■鎌尾根(鈴鹿)2009年1月17日 No.479 じんじんさん、りんちゃん、隊長 プロローグ 少し日が長くなってきたので、出発を30分ほど遅らせ8時半の出発とした。勤め人にとって休日の朝は少しでもゆっくりとしたいのものだ。宮妻渓谷の駐車場は乗用車が2台あるのみで、先行する登山者は、わずから距離だが林道ゲートの登山口周辺まで車で上がっていた。林道は凍結箇所が少しあった程度で問題なく駐車場まで乗り入れることができる。準備を済ませ登山口に向かう。 尾根への取付 さて尾根への取り付きだが、地形図を見ていいて最初に目に付くのは、登山口まで降りてきている尾根末端からだ。他に、林道を少し進んでから南側へ派生する尾根からと、登山道を少し進み水晶谷から東に派生する尾根からが考えられる。今回はGPSトレースにもあるように、登山口脇から入った。 ルートミス しばらく休んで歩き出したのはいいが、方向を確かめずに歩き出したので、基本的なルートミスを犯す。間違ってカズラ谷の方に降りてしまったが、50mほど降りて又引き返した。やはり見通しの効かないところで休憩すると、方向感覚が狂ってしまうようだ。
登山道合流 少し尾根が広がってくると同時に傾斜もゆるみ、カズラ谷登山道に合流し、一息入れる。登山者が一人、息を切らせて登ってきた。ここからはトレースもしっかりとしているようで、とりあえず岳峠までは気楽に歩けそうだ。合流地点はイワカガミの群生が見られるところ。雲母分岐まで来ると積雪量も多くなり、冬山の実感が湧いてきた。降雪後時間が経過しているので雪が少し締まりかけており意外と歩きやすい。ここまではスノーシューもアイゼンも出番なし。 鎌尾根 鎌ケ岳山頂を寄っていると、鎌尾根の縦走の時間が心配になる。どうしようか迷いつつとりあえず、絶好の位置で鎌ケ岳を捕らえることができる、岳峠南のピークに登ることにする。何年か前に胸までのラッセルで難儀したことを思い出すが、今日は比較的容易に登ることができた。積雪は十分でこれで、青空と樹氷があれば申し分ないのだが。これである程度満足し、気持ちはすでに鎌尾根に向かっていた。よく見るトレースがある。「残念だけど助かるかな」と、複雑な心境だ。まずは尾根へのと利付きだが、雪庇を下から突破しなければならい。そこまでは鎖場になっていて、凍結しているので慎重に岩場を通過する。頭目には雪庇が壁のように立ちはだかっていたが、現場まで進んでくると人一人分だけ通過できる隙間がある。先行者もここを通過しているようだ。 鎌尾根は、岳峠から衝立岩辺りまでが、尾根もかなり痩せていて歩きにくい。積雪期では、痩せ尾根にもかかわらず灌木が防風の役割もしているので、雪が風で飛ばされず、積雪も多く雪庇が発達している。スノーシューでザクザクと歩きたいところだが、発達した雪庇を見ていると慎重にならざるを得ない。所要時間が気になるところだが、それよりも対立岩あたりまでは気が抜けず、雪との格闘に専念する。途中でコースを逆に歩いている男性登山者と行き交う。自慢のピッケルが光っていた。 ランチタイム 衝立岩の手前ですでに12時40分を過ぎていた。少し尾根の広がりのあるところで昼食にする。岳峠から衝立岩手前までで時間を2時間も使ってしまった。無積雪期の倍以上の時間を使ったことになる。衝立岩を通過すれば歩きやすいコースになるので、それほど心配はないが、最悪、日没までには林道まで降りたい。対立岩を通過したところで、担いできたスノーシューを装着した。やはり歩きやすい。水沢岳の登りまではこれで行くことにする。 衝立岩 衝立岩を降りてからの登り返しで少し雪にはまったが、それほど問題ではなかった。この辺りからはシャクナゲの多いところだ。花芽がちらほらと見られたので、今年は花が期待できるかも。衝立岩を振り返る。この辺りが鎌尾根の核心部で、新緑や紅葉の頃もいいが、積雪期もまたいい。 衝立岩を後にすると、水沢岳の登りまではスノーシューをはいて快調に進む。この辺りはむしろ雪があった方が、コースにとらわれずに歩ける。稜線から見る入道が徐々に大きく見えてきた。疲れて乳酸のたまった足の筋肉にむち打って、きょう最後の登りにかかる。登り切ったところから振り向くと、辿ってきた鎌尾根の全容が一望できる。 水沢岳 水沢岳山頂まで来ると一安心だ。時刻はすでに15時を過ぎていた。地形図で見ると宮越岳だが、水沢岳と言うのが一般的だ。存在感のある山容をしているが、いつも賑わいをみせる北隣の鎌ガ岳とは対照的に、この山を目指して登る登山者は少ないだろう。今回のように周回コース上のピークとして処理されている。山頂部はちょっとした広場があり休憩に適している。あまり時間がないので休憩もそこそこに、15分で滑るように水沢峠まで降りた。入道方面にもトレースがあるがなぜか、峠からの下りのトレースがない。鎌尾根で行き交った二人がどのルートを辿ったのか理解に苦しむ。ルートはひとつしかないし、降下なのでトレースがなくてもしれほど苦にはならない。しかし少し降るとトレースと合流した。どうやら谷側は積雪があり危険なので、斜面を流線まで這い上がったようだ。岩壁まで降りて氷壁を撮影し楽しむ。 氷壁見物も含め約1時間で林道まで戻ることができた。30分歩いて駐車場まで戻るともう誰もいなかった。完、
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