■マブシ嶺(尾鷲) 2020年6月27日 No.1293 |
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| ページ1 | ページ2 | YouTube バージョン 概要 梅雨の晴れ間を活用して久しぶりに尾鷲道を歩いた。尾鷲道は何度も歩いているが、取材を兼ねるため殆どが尾鷲からのピストンだった。日帰りピストンは厳しいので途中テント泊だった。尾鷲道は殆どが樹林の道だが、マブシ嶺は裸地になっていて広々として展望が良く、他とは雰囲気が違う。中間地点にあって日帰りで尾鷲道とピークが楽しめる。一般的な登山との違いは、行きが下り気味で帰りが登り気味であること。標高的には1300mから1600mを上り下りする方になる。もちろん上部は亜高山帯に接するので、気候的には夏でもそれほど気温が上がらず、殆どが落葉広葉樹林なので日陰が多くて歩きやすい。この時期は目立った花は少なく、楽しみは樹林歩きと野鳥観察が中心になる。この日の収穫は、コマドリが撮影できたことと、ハヤブサに出会えたこと。 尾鷲道 遊歩道には鳥やさんたちが真剣なまなざしで野鳥を観察していた。コマドリが鳴いていたので、それを狙っていたのだろう。迷惑にならないよう、こちらも閑かにゆっくりを歩いているが、チャンスはいつ巡ってくるかもしれないので、カメラバックに手を入れていつでも撮影できる体勢だった。歩き進むと鳴き声が大きくなってきた。ふとそちらの方を見ると、5m先の小枝にこまどりが泊まり鳴いていた。霧中でシャッターを切った。 今年5月に来たときは、尾鷲道に白崩谷あたりで粘ったが、撮影はできなかった。今回はコマドリの撮影がひとつ目標だったので、幸先の良い出だしとなった。 尾鷲辻から尾鷲道に入ると、急に閑かになる。アカゲラの鳴き声がしたのでとまって観察していると、先ほど東屋で休憩していた3人組が後を着いてきた。軽装なので道を間違っているだろうと案ずるとやはりそうだった。気がついたようで引き返していった。白サコまでに単独登山者と行き交った。それ以外は、後続の男性1人だけ。尾鷲道は閑かな山域だ。この日は夏日の予報だったが、標高が1500mあるし、樹林が陽射し遮り日陰がおおいので涼しく感じる。
シロサコ このあたり平地になっている。松浦武四郎の乙酉紀行には「白欠」と書かれている。白崩谷(しろくえ)の源頭になるので、「白」がつくのはわかる。峪(さこ)は尾根と尾根の間の峪(たに)を意味するので、地形を読んで「シロサコ」と呼ばれるようになったのか。武四郎は1885年にここを歩いている。そんなことを思いながら歩くと面白い。
マブシ嶺 地倉山まで上がると展望が開ける。すると、「キャーキャーキャー」と鳴く声が谷に響いた。トビでもない、カラスでもない。カメラの電源をオンにしスタンバイした。枯れ木にカラスがいたので、肩を落としそうになったところ、その背後でカラス大の鳥が舞っていた。とにかくシャッターを切らないと、どうにもならないので、うまくファインダーで捕らえられたのでシャッターを切った。フォーカスはカメラ任せだった。何だろう、大きさはカラス、背が黒っぽい、ほおのあたりが白い、翼の先がとがっている、尾の形と色からもう猛禽には違いない。ひょっとしてハヤブサ?確かハヤブサは海や川を見下ろす断崖にいる。ここは奈良側の直下に東の川が流れているので、生育環境は当てはまる。伊豆の城山でクライミング中に何度も見ていたので、経験の記憶がハヤブサを思い起こさせた。もう少し近くで撮りたいが、チャンスは来なかった。トビはつがいで悠々と飛んでいたのだが。
とりあえず、マブシ嶺まで進んで、ドローン撮影の準備にかかった。何度も来ているが初夏に来たのは初めてだ。東の川が深い谷をつくり、山々の重なりの背景には大峰山脈が一望できる。なぜか、マブシ嶺周辺だけが裸地になっていて展望が良い。三重県側は熊野灘が迫り、尾鷲湾が見下ろせる。大峰、台高山脈は標高が2000mを越えないが、スケールの大きな山域だ。
| ページ1 | ページ2 | 機材 OLYMPUSE-M1U、 E-M5V 12-100mm LumixLeica100-400mm、mavic mini | |
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