林道終点に一台をデポし、登り口の宮ノ谷登山口に向かった。今回は日程的にもゆとりがあったので、出発時間にゆとりを持たせたことが裏目になり、10台でほぼ満車となる駐車場はすでに、空きなしになってきた。しかし、少し戻ったところの路肩になんとか駐車できた。宮ノ谷は三重県内では屈指の渓谷、池木屋山も存在感のある山だし、また、秋の紅葉の時季が重なり、登山者がいつもより多くなったのであろう。8時50分に入山する。宮ノ谷 宮ノ谷は話が古くなるがS50年の国体で整備されたルートで、桟橋、橋子、鉄橋がかかり、高滝までならハイキング気分で歩くことができる。登山者だけでなく 高滝までのハイキングも見かける。コースは左岸の岸壁につけられ、途中に犬飛び岩、鷲岩、六曲屏風岩、蛇滝などの見所があるが、深く切れ込んだ谷の随所で美しい渓流が見られる。ゆっくりと撮影しながら歩いたので水越谷分岐まで約1時間を要した。
高滝と猫滝 ルートは、水越谷出合分岐から右岸に移る。徐々に谷が狭くなってくるとともに、高滝の轟音が聞こえ出す。まずまずの水量で見応えのある滝だ。ザックを降ろし、滝見物を兼ねて小休止を入れる。テント泊装備なので荷が重く、ハイキングみたいな調子にはいかない。ほてった身体を冷やし、高滝と猫滝、連続する二つの滝の高巻きに備える。 高巻 さてコースが再び左岸に移ると、急登が始まる。ザレた斜面を固定ロープや木の根に掴まりながら、まずは高滝を大きく高巻いていく。荷が重いのでスリップによりバランスを崩すと危険な状態になる。滝の上部にさしかかってからのトラバースが特に注意が必要だ。道幅も狭く痩せてきている。ここも固定ロープがあるが、このロープはあくまでもバックアップのつもりで。滑りやすい岩のバンドを乗り越すとひと安心。すぐに猫滝の上部に出る。ここから再び固定ロープに助けられて岩場を乗り越すと谷に降り、緊張感が柔らぐ。 猫滝は滝の落ち口まで降りることができる。カメラをムービーに切り替え撮影してみた。 ドッサリ滝 落差のある二つの大きな滝を乗り越すとルートはが右岸に移る。谷も徐々に浅くなり再び左岸に映ると今度は、ドッサリ滝の轟音が聞こえ出す。ドッサリ滝は落差はそれほどでもないが幅があり豪快だ。登山道からは少し入るので、知らずに通過する登山者も多い。 二股 ドッサリ滝から10分も進むと二股に到着する。帰路の登山者が二人昼食をとっていた。すでに12時を過ぎているので我々もここで昼食にした。さてここからが標高差600mの急登が始まる。稜線の水場で給水できる保障が無いので、ここで水を1.5リットルほどザックに積み込む。テント泊装備なので試練の登りになった。途中で二度ほど休憩を入れ約2時間で登った。ちなみに前回は日帰り装備だったので、小休止を入れて約1時間20分で登っている。 宮の谷、池木屋山を含めたこの辺りは、秩父帯の地質になっている。高見山を東西に貫く中央構造線の南側に位置し、三波川帯、秩父帯、四万十帯が接している。プレートに乗って太平洋から運ばれてきた堆積物が、日本列島に押しつけられる圧力とマグマによる熱変成をうけ変成岩となっている。泥岩、砂岩、頁岩、チャートなどからなっている。縞模様の入った変成岩の一種であるホルンフェルス等も見られる。谷筋では風化により岩の表面が磨かれ滑りやすくなっていて、つくだにさんが、渡渉で足を滑らせ片足を川につっこんでしまった。
池木屋山 痩せた尾根だが、ミズナラ、モミ、ツガなどの巨木を何本も見かける。コウヤマキの群落を過ぎるとやがてブナ林に入り、徐々に傾斜が緩んでくる。ブナの林床には以前、ミヤコザサが覆っていた、最近はなくなってきている。巨樹は見かけないが、実に雰囲気のよいブナ林だ。14時50分に山頂に到着した。時間遅くなったのでもう誰も居なかった。辛い急登から開放されやれやれだ。ザックをおろして一息入れる。 東尾根 さて、山頂を後にして東尾根に入った。ブナの落葉をザクザクと踏みしめながら東尾根を歩く。なだらかな尾根もやがて痩せてくる。P1284の次のピークから北に派生する尾根の紅葉が綺麗だ。あいにく日が陰ったので、雲が流れ去るのを待ってカメラに納める。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)三重大会(昭和48年) の時の標識が今も残っている。40年近い歳月が流れた今も、たまに通る登山者を案内している。この東尾根だが、南北にいくつもの枝尾根が派生しているので、常に方向を確かめながら歩く必要がある。
山頂付近のブナの紅葉 野営地 P1332の手前の尾根で倒木が目立ち、視界が開けている。緩やかに宮川に落ちていく尾根を見送ると、杉林の急降下がある。鞍部まで下った所を本日の野営地として。水を担ぎ上げているので平地であればどこでも野営ができるが、野営適地は限られてくる。落ち着いたブナ、ヒメシャラ林で、とても雰囲気がいい。早速テントを設営し、鍋料理で山と人生談義に花が咲く。そして、9時過ぎにシュラフに潜り込んだ。 | ページ1 | ページ2 | |
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