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■池木屋山(台高)  2020年5月12日 No.1281
〜雑誌と三重県の山の取材で周回ルートを歩く〜
【行程】
宮ノ谷渓谷駐車場6:55〜蛇滝〜六曲屏風岩〜風折谷分岐8:05〜高滝8:40〜猫滝〜ドッサリ滝〜奥の出合10:30〜12:30池木屋山(1396m)12:55〜13:45霧降山13:55〜青空平〜コブシ平15:00〜P866 15:40〜宮ノ谷登山口16:50 11.2km 行動時間10h

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概要 前回の取材から2年開いたので、ルートチェックの新緑の撮影にでかけた。宮ノ谷は県内では、大杉峡谷に次ぐ素晴らしい渓谷で、今回は新緑の時期に合わせて取材を行った。ルート的には、風折谷分岐から高滝までが荒れていたが、鎖を設置するなど整備された。駐車場も登山口の手前800mに20台の駐車場が新設された。登山者にとってはうれしい話だが、池木屋山は「三重県の山」(山と渓谷社)で取り上げた山の中で1,2を争うタフな山だ。累積標高差、歩行距離もさることながら、危険箇所の通過あり、やせ尾根の急登ありで、もちろん渓谷、滝、尾根に咲く樹木の花、稜線の樹林など見所も多い。充実した登山が楽しめる。今回は、新緑と滝、尾根に咲くアケボノツツジ、シャクナゲ、野鳥の撮影をめざした。

ここ数年、風折谷分岐から高滝までのルートの荒れが目立っていた。岩壁の崩壊もあり危険なところもあったが、この2年間で高滝までは整備されていた。それ以外にも、宮の谷登山口手前800m地点に駐車場が新設された。登山口までは少し距離があるが、登山口周辺が10台程度だったので、登山者のみならずハイカーにとってもうれしい話だ。

  
迷岳

今日のミッションは、新緑と滝の撮影で、撮影機材もそれに合わせた。というか標高差、距離共にタフなルートなので荷物を軽くしたいのが本音だ。天気予報では天気がいいが気温が上がる予報なので、いつもより水分を多くザックに入れた。このルートは水はどこでも採れるので、不足しても不安はない。

  
左:蓮ダム     右:登山口手前800mの新説駐車場

宮の谷登山口に着くと、先行車両が一台駐まっていた。予定通り7時に出発できた。撮影を入れると10時間なので17時までには下山したい。登山口を入るとガクウツギが甘い香りを放っていた。

  
宮ノ谷登山口駐車場    ガクウツギ

犬跳び岩はパスし蛇滝で撮影。水流を撮りたいが、以外と風があり樹木の揺れている。水流と緑がテーマなのでどちらも生かしたいが、シャッタースピードを落としすぎると葉がブレる。落としどころが難しい。どちらを主体にしてもいいように、これ以降も2種類の写真を記録するようにした。

  
新緑が美しい宮の谷渓谷


蛇滝

蛇滝は大きな滝ではないが、くねくねとして写真的は面白い。 じっくりと構えて撮影したい時間的にあまりゆとりがない。

  
ホソバテンナンショウ     こけがきれいた

宮の谷は桟橋、橋、階段が整備されている。渓谷美を楽しみたいなら、県内でも屈指の渓谷だと思う。


随所に設置されている橋、桟橋、階段


六曲屏風岩は新緑になるとよく見えない

花は限られていて、この時期に目立つのはヒメレンゲだ。特に珍しい花ではないが、渓谷とマッチしている。もう少し季節が進むとイナモリソウが見られるかもしれない。逆に4月は滝や岩壁で岩桜が見られる。


ヒメレンゲ

目立った斜面の崩壊は修復されていた。安心感に繋がる。

 
左:整備箇所

ケイビランは葉に特徴がある。鶏の尾に似ているからだそうだ。はなはしいろい小さな花で地味だ。この植物は地形的な特徴があって、「そはやき」要素で外帯つまり、中央構造線の南側に生育している。三重県では伊勢志摩から南ということ。若干逆光気味で撮影できたので、葉っぱだけだが、印象的になった。


ケイビラン

  

最初にも書いたが風折谷分岐から高滝までがかなり荒れていたがここ2年で整備された。ガイドブックで紹介しているので心配していたがこれで安心だ。危険箇所にはがっちりとした鎖が設置され、崩壊地点はルートが明瞭になっていた。しかし、どうにもならないことがひとつある、この区間に限ってヤマヒルが多いこと。足下を見ると数匹がダンスしていた。今回は「アース製薬のサラテクト」を使ってみた。被害がなかったので効いたのかもしれない。


高滝

「高滝」はルート中最大の落差のある滝で見応えがある。新緑とのマッチングが目的だったので、青空もあり申し分の無い条件に恵まれた。問題は風があること、そして光が強すぎること。レンズのフィルターを持ってこなかったことが悔やまれた。構図もさることながら、技術的な駆け引きをしていると時間の経過が早い。

  
左:高滝     右:イワナかアマゴか、悠々と泳いでいた

さて、この先は高滝と猫滝が連続する。コース中の核心で、過去に滑落事故が何度も発生している。直近では昨年、この場所で滑落死亡事故があった。ガイドブックでも注意を喚起しているのだが。

  
高滝中断から撮影    猫滝

  

この二つの滝の高巻きが終わると、谷が徐々に浅くなっていく。落葉樹が多くなり谷も明るい。ゆっくりとテント泊して撮影の興じてみたくなる渓谷だ。右岸としばらく進みドッサリ滝の手前で左岸に渡渉する。

さてドッサリ滝だが、高滝に比べると落差はないが幅がある。谷が明るくて岩にたくさんのヒメレンゲが黄色い花を咲かせていた。今回は7月号なのでヒメレンゲを主体にはできないが、そうしたくなるシチュエーションだった。滝の位置が少しわかりづらいが、左岸に渡渉したら近い。ルートから少し外れるが、滝の音が聞こえている。


ヒメレンゲとドッサリ滝

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機材  OLYMPUS E-M5U、E-M5V  12-100mm、75-300mm