2011年月2日19日20日 御池岳(鈴鹿) |
■御池岳(鈴鹿)2011年2月19日20日 No.594 utty、りんちゃん、ピッケルさん、つくだにさん、N師匠、隊長 先週に続いて御池登山となった。三連休の先週は、寒波襲来を覚悟で奥の平に上がってみたが、やはり吹雪とガスで厳しさだけが記録に残った。そこで今週、もう一度チャレンジ、仲間を募ったところ6人のパーティーができあがった。この時期の移動性高気圧は移動が高速で、晴天は1日と相場は決まっているが、今回は少しがんばってくれたようで、両日とも申し分なしの晴天に恵まれた。ただ、あまりにも天候がよすぎて樹氷が見られなかったのは残念だった。 プロローグ 冬のテーブルランドは、鈴鹿を歩く登山者なら、誰もがあこがれる山域だ。日本海側の影響を受けた草花が自生するということは、天候も日本海側の特徴を呈し、冬は御池周辺など積雪量が多い。2月に入り気温の上下差が大きくなるにつれて雪が締まり歩きやすくなってくる。御池岳の奥の平のスノーハイクなどはこの時期が狙い目で、雪原に加え、青空と樹氷の3拍子がそろうとすばらしい風景が現れる。しかし山行を計画する週末と条件を合致させるのは難しく、毎年チャレンジはするがなかなか巡り会えない景観だ。それで今回も二週連続の山行となった。 アプローチ 参加を呼びかけたところ今回は6名のパーティーとなった。単独でじっくりと写真を狙うのもおもしろいが、年に何度かはパーティーで喜びを分かち合うのもいいものだ。初日の方が天気が良さそうなので、遠方より参加のピッケルくんには申し訳ないが、藤原パーキングを8時出発とした。 今回は、私とuttyはソロテント、他の4人は大きなテントという構成になった。夕食は皆が集まって食べたいので、どうしても大きなテントが必要になってくる。秋、春なら外でもいいが、冬は厳しい。食材を分担し、いざ出発。 木和田尾根ルート さて今回は、初日に天候がいいので、とにかく早くテーブルランドへ上がることにする。木和田尾根で白船峠へそして真の谷に降り、一気に山上大地まで登り切る計画だ。 この時期になると雪が締まってくるので、このコースをたどれば日帰りも十分にできるが、光の加減が絶妙になる朝と夕の景観を楽しみたいならやはり泊をともなうことになる。等圧線が密になり冬型が厳しくなると山上でのテント泊は厳しくなるが、今回は穏やかな天候が予想されるのでその心配はない。 狭い白瀬峠登山口はすでに満車。 御池に向かう人は朝が早いようだ。うっとうしい杉林の谷を抜けると雪と青空で開放感のある落葉樹林に入り、徐々にテンションが上がってくる。気持ちのいい樹林で水分補給と体温調節のために小休止を入れる。 福寿草 さて坂本谷分岐までにひとつ楽しみがある。少しコースを外して探してみる福寿草が咲き始めていた。先週も出会ったが、またあの単独の男性が花の咲き具合を確かめにやってきていた。我々もザックをデポし、めぼしいところを探してみた。まだ咲き始めでつぼみも少なかったが、3輪ほど花を開いた株が見つかった。やはりこれを見ないと鈴鹿の春が始まらない。冬型が支配した先週からわずか1週間だが、着実に春が始まっていた。
鉄塔まで登ってくると一気に展望が開ける。 風も少なく穏やかで、晴れやかな青空が広がり、残雪の稜線がくっきりと浮かび上がっていた。主要な中部山岳が地平線上に浮かんで見えている。待ち望んでいた風景が眼前に広がり、気持ちが高揚し始めた。さて、一気にテーブルランドに上がりたい気分だ。 白瀬峠 坂本谷分岐で小休止をとり、さてここからがアップダウンが始まる。トラバース道でまず冷川谷の源頭まで進み、ここからのひと登りが第1ラウンドといったところか。先週はラッセルしながらの登りになり、1時間強を要したが今回は、雪が締まり、比較的短時間で峠にたどり着いた。 小休止を入れ、ほてった身体をクールダウンし、真の谷からの登り返しに備える。ここ白瀬峠から真の谷に標高差150m降り、そこから山上台地へは標高差350mの登りとなる。最後のツメに大仕事が待っているというわけだ。 真の谷から直登 十数分で谷まで降り、そのままの勢いで登りにかかる。雪が締まり多少のトレースがあるが、冬山テント泊装備の重量は20キロ近くあり、足に体重が乗るとしばしば踏み込んでしまう。一旦踏み込んでしまうと抜け出すのが大変だ。今日の雪の状態ならアイゼンの方が効果的だと思ったが、軟雪層の所ではスノーシューがはきたくなる。日帰り装備なら、登りに要する時間は1時間10分ほどだが、荷が重いので簡単には高度が稼げない。登り初めて30分ほどでつくだにさんの足がつりだしたよう。峠までに大汗をかき、休憩と真の谷までの降下で足をひやしてしまったようだ。誰しも経験があるだろうが、一度けいれんし出すとなかなかもとに戻らない。やさしいピッケル君が100mほど降りザックを担いで助ける。つくだにさんが登ってきたところで、アミノバイタルとシャクヤクカンゾゾウを服用させる。効果は抜群。けいれんが解消した。シャクヤクカンゾウは一時的にけいれんを和らげるが根本的な解決にはならない。発刊で失われる水分とミネラルを補給すると同時に、筋肉のエネルギー源となる糖類やBCAA、アルギニン、グルタミンを補給してやると効果的だ。 テーブルランド 結局、真の谷からテーブルランドまでの登りに1時間40分を要することになった。樹林帯を抜けて広々とした台地の端の登りついたときの達成感は、なかなか言葉では言い表せない。登りついた地点はP1194の東側。りんちゃんが待ちきれずに、片手に缶ビールをもって待ちかまえていた。テントを設営してからと思い、少し雪原を歩くが待ちきれず、雪原の真ん中で「プシュッ!」。明宝ハムを肴に飲むビールは格別だった。 少し落ち着いたところで宿探しをする。台地に西にひと張りのテントがあり、我々は夜景と朝日が楽しめる東のボタンブチに向かう。移動性の高気圧にすっぷりと入っているので等圧線が緩やかになっている。特に風を心配しなくていいが、少し風裏を選んでテントを設営した。 テントの設営が終わり、テーブルランドの散策に出かける。ボタンブチあたりまで時計回りに周回することにした。テーブルランドの西渕を歩けば光は順光になるので撮影しやすくなる。時計を見ると時刻は16時前になっている。夕方は、斜陽光で微妙なコントラストが出始めるので、撮影には都合のいい時間帯だ。 奥の池周辺に来ると、御池そま人さんたちとT字尾根から登ったときのことを思い出す。山行記をさかのぼってみると見つかった。2001年10月28日だった。ハリマオさんのレポートにも記録が残っていた。あれからもう10年になる。レポートを読み返すと、ツルリンドウの赤い実やブナ権現のブナ、そして池の畔で食べた昼食のことが思い出された。
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