■錫杖岳前衛峰(北ア) |
レポート No.892 |
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槍見温泉駐車場(5:15)〜クリア沢(6:30)〜錫杖沢出合(7:10)〜取付(8:10)〜1ピッチ目(8:45)〜2ピッチ目(9:15)〜3ピッチ目(9:55)〜4ピッチ目(10:30)〜5ピッチ目(11:05)〜(12:25)懸垂下降(13:20)〜錫杖沢出合(14:30)〜クリア沢〜駐車場(15:50)〜ひがくの湯(16:00)〜鈴鹿(20:30) |
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3ピッチ目 さて核心の3ピッチ目だ。グレードは5.9と平凡だが、カムによるプロテクション技術が問われるところで、グレード以上のプレッシャーを感じるところだと思う。トポ通り2セット持っているので心強い。これからの2ピッチはコーナークラックに沿って登るのでルートに困ることはない。ここは離陸直後にいきなり核心がくる。とりあえずカムを一つセットし、頭を抑えられた状態でのトラバースがかなり苦しそうだ。苦し状態でもうひとつセット。使いすぎるとこの先が読めないので足りなくなる心配がある。細かいがスタンスはあるが濡れていた。体が外に出るとレイバックでいけるが、次のカムをセットするにはふっとジャムに持ち込まないと苦しい。ハングの上に出たら一安心だ。
さて次はうさぎ。背が低いと頭を抑えられないので楽そうだ。アンダーからレイバックに持ち込み、水を得た魚のうようにスイスイと登っていった。実際に取り付いてみるとやはり頭を抑えなれた。大きく足を開いてスタンスに乗る。右手アンダーでカムを回収。濡れたスタンスに乗りもう一つカムを回収。レイバックでハングの上に出た。ここから先はクラックを直上する。フェイスには細かいが適度にスタンスが見つかる。フレイク状のクラックなのでレイバックもいける。色々と手があるので中途半端な登りになった。最後の地蔵テラス手前が少しかぶっていた。 4ピッチ目 グレードは5.9。地蔵テラスは狭くて3人が限度か。後続に少し待ってもらう。うさぎがテラスに座り込んだので、我々はハンギングビレイ。地蔵テラスの地蔵になったつもりらしい。ここはフレイクというよりもクラックだ。適度のフェイスを使いならがフットジャムで体を上げる。クラックが広くなるとレイバックも使えた。
終了点手前が微妙なトラバース。片手ホールドでカムを解除。ガバでハング越え。
5ピッチ目 さて最終ピッチだ。グレードは5.8。凹角からクラック。4ピッチ目よりクラックが広いのでプロテクションは#4、#5が必要。ヒールアンドトー気味にジャムを決め体を上げる。クラックの切れ目が濡れていた。そこでフェイスに逃げるとブッシュ帯に入った。ロープがほぼいっぱい伸びているので流れが悪い。屈曲しているのでロープを引くのも大変そうだった。 終了点 終了手前で左方カンテからのルートと合流し、見覚えのある終了点に到着。この先2ピッチがあるが、いいところは終わったので普通はここで終了。やりきった充実感や安堵感が交錯する。展望を楽しみながら後続の登攀を待って懸垂下降した。左方カンテのパーティーはまだのようだ。懸垂カラビナが1個だったので1個サービスで追加した。 懸垂下降 懸垂は4ピッチ。登ったルートを降りるので、後続がいないと安心だ。 取り付きに降りてからまだもう少し岩壁に沿って下るところが危険だ。懸垂しようとして支点を探すとハーケンが見つかった。石で叩いてみるとしっかりとしている。ロープは古いので取り替えた。谷に下りて遅い昼食にした。懸垂下降含めて5時間の行程だった。待ち時間なしで比較的スムーズだった。後続の懸垂下降で落石があるので谷での長居は敬遠したい。左方カンテのパーティーの懸垂完了し全3パーティが無事に登攀が終了した。
帰路 さて帰路だが、登山道出合までが気がぬけない。心が緩んだで疲れている時にアクシデントは起こるものだ。気を引き締めて慎重に登山道まで下った。ムシカリ、ムラサキヤシオ、アカモノ、ミヤマキンバイが綺麗に咲いていた。登山道に入り休憩を入れて1時間20分で駐車場に戻れた。その後、ひがくの湯で汗と疲れを流し帰路についた。 昨年から狙っていた「注文の多い料理店」ができて嬉しく思う。後術とかパーティー構成、時期、天候など実際の登攀に至るまでの条件が整わないといい登攀はできない。東海地方が梅雨に入ったが、運良く天候に恵まれたのが最大の成功要因だったと思う。「注文の多い料理店」大変いいルートなので機会があればまた登ってみたい。 | ページ1 | ページ2 | |
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2015-5-31 Copyright (C) 2015 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |