2023年4月18日 No.1500

鈴鹿鬼が牙マルチルート検証

【行程・登山者】

【4月18日】左の岩壁 1ピッチ マルチピッチルート〜鬼が牙東峰〜本峰〜登山道〜登山口〜駐車地 
Sony ZV-1 ACTION3


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【概要】

山と溪谷社 雑誌 「ROCK & SNOW」の取材協力で、鬼が牙マルチルートを案内した。以前はローカルな岩場で、山岳会の講習や地元のクライマーなどに細々と登られていたが、最近では、初級から楽しめるルートとして利用者が多くなってきた。雑誌で紹介したいということで、取材協力することになった。神奈川の山岳ガイドのMさんと山と溪谷社のTくんの3人パーティーでルートの取材を行った。

鬼が牙

鈴鹿の山と谷では、鬼ヶ牙・鬼ヶ城で紹介されているが、岩壁については書かれていなかった。十年以上前に登り始めたときにはすでにリングボルトとハンガーが設置されていた。岩壁の上部は、花崗岩の表面の風化が進んでいて、ボロボロと結晶が剥がれる状態だった。おそらくほとんど登られていなかったと思う。

 

フリールートとしての価値が見いだせなかったのだと思う。しかし、鈴鹿の山と谷に「石水渓の中程、安楽川と石谷川を区切る尾根の末端に巨岩林立する奇怪な山がある。南画風の景観は石水渓の価値を一層高めているが、・・・」とあるように、アルパイン的な視点で見ると面白い山だ。山頂を目指すマルチピッチルートとして紹介されてこそ価値があると思う。

ルート検証

さて今日は、マルチピッチルートの検証ということで、プロの目で見ていただくことになった。

 

平日だが、1パーティーが先行したので、距離を開けるために左のルートを1ピッチ登り時間調整をした。

マルチルート

ルートの名称はないが、メインのルートなので、鬼ヶ牙マルチピッチとしておこう。

 

初見のイメージは、小川山のガマスラブだ。その通りです。易しいルートなので、山岳会の講習会などでよく使われている。ボルトが多いので戸惑うが、どれを登っても似たようなグレードだ。垂壁のテラスまで一気に登ると35m。途中に支点があり、ピッチを切ることも出来る。グレードはどうでしょう、ライン取りにもよるが5.5くらいかな。
1ピッチ目 検証するMガイド
ビレイするヤマケイのTくん

垂壁

2ピッチ目の垂壁は、なかなかフリーでは難しい。ここはA0ということにして、その上が意外と難しい。グレードは5.9で意見が一致した。25mのピッチだ。しっかりと誌tあリングボルトは残してある。

 

3ピッチ目

ここまで上がると一気に展望が開く。伊勢平野と伊勢湾、白いコンクリートの第二名神の人工物が新緑の山とマッチしている。

 

易しく登ることも出来るルートだが、敢えて核心をもうけた。これの有無により充実感に差が出る。このルートの印象を左右する。グレードは5.10aで一致。20m。
核心部を通過するTくん ムーブがきまっている
小岐須渓谷の新緑と第Ⅱ名神

4ピッチ目

4ピッチ目も3ピッチ目と同じで、核心を含めたルートどりをした。5.9かもしくわ5.10aかな。30m地点に終了点があるが、今回は、そのまま20m伸ばして立木でビレイ

 

5ピッチ目は、ロープいっぱいほぼ歩きだが、途中マントルで越えるところがあるので5.6くらいかな。マントル越えの所は背の低い女性がいつも苦労しているので、昨年、リングボルトを打った。
ピッチ目 つなげて登って50m