笠ケ岳 2002.09.22,23 No.173
|
■笠ケ岳 No.173 ハリマオ、隊長 ■2002年9月21日 ■2002年9月22日 杓子平でもう少し過ごしたいと思ったが、根が生えるといけないのでそこそこに切り上げ、稜線への登りにかかる。ここの登りは、標高差が約350mあり、急登をしのぎ一気に高度を2800mまであげなければならない。背後には、雲海に浮かぶ乗鞍が見え、右手には槍と穂高が見える。非常に贅沢な展望であるが、見るゆとりがなくなってきている。杓子平までの登りで、足腰がかなり消耗しているし、酸素が少なくなってきたので、やたらと足が重く感じだした。1時間20分の行程だが、途中で休憩を1本入れた。登山道が変更になっていて、一気に抜戸岳山頂の高さまで上げなければならない。
何とか登り切り、稜線に出た。どの山も雲海に浮かぶ島のように見える。稜線も時折ガスで隠れるが、笠ケ岳山頂まではよく見渡せる。登山道も歩きやすく、のんびりと笠ケ岳を目指した。
この笠ヶ岳も「花の百名山」に入っている。花はミヤマダイコンソウ、シナノキンバイが紹介されている。花の季節は過ぎているので確かめようもないが、紅葉しかかったミヤマダイコンソウの葉がたくさんあった。田中澄江さんはこの山を次のように紹介している。「笠ケ岳は黒部五郎、双六の頂から、西の空にぽつんと一つ、三角の形にそびえているのが何か寂しそうで、いつも山肌に手を触れたい思いをかき立ててきた。・・・・笠ケ岳から錫杖岳への岩稜がブナやダケカンバの木梢越しに朱色に輝きわたっているのを見たとき、さびしいなんてとんでもないこと、笠ヶ岳はみずみずしく若々しく、命の燃えたっているような山だと思った」(引用)田中澄江さんは七十代半ばで、鏡平から笠ケ岳の小屋までコースタイムの倍の12時間かけて歩いている。雨のために小屋に2日停滞し、笠新道を7時間かけて降りている。そのとき小屋の主人に、播降上人が道標としての石仏を据え付けたクリヤ谷を進められたとある。
稜線は多少のアップダウンはあるものの、大変歩きやすく、予定した時間でテント場に到着できた。小屋までは歩いて約10分の所にあり、場所が広いのでゆったりとした間隔でテントが設営できる。東斜面にあるので、天気さえよければテントの中から、モーニングコーヒーでも飲みながら日の出が見られるはずであったが。山頂までは30分もあれば行けるが、明日は通過するのだからとさぼったのがいけなかった。とりあえずは小屋でテント場代500円を支払い、ビールと水を調達した。水は無料である。
テントに入り横になると一日の疲れがふっと抜けていくようだ。睡眠も足りなかったので、ほろ酔い気分で少しうとうととした。夕方が近づき雲の高さも徐々に上がってきたようで、雲がキレットを滝のようにあふれ出した。興味を引かれる光景である。
|
Photo Club
|