プロローグ　笠木渓谷は大紀町の観光スポット「原始の不動滝」としてPRされている。林道も整備され、立派な「もみじ茶屋」「陶芸小屋」天然の渓谷を利用した庭園や広場、駐車場、トイレが整備されている。登山道もこれと同じ頃に整備されたようで、何本かのルートが設定されている。ネットでもブログなどで紹介されている。さてどんな山なのかまずは、歩いてみることにした。

アプローチ　二日連続の大紀町入りになった。雪の固まるこの時期、中部山岳のアルパインを楽しむ予定だったが、大雪のため雪崩が心配で暖かいところに転身している。大紀町柏崎から整備された林道が渓谷まで伸びていて、労せずに駐車場まで車が入った。駐車場やトイレも整備され、アプローチの評価としては県内でも屈指だろう。景観も良く、岩壁、滝、渓流があり、山容も山の形をしている。興味を引かれたのは岩壁で、クライミングスポットの白くらが石灰岩の岩壁なので、きっとこの辺りの地質が似ているだろうと現地入りした。

　　　
駐車場　　　　　　　　　　　　　　　　　ザラ谷道の展望岩

さてルートだが、何もわからないので案内板を見てとりあえず、ザラ谷コースを上がり、少し縦走して、笠木山から中道ルートで下ることにした。ザラ谷ルートは植林帯の谷筋から尾根にのり、展望岩までは急登りが続いた。ヒイラギ、シキミ、ユズリハなどが目に付いた。展望岩はもちろん展望のいいところで、柏崎や阿蘇の村や紀勢の主要山岳が一望できる所だ。傾斜はここで緩み痩せ尾根が主稜まで続いている。展望岩は雑木林となり、アカガシ、アセビ、ヒサカキ、モミなどが見られた。

　　　　　
大紀町の山々　　　　　　　　　　　　　　　ザラ谷山頂

稜線と合するところがザラ谷山で、雑木の中にあり、プレートがないとわからない。稜線は植林を免れることが多く、モミやケヤキが目についた。ツツジの芽が膨らんでいて、種類はわからなかったが、春は花も期待できそうだ。笠木山までの間に岩場が２カ所あり、中間の所は「吉岩」というらしい。プレートの杭が倒れていたので直しておいた。

　　　　　
稜線の分岐　　　　　　　　　　　　　　　　　　稜線のケヤキ林

　　　
稜線の岩場　　　　　　　　　　　ザラ谷道の尾根

二つ目の岩場を過ぎるとすぐに山頂に到着した。間伐され疎になた雑木林で展望が得られている。丸太のベンチがあり休憩にはうってつけの山頂だ。少し早いが昼食休憩にした。

　　　
稜線の岩場「吉岩」　　　　　　　　　山頂付近の岩場

　　　
山頂　　　　　　　　　　　　　　中道

帰りは中道で植林を急降下すると林道に降りた。途中から今度は遊歩道に入り、少し下ると「不動滝の雄滝」に出た。なかなか立派な４０ｍの滝だ。そこからは５分で駐車場に戻った。こじんまりとした山域だが、意外と植林が少なく、景観がいいので候補としたい。

　　　　　　　
不動滝「雄滝」

林道から見る笠木山