■小槍、孫槍、曾孫槍、大槍(北アルプス) |
レポート No.755 |
21日 新穂高温泉駐車場(10:25)〜穂高平小屋(11:26)〜白出沢出合(12:45)〜滝谷(14:35)〜槍平小屋野営場(15:40) |
|
登攀日の朝 2時過ぎからテントサイトが慌ただしくなってきた。まずまずしっかりと休めたようだ。3時にシュラフを出て軽く朝食を摂った。準備をして出発出来たのは4時前だった。ヘッデンをつけて歩き始める。少し風はあるが、月も星も出ていてまずまずの天気だ。昨日はなかった高層雲が見られるので天気が下り坂になっているようだ。 シラビソ帯を過ぎダケカンバ帯に入ると最後の水場に到着し、ヘッデンの必要がなくなった。水場の水で喉を潤し、さてもう一がんばりで千丈乗越分岐だ。サブザックの中はクライミング装備と水、カッパだけなので、10キロくらいはあるが非常に軽く感じてしまう。担いでいても苦にならない重さだ。 高層雲があるので朝焼けがきれいだった。しばらく立ち止まり、色の移り変わりを楽しんだ。そうこうしているうちに千丈乗越に到着した。さてどちらのルートを行くかだが、天気の良いうちに展望の良い稜線コースを歩くことにした。 千丈乗越 約40分で千丈乗越に到着した。標高は2743m。大喰岳ごしに穂高連峰が、千丈沢を挟んで赤茶色の硫黄尾根が独特の色合いを呈し、西鎌尾根が双六まで続いている。黒部源流の山々も一望できた。時計を見ると6時20分で、槍ヶ岳から降りてくる登山者と行き交うようになった。下山する人、双六へ向かう人、いろいろだ。 槍の肩 さて千丈乗越からもうひとがんばりする必要がある。途中で小休止を入れ1時間半で槍の肩に到着した。まずまずのコースタイムだ。小槍の南面がよく見えている。取り付き点からピークまで、ルートを目でトレースしながら確認した。さてここからは一般登山者なら大槍の鉄の階段を登れば容易に山頂に立てるが、クライミングする我々にとってはこれからが本番だ。ハーネスを装着し、ギア類を身につけて下降点まで移動した。 小槍取付 さて取り付きだが、ゴミ置き場あとからもいけるようなので探ってみるがよくわからなかった。定石通り一般登山道をコルまで歩きルンゼを下ることにした。一般登山者はここまでだ。コルまで行くとルートが目視でき安心できたが、ルンゼが悪い。池の谷ほどではないが、油断すると岩がなだれる。慎重に下降し切り通しのようなトラバース道に乗ると岩もしっかりとし安定した。取り付きはすぐに確認できた。
小槍1ピッチ目 U 15m 小槍2ピッチ目 W+ 35m 小槍の縁の岩にスリンクが束になっているところが支点として使われている。コルへの懸垂はこれを使うとして、数mロープを伸ばすしたところに頑丈な新しい支点が整備されていたので、そこを終了点とした。大槍からの歓声が聞こえてくる。 小槍といえばやはり、童謡「アルプス一万尺」だ。歌詞を調べてみると、29番まであるみたいだが、有名なのは1番の小槍の上で。 小槍の山頂はそれほど広くなく、アルペン踊りを踊ると危険なので、ギャラリーへのサービスとして、うさぎがポーズを決めた。 小槍尾根 小槍から大槍に続く尾根は槍ケ岳西稜(小槍尾根)と呼ばれている。日本山岳体系から引用すると「小槍から大槍を別々に考えるのではなく、小槍基部から北西へ降りる岩稜から小槍、曾孫槍、孫槍、大槍へと続く岩稜を一続きの稜と考えてルート化すると、長大な、技術的にも難しい、しかも楽しいルートとなる。・・・・」
|
|
2013-9-23Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |