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2007年4月8日 藤原岳(鈴鹿)

 

藤原岳(鈴鹿)2007年4月8日No.402 隊長
観光登山駐車場(8:50)〜大貝戸道〜8合目(10:20)〜バリエーション〜山上台地散策〜避難小屋(13:16)〜大貝戸道で下山、駐車場(14:35)

 ここのところ藤原山行が続いているので、今回は伊吹山にと思ったが、「初志貫徹」。今年の春はこの一山にすることにした。以前、花の山旅執筆のための取材では、この山に何度となく通っていたが、6週続けるのはそれ以来である。その山の花を知るには、やはり足繁く通うことになるだろう。今回は山上台地散策のための時間を捻出するために、8合目までは一般登山道を利用させてもらった。やはり道がいいので、楽して登ることができる。今回もバリエーションをとったので、コースの詳細は記述せず、花の状況を書くことにする。

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山上を散策する。フクジュソウもまだまだ咲いているが、毎週見ているから野原のタンポポのように見えてくる。鈴鹿では限られた場所でしか見られないのが不思議なくらいだ。今回は予期せぬ出会いがあった。それはキバナノアマナだ。伊吹まで行くとごく普通に見られるが、ここ藤原と御池では、ごく少数派である。すずきたのドリーネでしか見たことがなかったが、藤原で見られるとは思わなかった。


フクジュソウ キンポウゲ科 フクジュソウ属


キバナノアマナ ユリ科 キバナノアマナ属


右奥が天狗岩


カレンフェルトに咲くフクジュソウ


三角点1009.6付近から東方を見る

ヒロハアマナも咲き始めている。まだ咲き始めなので、花柄が短いが。逆に撮影はしやすい。ひょろっと花柄が伸びてしまうと、撮影が難しくなってくるからだ。この花は日当たりがよく、少し乾燥したところを好むようだ。伊吹へ行くと草原がアマナで埋め尽くされるほどだが、ここ藤原ではささやかに咲く野の花の風情がある。


ヒロハアマナ ユリ科 アマナ属

●キバナノアマナ ユリ科 キバナノアマナ属
三重県レッドデータブック:絶滅危惧1A類。既知の生育地点数は1、で個体数が少ない。県内ではいなべ市の藤原岳、滋賀県の御池岳で記録されている。

分類
A 果実はそう果
 B 果皮は厚く、種子は果実内で成熟
  C 地下に鱗茎がある
   D 散形花序で、基部に1〜数個の包葉をつける。
    E 花序の包葉は緑で線形。

「プロファイル」 牧野図鑑より
旧大陸の北部に広く分布。日本では本州中部以北の山野にはえる多年草。春に1茎1葉を出して、黄色い花を開く。夏に鱗茎の残して枯れる。

「葉」
線形で幅7〜8ミリ。半筒状をして内面が溝となっている。茎よりも長い。
茎の上部に2〜3個の包葉をつける。包葉の先端は長く尖る。

「花」
花序は散形で、6〜10個の花をつける。花序は長短不揃い。花は黄色、花被は6個、先端は鋭形。裏側の中央は淡緑色。おしべは6個で、花被片より短い。

同じく御池岳や藤原岳で見られるヒロハノアマナ(アマナ属)とは属が違う。

 


キバナノアマナ ユリ科 キバナノアマナ属

予定通りキクザキイチゲと出会えた。鈴北あたりで見るのは白色が多いが、藤原のものはなぜが紫色が多い。これも咲き始めなので、来週あたりが見頃になるだろう。もうすぐに芽吹きが始まる。あっという間に春の花の季節が通り過ぎていくだろう。今日はキバナノアマナとキクザキイチゲに出会え、満足な一日となった。一気に山を下った。


キクザキイチゲ キンポウゲ科 イチリンソウ属

●キクザキイチゲ キンポウゲ科 イチリンソウ属
 菊咲一輪草
三重県:絶滅危惧U類
既知の生育地点数は5以下
日本全土、国外では朝鮮半島、中国、東シベリアの冷温地
県内では、鈴鹿山脈北部(いなべ市)、伊賀市、大台町(宮川)に分布する。

A 果実はそう果
 B 地上につく葉は対生または輪生
  C 花柱は花後羽毛状とならず
   D 茎葉は分裂するか、鋸歯があり、対生又は輪生、花より1センチ離れる。

「根茎」
根茎は地中を横にはい、細長くて節線がある。
茎は1本直立する。
「葉」
根生葉は2回3出複葉で柄がある。小葉は羽状に欠刻。
包葉は茎の先にあって3葉は輪生する。柄がありつけ根は鞘があって広がる。
「花」
包葉の中心から花柄を1本出し、先端に淡紫色の花を開く。
おしべは多数で黄色。めしべも多数で卵形の子房には白色の短毛が密生している。

 


山麓のニリンソウ(キンポウゲ科 イチリンソウ属)

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