2010年1月10日 鬼が牙、臼杵ケ岳(鈴鹿) |
■鬼ケ牙、臼杵ケ岳(鈴鹿)2010年1月10日 No526 隊長、うさぎ 本日のルート 国土地理院の提供している電子国土Webシステムを利用 プロローグ 前回、このルートを周回したのは2004年3月13日だった。それから6年、この山域ヘは足を踏み入れなかったが今回、ルート点検のために歩いた。鈴鹿南部は北部と比べると入山者も少なく、このルートに関してはバリエーション色の濃いルートであったが、最近はよく歩かれているようで、目印テープも増え、踏み後もしっかりとしてきていた。 アプローチ 第二名神、東名阪と主要道路が通る亀山市周辺は交通の便がよくアプローチはしっかりとしているが、石水渓谷から安楽峠に抜ける道路は落石のために通行止めになっている。しかし登山口までの距離はそれほどないので、歩いても苦にはならないだろう。 鬼ケ牙 セト谷右岸の斜面を登っていく。鬼ケ牙は岩峰といってよい。安楽川と石谷川を分ける尾根の末端に位置している。鈴鹿の山と谷6で西尾氏は、「南画風の景観は石水渓谷の価値をいっそう高めている」と言っている。そこから流れ出る谷はいずれも急峻だ。急傾斜には固定ロープが設置されている。途中で左岸に移り尾根に出ると尾根コースに合する。そのまま尾根伝いに進むとP488に出る。ここは東峰と書かれた小さなプレートに従い、南峰東斜面を通ってコルから東峰に上がる。風化の進んだ花崗岩の頂は、大変展望がよい。来た道を戻って少し登ると南峰470mと書かれたピークに出る。この先に鬼ケ牙P488がるので、南峰としたのだろう。このあたりの小ピークを含めた山塊が鬼ケ牙ということだろう。 長坂ノ頭 鬼ケ牙からは尾根伝いのコースとなる。素直で真っすくな尾根ではないが、県境稜線の船石あたりまで登っている。その中間地点に標高600mの顕著なピークがある。鬼ケ牙からでもそのピラミダルなピークがよく見えている。この尾根の事をナガサカ(長坂)と言うらしく、「その頂を長坂ノ頭とと仮に名付けておく必要がある」と鈴鹿の山と谷6では言っている。標高は600mになっているが、鈴鹿北部の山の植生とは違い、アカマツ、アカガシ主体で、サカキ、アセビ、モチノキなどの常緑樹の尾根が続く。鞍部で大岩に行き当たるので左から巻いて進んでいくと、長坂ノ頭に到着する。6年前にここでコウヤマキを見つけ、今までに鈴鹿ではほとんど見ていなかったので印象に残り、正確な位置まで覚えていたので再びいってみると、やはり同じ場所にあった。幹はほとんど生長していないようだ。
長坂ノ頭でコースは直角に折れ曲がる。すぐに崩壊地があるが、岩場を伝って下りていく。小ピークを乗り越え向きが東に転じると稜線への登りが始まる。尾根を登り切ると県境稜線に出る。展望がよく、登ってきた尾根を一望できる。 船石 県境稜線を西に少し進むと展望のよい「船石」に出る。船石谷はP429でコスギ谷とスギオ谷に分かれ、その間の尾根の源頭部に船石がある。表面の平らな花崗岩で、どう見ても船の形には見えない。この下の谷が船石谷と呼ばれているからだろうか。国土地理院の地形図にはコスギ谷のルートが記されているが今はあまり歩かれていないようだ。それにしても山に船と名が付くのはこれいかに。西尾氏は鈴鹿の山と谷6で、「昔の人々は、先祖は船に乗ってやってきたと考えた。それが、水源の神とイワクラ信仰などと結びつき習合したものだろうか」と言っている。磐座(いわくら)は日本に古くある自然崇拝に信仰のひとつ。展望がいいのでここで弁当にするのもよかったが、雪が乗っていて風もあるのでもう少し進んでからにすることにした。 臼杵ケ岳 船石から稜線を少し進むと向きが南に変わりアセビの灌木の降下となる。風下の展望の良いところで昼食とした。日差しがあればもう少しゆっくりと食事をするところだが、風は避けても気温が低いので身体がすぐに冷えてきた。簡単に食事を済ませ先に進むことにした。役目を終えた鹿よけネットに沿って県境を南に進む。少しの登りで臼杵ケ岳に着いた。数年前は灌木で視界がなかったが今は、木が切り払われ展望が楽しめるようになっていた。次に臼杵山へ向かうが、途中でカメラが気づく。デジイチはあるが、コンデジがない。ザックを見ても入っていない。どうやら昼食場所に忘れたようだ。ザックをデポし、取りに戻ったので20分のロスタイム。 ウス岩・キネ岩 臼杵山へは一旦鞍部へ降り登り返す。標高点のない小ピークだが、臼杵ケ岳が樹間からよく見える。先ほどの臼杵ケ岳からここまでは南側が急斜面となっている。尾根を少し進むと古代稲作民の信仰対象となっていたキネ岩・ウス岩がある。花崗岩の大岩で、そういわれればそのように見えるが。高度感があり、展望もよいところだ。仙ガ岳がいい角度で見られる。 ここまで来ると行程の大半が終わり後は下山のみだ。最初は急峻な尾根斜面の降下だが、谷に下りると緩やかになりやがて林道に下りる。道標もしっかりとしていた。石水渓谷の白い花崗岩の岩肌を流れる渓流がきれいだった。 完 |
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