2010年月11日23日 弥山川(鈴鹿) |
■弥山川(大峰)2010年11月23日 No.575 N師匠、UTTY、つくだにさん、隊長 | ページ1 | ページ2 | 一の滝、二の滝 11:30 へつりを終えてそのまま右岸を進んでいくと、滝の音が聞こえだす。谷は更に険しくなりやぐらを乗り越すと一の滝前の岩棚で出る。ここも雨で岩が濡れていて、大変滑りやすかった。微妙な傾斜なので油断しがちだ。フリクションがあれば問題ないだろうが、それでも滑り落ちると滝壺だ。細い針金が付けられていたが、念のために準備したロープを垂らした。 岩棚を降りたところに立派な吊り橋が架かっている。吊り橋の上からは滝がよく見え、見下ろす谷の景観も素晴らしい。橋を渡ったところの大岩の前は、滝見に好都合なテラスがあったので、そこで滝を見ながら小休止した。天候の好天を期待したが、雨は降ったり止んだりで回復の兆しが見られなかった。
双門滝 さてここから、落差のある双門滝の高巻きが始まる。険しい右岸の断崖を、ハシゴや桟橋、階段でぐいぐいと高度を上げていく。まずその前に、テラスから少し進んだところでルートを見失い右往左往する。後続のグループとルートを探しコースに復帰した。国土地理院の地形図はコースは線は古いものらしく、GPSの奇跡と食い違っていた。後でGPS奇跡を確認したところ、標高差150m高巻き、100m降って谷に降りていた。ルートが整備されているのでありがたいが、スリップが滑落につながるところが多く、注意を要する。
双門滝のテラス 12:10にテラスの到着した。ガスが無ければ素晴らし景観が期待できるが、残念ながら、滝の音だけが、乳白色の谷に轟いていた。この双門滝だが、「日本滝百選」になっていて、この滝を見て引き返す人も多いようだ。先行していた男性二人組が時間切れで引き返してきた。来たルートを戻るという。更に先に進むと単独男性も引き返してきた。濡れた岩場のクライムダウンは危険だ。慎重に降らざるを得ないので、登りとほぼ同じくらいの時間がかかるのではないだろう。引き返す時間を考えると12時がタイムリミットになると思う。我々は濡れた岩場を降りたくはなかったので、まずは先に進み谷が地かずく所まで降ることにした。 折り返し 13:15に谷で昼食休憩とした。河原木屋まで行きたかったが、もうこれ以上進めない時間になっていた。やはり雨で出発を遅らせたのが時間を圧迫しだしたようだ。これは想定内で、河原木屋まで行けば、下る途中で暗くなるが、ルートがしっかりとしているので問題はない。しかし、効率よく早く安全に帰りたいのが心情だ。地形図とGPSで現在地点を確認したところ、登山ルートの弥山−川合線までが標高差で200m、傾斜はそれほどきつくなく、ヤブもなさそうだった。バリエーションで行けると判断した。要するに緊急脱出ということだ。30分で昼食を済ませ、左岸に渡渉し斜面に取り付いた。まず、尾根筋を標高差150mほど直上した。取り付きは傾斜がきついが、徐々に緩み、谷が消えたところでトラバースに切り替えた。ここまで来るとひと安心だ。このまま進むとやがて登山道に合流するはずだ。ガスに包まれた樹林が幻想的で美しい。天候の回復を期待したが、どうやら叶わなかったようだ。
カナビキ尾根コース 予定通り、14:30に登山道と合流した。やれやれ、これで下山時刻が計算できた。日没までには帰着できそうだ。後はカナビキ尾根コースの分岐点を見落とさないことだ。この尾根コースだが、ブナ、ヒメシャラ、ミズナラの素晴らしい美林だ。平坦地もあり、どこでも野営できそうだ。分岐点には標識は無かったが、目印があったので判断できた。地形図とも一致した。下りはじめは植林が鬱陶しかったが、やがて自然林となり、踏み後もしっかりとしていて、安心できるルートだ。快調に降って1時間20分で林道まで降りることができた。それから林道を30分歩き出発点に戻った。やれやれ。 双門ルートはなかなか手応えのあるルートだった。体力、登山技術、経験、状況判断など、登山の総合力が求められるコースだ。普段はクライミングで困難なコースに挑んでいる。核心部で手も足も出ずに立ち往生し、追い詰められた時の自信のないスタンスは必ずフォールしてしまう。それと比べるとこのコースは決して難しいコースではない。基本に忠実に、気持ちにゆとりを持つって行動すれば、それに見合う充実感は得られるだろう。ガスで双門滝が見られなかったことが心残りで、次回はテント泊でゆとりをもった計画で望みたいと思った。完 | ページ1 | ページ2 | |
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