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2010年8月28日29日 剱岳(北アルプス)

 

剱岳(北アルプス)2010年8月28,29日 No.558 隊長、うさぎ
〜早月尾根から剱岳ピストン〜
【8月27日】
馬場島登山口(5:50)〜展望台「松尾平」1000m地点(6:40)〜標高2000m地点(10:30)〜早月小屋(11:10)
【8月28日】早月小屋野営場(4:05)〜2600m地点(5:00)〜2800m地点(5:48)〜(6:30)剱岳山頂2999m(7:05)〜(9:20)早月小屋野営場(10:08)〜1600m地点(11:40)〜馬場島登山口(13:30)
懸案だった早月尾根だが、今回やっと、日程や天候などの条件が揃い、登ることができた。各種ガイドブックを見ると、カニのハサミのところが難所であると書かれているが、実際歩いてみると難しさはなかった。このルート中の核心部分に当たるので、目立つことになっているようだ。ただ、転倒は滑落になるので許されない。別山ルートと比べると地味な感じを受けるが、標高差2200mの登高の試練に耐え山頂を踏む喜びはひとしおである。

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8月27、28、29日 剱岳(早月尾根から) 試練を感じる山旅

、ベランダで洗濯物を干しながらお月さんを見ている。夜の10時、馬場島から6時間30分かかって帰宅。みそ汁とさけ魚で夕食をとり落ち着いた。今朝の4時、登頂に出発するとき、オリオンと月が冴え冴えと夜明け前の空にあったのが、不思議なくらい。月の光が妙なトリックで輝いていて、これは夢だったり、時間の経過がなかったりするんじゃないかと思ってしまう。
8月27日は車中泊、あけて28日は早月小屋でキャンプした。早月尾根は立山杉の大木が登山道に立ち、私はすごいの連発で大杉を見ながら急な高度をとっている坂道を登る。三分の二くらいの所から、野いちご(ベニバナイチゴ)の実がたくさんあった。ぶらぶらなりさがっている苺を食べながら登る。食べるのに忙しく、小屋には11時に到着。まだ昼前だ。あたりはあっという間に霧雲がかかり時々雨もぱらつくた。昼間は騒々しいテント場も、夜になると静かになった。
8月29日は3時に起きて朝食をとり、4時にはヘッデンをつけて登りだす。ちょっとした岩場もあり、遠くに見える富山の町の灯がきれいだった。剱岳の映画が頭をよぎる。山頂はよく晴れていて美しかった。ビニールシートに包まれた三角点の標石を見たのは、もう6年も前になるなんて、歳月の流れは早い。明日にかけられないはかないものがある。
「今日はこの一日を精一杯生きる」この夏はこの言葉通りに登山してきた感がある。でも本当はこわごわ一本橋を渡る心境である。だからもう少し余裕を持って登りたいと思う。四季の移ろいを感じながら心のままに鑑賞しながら登山道をあるきたい。好きな歌を鼻歌で歌ったりしながら。
今回の剱は頂上の展望もさることながら、登り口からの大杉に深く感動した。時を経て尚、生き続ける力強さを、空洞になった幹を抱え込んで立っている姿に見た。うろの中から木片を探してリュックに入れる。なにかお守りに祈るような気がした。
帰路のドライブインで買ったリンゴを車に乗りながら食べるととても甘く、外の暑さとは別に、秋の気配を感じた。山もカライトソウやマツムシソウがきれいに咲いていた。風雪の自然に絶えて生きる立山杉の生命力に私の内なる試練もあった山度であった。

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