2012年3月20日 鍋尻山(鈴鹿山系滋賀の山) ホーム |
■鍋尻山(滋賀の山)2012年3月20日 No.656 つくだにさん、隊長、うさぎ プロローグ 鈴鹿の山はすでに花の季節に入っている。捜索活動が1ケ月以上続いているが、今日は少し暇をもらって、取材を兼ねてささやかな花見に出かけた。雪解けを追いかけるように花を開く、フクジュソウとミスミソウが目当てだ。まだまだ残雪の多い霊仙山を避け、お隣の鍋尻山へ。 アプローチ 鈴鹿からアプローチする場合、国道306号線を利用するのが最もよいが、冬季閉鎖で通行できない。高速を利用する手もあるが、1分1秒を争うドライブでもないので、昨年完成した石槫トンネルで滋賀県へ出た。滋賀県側の道路の整備が進んでいないので、道路の状況はあまり良くないが、ダム湖畔の道路は景色がいい。のんびり走ること2時間で登山口の河内に到着した。 河内は、落合や保月と同じように、山間部に点在する寒村のひとつで、現在住まわれている人がいるのかどうかわからない。村に到着するとすでに、つくだにさんが待っていた。準備を済ませ小さな鉄の橋で対岸に渡る。登山道の標識や目印テープなどの類は全くのないので最初は戸惑うが、民家(だれも住んでいない)横の植林の中に登山道を見つけることができる。登山道といっても保月へ抜ける生活道路様のものだ。ジグザグに急坂を登り尾根に乗ると早速、ミスミソウが出迎えてくれた。気温は低いが、日ごとに力強さを増してきた春の陽光に誘われて花を開いていた。
露岩の痩せ尾根を階段を上るように登って行く。こうどかんがかんじられる明るい尾根だ。あちらこちらで半開きのミスミソウの白い花が風に揺れていた。傾斜が緩むとよく手入れされた植林帯に入ていく。 この辺りからルートが不鮮明になるが、少し登っていくと石積みの道が見えてくる。昔は保月への生活道路として使われていたのだろう。見上げると保月への乗り越しが見える。美しい二次林の斜面をジグザグに登っていくが、目印も薄く決まったルートなどない。雪が融け凍てついた状態なので登りやすいが、午後気温が上がってくると下りに難儀しそうだ。 保月の分岐まで上がると広々と展望が開け、鍋尻山が見えてくる。 この斜面を登れば山頂だ。残雪は適度の固まっているが、所々に踏み抜くところがあり、不用意に脚に体重を乗せるのが怖い。凍り付いた斜面をキックステップで登っていった。 霊仙山 少し高度を上げると残雪の霊仙山が見えてくる。西南斜面は雪解けが進んでいるが、尾根には残雪がある。例年ならフクジュソウが咲き出す頃だが、今年は積雪が多かったので、見頃は来週あたりだろうか。 雪面を慎重に登って分岐アkら30分ほどで鍋尻山頂に到着した。残雪が多く、三角点は確認できなかった。霊仙山の向こうに真っ白な伊吹山が少し見えている。 鍋尻山頂を通り越し南面に移動すると雪が融け地肌が見えていた。フクジュソウはこの下だ。果報は寝て待てというが、急いで見に降りなくても、必ず咲いているので、まずは腹ごしらえをしてからだ。 石に腰を下ろし、御池岳方面の風景を楽しみながら昼食にした。ここから見る限り御池もかなりの残雪だ。捜索活動は今日の行われているだろう。無線でIさんを呼んでみるが応答なし。谷へ降りてのゾンデ探索なら電波は届かないだろう。東海QSOコンテストが行われているらしく、430メインチャンネルからはしきりにCQが入ってきて賑やかだ。腹ごしらえが終わりそろそろ花見に降りた。 フクジュソウ 芽を出したばかりのフレッシュなフクジュソウが花びらを大きく広げていた。自生の範囲は狭いが、それだけに価値がある。 あれもこれもとカメラに納めることに夢中になった。花の色と同じで、ゴールデンタイムとはこのことだ。入山後誰にも会わなかったが、下の方から声がするのでよく見ると、男女ペアが保月から登ってきた。同じくフクジュソウが目当てのようだ。 撮影に没頭するつくだにさん フクジュソウに満足し山頂を後にした。そろそろミスミソウも花を全開にしていることだろう。慎重に雪面を下り、ずるずるの二次林の斜面に足を取られながら植林帯まで下って小休止。 ミスミソウ 樹林帯を過ぎ露岩の痩せ尾根にさしかかった。さて、ミスミソウの咲き具合はどうだろう。花びらはほどよく開き見頃だが、風が強くて撮影が大変だ。シャッタースピードを上げると深度が稼げず、風がやむのを待てばいいが辛抱が足りない。ひとつだけピンクの花を見つけたので、すかさずゲット。ミスミソウを満喫し山を下った。 花の山旅 春分の日の今日は、フクジュソウを期待した登山者が多くなる。この辺りでは、お隣の霊仙山西南尾根が有名だ。しかしこの鍋尻山は、フクジュソウの群落の規模が小さいこともあるが、登山者は少ない。じっくりと花と接するにはちょうどいい山域だ。フクジュソウとミスミソウの二つの花を堪能し帰路についた。帰りには、ヒトミワイナリーに立ち寄り、手頃でおいしいワイン二本とパンをゲットした。厳しい山行が続いているが、ほっとする花の山旅に心が癒された。 |
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