■明神岳主稜(北アルプス) |
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レポート No.827 |
〜秋雨前線の隙間を狙ってバリエーションルート明神岳主稜にアタック〜 |
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8月26日 自宅(19:30)〜ひるがのSA(22:30) |
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前穂高岳 最後のピークを越えると正面に前穂が見えてきた。あとひと踏ん張りだ。山頂から登山者の声が聞こえてくる。バリーエーションでは誰にも会わなかったが、人の声を聞き緊張感がほぐれていった。夏の花の盛りは過ぎていたが、トウヤクリンドウ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、ミヤマアキノキリンソウなどが心を和ませてくれた。先ほどのオコジョに引き続き雷鳥にも会えた。高山に生きる花や動物と出会えて、日本アルプスの自然の豊かさを改めて感じられた。 前穂山頂には11時過ぎに到着した。ほぼ予定通り、野営地を出発してから約5時間の行程だった。登攀の要素が少なかったが少し寂しかったが、誰もいない明神主稜をしっかりと歩けたことは、いつまでも記憶に残ることだろう。これで何度目の前穂山頂になったかわからないが、別のルートからの登頂は、自分の中では意義のあることだ。ガスの切れ間から涸沢が俯瞰できた。スケールといい美しさといい、日本の圏谷としてはやはり群を抜いている。先月は滝谷をやるために涸沢まで来て雨で引き返したことを思い出した。 紀美子平 午後から乾いた空気が入り天気が良くなると予報だったが、どうもすっきりとガスと取れない。紀美子に降りたのは12時で、明日、奥穂、西穂を縦走するか、それともここまま下ってしまうかの最終判断だ。縦走するなら今日の行程は奥穂高山荘まで。下るなら一気に上高地まで行ける時間だ。結局、はっきりしない天気を疑い、後ろ髪を引かれる思いだが、下山に決定した。 重太郎新道 さて方針が決まったらさっさと退散。重太郎新道を2時間かけて慎重に下った。ザックの荷が重く、明神主稜のアップダウンで疲労した足腰には堪えた。しかしダケカンバ帯から下の草地は百花繚乱。疲れた身体と心を癒してくれた。 岳沢 予定通り2時間で下り岳沢には1時に到着した。雲がさらに降りてきていて天候が悪くなっているようだ。下山して正解だったのか。無性に麺類が食べたくなってきたので、小屋でドンベイの天ぷらそばを買って食べた。平日とあってテントも2,3張りで登山者も少なく小屋周辺も静かだった。さてあと一踏ん張りだ2時間がんばって下山しよう。 1時間で7号標識間まで戻ってきた。これで1周回ったことになる。昨日はこれから先のルートに緊張感を感じたが、今日は標識を見ると感慨深く充実感さえ感じられた。 16時過ぎに上高地に到着し、少し待ち16時30分の平湯行きのバスに乗った。 ひらゆの森 残念ながらバスターミナルのお風呂は営業終了していたので、ひらゆの森のお風呂で汗と疲れを流して帰途についた。 穂高のバリエーションや登攀はまだまだやりたいところが残っている。体力は年ごとに落ちていくが、自分なりのペースでやり続けたい。 現在の閲覧数 |
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