2007年7月28日29日 蓮華岳、針ノ木岳(北アルプス) |
■蓮華岳2799m、針ノ木岳2821m(北アルプス)2007年7月28日29日No.417 隊長、うさぎ 朝は隣のテントの声で目が覚める。時計を見ると3時半だ。テントから顔を出し空を見上げるとなんと、一面に星空が広がっている。昨夜聞いた天気予報の「飛騨地方は午前中晴れ」はあたっていたのだ。めまぐるしく変わる山の天気のことだから、天気予報はあまり当てにならないが、天気がよければすべてよしだ。雨であれば針の木は断念しようと思っていたが、天気がよいので早速出発の準備にかかる。味噌汁と鮭雑炊で軽く朝食を済ませ、ヘッドランプをつけて4時過ぎにテントを出る。
早朝、針の木岳へ向かう稜線は実に清々しい。風もなく山裾に淀むガスの空気感が、黎明の山岳を印象付けている。少し登ってヘッドランプを消す。薄明かりの中、チングルマの白い花が目に付く。東の空が少しづつ赤みがかってきた。そして雲の間から真っ赤な太陽が顔を出し、山肌をほんのりと赤く染めだした。当初の天気予報により期待すら寄せていなかったが、なんとも皮肉なことに青空の広がる天気になろうとは誰もが予想しなかったはず。これがわかっていれば今日は蓮華に行きたかったが、山を包む大自然は人の思うままになるはずもなし。 山頂からの展望は大変すぐれている。黒部湖を挟んで立山が手の取れる位置にある。水晶、鷲羽、双六、槍、穂高、笠が山容から簡単に判断できる。薬師は雲に隠れていたが、存在感は十分にあった。もう少し透明度が欲しいが、撮影の対象にはならないものの、山容が確認できただけでも有り難いと思わなければならないだろう。しばらく山頂で展望を楽しみ帰路につく。 雪解けの後の草付きの斜面は花の宝庫だ。シナノキンバイが斜面を黄色く染めていた。ミヤマダイコンソウ、チングルマなどが稜線の主役になっていて、11mmのワイドレンズで狙ってみた。今回も撮影はSONYα100で、レンズは11-18mm、18-200mm、50mmマクロを持参した。予備として、CybershotDSC-T100を持参した。しかし今回の山行はカメラにとっても過酷な環境となった。雨傘とビニール袋で凌いだが、ズーム式のレンズはどうしても湿度の高い空気がレンズの中に入ってしまう。その場で使っている分にはレンズの曇りはないが、徐々に高度を下げて気温が上がってくるとレンズの中が曇りだして使えなくなってしまった。そんなときはサブ機として持って行った、CybershotDSC-T100が役に立った。デジイチに関しては固定レンズでもう少し精度を上げ、作画の意図をコントロールしたいが、それぞれの状況に即座に対応できるズーム式に流れてしまう。まだまだ修行が足りない。 稜線の花の撮影をしながら、峠のテントサイトに戻りひと休み。午後から天気が崩れるようだから、あまりのんきに構えていられない。簡単に食事を済ませ、テントを撤収してから峠を後にした。
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