■大普賢岳(大峰) 2020年6月16日 No.1291 |
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| ページ1 | ページ2 | ページ3 |YouTube バージョン 概要 今回の山行はひもが付いてないので思うままに歩けた。 ここのところ大峰が続いているが、歩くほどに大峰の自然と文化に手応えを感じる。大普賢はアプローチがいいので、今回で5度目の登山となった。 この時期、木々や草花の花は終わっているが、ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、二の木が林立する森を歩くだけで興味深さを感じる。野鳥も活発で、駐車場から歩き始めるとカケス、アカゲラが忙しく飛び回り足が前に進まなかった。葉が茂るこの時期の野鳥撮影は難しく、しっかりと撮影できたのは幹を這うゴジュウカラぐらいで、今日もチャンスが少ないなと思っていると、目の前に草を食む鹿がいて、しっかりと撮影の相手をしてくれた。晴れ間が広まると一斉にエオゾハルゼミが泣き出し、自然の息吹が感じられた。 コースタイムは、野鳥撮影などが含まれるので参考になりません。しかも今回はケーブルネット用の動画撮影を兼ねていたので余計に時間がかかった。紐付きでない登山と書いたが、振り返ると紐付きだったか。 和佐又 鈴鹿から大峰はアプローチが長いが、早朝ということもあり快調に走って2時間半で登山口に到着した。コロナ禍で登山自粛が続いたので、和佐又ヒュッテは営業しておらず、駐車場はクローズだったが、10分ほど手前の林道脇に登山者用の駐車場が用意されていた。料金の徴収はなく無料だった。
駐車場には車が一台駐まっていた。車を下りるなり野鳥たちの鳴き声が聞こえる。カケスが大きな声で戯れていた。早速、望遠レンズを付けたカメラを構えながら歩き始めた。カケスの姿は捉えたが、撮影には至らなかった。 大峰奥駈道 和佐又から大普賢へ至るルートは、途中に第62番靡(なびき)「笙の窟」のある奥崖道だ。和佐又を出ると直ぐに豊かなブナ原生林の尾根に乗る。このあたりですでに標高が1300mありブナの生育に適している。巨木が多く、このあたりはまだ林床のミヤコザサは少なくすっきりとしている。ブナに混ざってヒメシャラが目に付き、紀伊山地にいることがわかる。緩やかな上りでしっかりとした道だ。幹を這うゴジュウカラは直ぐに見つけたが、頻繁に鳴いているアカゲラはなかなか姿を捉えられない。何度も立ち止まり様子をうかがうが姿が見えない。時間的にもそれほどゆとりのあるルートではないでこそこそに撮影を切り上げて先に進んだ。
日本岳周辺 岩場が出てくるとルート状況が一変する。日本岳の山腹の岩壁に沿って岩場の弱点をつきルートは、ハシゴや階段を使ってうまく付けられている。このあたりから行場が始まり、シタンの窟、朝日の窟、笙の窟、鷲の窟と続く。
笙の窟 中でも65番目靡の笙の窟の岩壁は圧巻だ。クライマーの血が騒ぎ、気がつくと目が登攀ルートを探っていた。水滴が岩壁を伝わずに落ちてくるので岩壁はハングしているようだ。地質は付加体の混在岩でしっかりとしている。小普賢まで登っていくとチャートが混ざってくる。
この先の石の鼻あたりからは階段やハシゴが続く。シロヤシオの落花が目立ち、イワカガミが見頃だった。シャクナゲはすでに終わっていた。 石ノ鼻は展望のよいピークだ。オオルリが鳴いていたが姿は見られなかった。展望を見ながら小休止した。次のピークは小普賢だが、展望が悪いのでパスした。これを過ぎると再び階段、ハシゴ道が続き、林床にミヤコザサが出てくると稜線は近い。ブナ、シロヤシオ、オオイタヤメイゲツなど落葉広葉樹林の明るい雰囲気の森になる。
大普賢岳 主稜線に合流すると大普賢岳の山頂は直ぐそこだ。山頂はそれほど広くはないが四方に展望が開けている。爽やかな風が吹き抜けている。山頂に着くと同時に雲が流れ青空が広がってきた。新緑の山並みが鮮やかで綺麗だ。北に山上ケ岳、南に最高峰の弥山・八経がよく見えている。山上ケ岳から釈迦ケ岳あたりまでが大峰の一番美味しいところなので、これまでに何度も足を運んできた。記録を見ると10年以上たっていて、確か前回は、山上ケ岳まで往復したことを思い出した。 12年前の記録を見ると和佐又から大普賢まで1時間40分だった。鳥の撮影、動画撮影をしていとはいえ、それにしても今回は遅すぎだ。 昼食休憩し、展望写真を撮ってしばらく山頂を楽しんだ。実に爽やかな風が流れていて、いつまでも居たいが、これから先の行程はまだまだある。男女ペアが先行しその後に続いた。笙の窟でであった二人組が登ってきた。 大峰主稜線は気持ちのいい自然林が続いている。そこに居るだけで贅沢な気持ちになる。鳥ばかり見ていたが、ふと足下をみるとキンカメムシがいた。陽射しが出ると同時にエゾハルゼミが一斉に鳴きだし、大合唱となった。 機材 OLYMPUS E-M1U、E-M5V 12-100mmf2.8pro、Lumix Leica100-400mm | |
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